
給湯器の交換時に既存排気筒を再使用したい場合の点検ポイント
※2019年4月4日に公開した記事ですが、耐熱シール材とステンレス製ビスの情報を追記、修正して2020年8月6日に再度公開しました。
給湯器を入替える時点で法令に適合していることが重要
ガス機器入替え時には、排気筒、給排気部を点検し、その材質及び施工法等が法令に適合していることが再使用の必須条件になります。
確認すべき3つのポイント
確認すべきポイントは、①給排気筒の材質はSUS304か、②支持金具でしっかり固定されているか?、③給排気接続部の処理が正しく行われているか?の3点です。点検方法は外部からの目視ですが、排気延長距離が長く、目視では確認できない場合や、二重管で内筒を外部から目視できない場合は、「工業用内視鏡(品番:SDI-120)」などを利用して内部を点検します。
給排気筒の材質はSUS304か?
JIA認証表示ラベルが貼られている給排気筒は、材質がSUS304であることがほとんどです。だだし、認証表示ラベルに「レベル1」と表示されている場合は、材質がSUS304ではない恐れがありますので、磁石を近づけて確認してください。非磁性体であるSUS304は磁石はつきませんが、基準に適合しないSUS430などのステンレスは磁石がつきますので区別する事が可能です。
SUS304であっても経年による腐食がないか、必ず点検を実施してください。ドレン水を流すための勾配がうまく取れていない場合は、ドレン水が溜まり腐食していることがあります。
支持金具でしっかり固定されているか?
既存の給排気筒が、天井や壁と支持金具を用いて、たわむことなく堅固に固定されていることを目視や指触にて確認してください。支持金具は1.5m~2m間隔で設置することが推奨されています。
接続部の処理が正しく行われているか?
接続部の確認は、ロック機構付きの給排気筒の場合は完全にロックされているかだけを確認してください。
ロック機構が装備されていない給排気筒が使用されている現場では、排気方式によってチェック項目が異なります。
FE式・FF式の場合は、排気筒どうしがきちんと差し込まれているか?ネジ、リベット等で抜け防止措置が施されているか?260℃以上の耐熱性を有するシール材が使われているか?を目視、指触で確認してください。
CF式の場合は、排気筒どうしがきちんと差し込まれているか?ネジ、リベット等で抜け防止が施されているか?を目視、指触で確認してください。CF式に限り支持金具を用いて接続部付近の差込み側をしっかり固定することでも抜け防止措置を講じているとみなされます。
機器設置後には特監シールを指定箇所に貼付
特定ガス機器の設置、変更の工事終了後は、必ず特監シール(特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律第6条の規定による表示ラベル)を給湯器と排気筒それぞれに貼り表示する義務があります。
なお、記入は黒色のボールペンか、油性のフェルトペンなどを使用してください。
特監シール
品 番 | 幅 | 長さ | 基準価格 |
SK47TC | 40mm | 70mm | ¥25 |
SK47TC-NAME | ¥325 |
※社名入(品番:SK47TC-NAME)のご注文は100枚単位になります。
給排気筒の接続時に便利なアイテム
超耐熱用シリコーン
耐熱性に優れたシリコーンシーリング剤です。給湯器の排気温度である250℃程度まで耐熱性があり給排気筒のシーリング剤に最適です。金属に対する腐食性もないので、安心してお使いいただけます。
品番 | 容量(㎖) | 色 | 基準価格 |
KE3418 | 330 | ブラック | ¥6,300 |
KE3418-100 | 100 | ¥4,700 |
ピアスビス(品番:PBS-413)
ロック機構が装備されていない差込み式排気筒は、しっかり奥まで確実に挿入し、排気筒と同等の材質で作られているリベット等で抜け防止措置を講ずる事と定められています。「ピアスビス(品番:PBS-413)」は排気筒と同じ材質のSUS304です。さらに先端がドリルねじになっているので下穴をあける手間が省け、作業効率アップにもつながるのでオススメです。
品 番 | 規 格 | 基準価格 |
PBS-413 | 4×13mm | ¥20 |
まとめ
ガス給湯器交換時の既存排気筒を再利用する際には、①給排気筒の材質はSUS304か、②支持金具でしっかり固定されているか?、③接続部の処理が正しく行われているか?の3点を確認することが重要です。
特定ガス消費機器の取付けは、特監法(特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律)に基づき確実に行ってください。

星孝幸

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