エアコン室外機の壁掛設置~振動対策3つの方法

【家庭用ルームエアコンの室外機を壁面用架台を使って設置しますが、振動でのクレームが心配です。何か良い解決方法はありますか?】というご質問について、その解決方法をご提案していきます。

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①壁面用架台とは?

壁面用架台

豪雪地方ではおなじみの『壁面用架台』。読んで字のごとく住宅の壁面に取付けて使用する、エアコンの室外機用固定金具のことを言います。

用途

  • 壁面の高い場所に設置する事によって、室外機が雪に埋もれて作動しなくなるのを防ぐ
  • 平地置きや屋根置きがスペースや設置環境の問題で、室外機を1m以上上げる必要がある場合に使う

なぜ豪雪地帯ではおなじみかというと、平地や屋根に室外機を普通に設置すると、冬になった途端簡単に室外機が雪に埋もれてしまうからです!青森県や新潟県に行くと、かなりの確率でこの『壁面用架台』にお目にかかれます。

材質・仕上げ・タイプ

  • 材質・仕上げは「鋼板+粉体塗装」「鋼板+溶融亜鉛メッキ」「ステンレス」「アルミ」の4種類
  • タイプは「木造在来工法住宅用」「ツーバイフォー・コンクリート壁用」の2種類

「鋼板+粉体塗装」日晴金属株式会社 C-KG

「鋼板+溶融亜鉛メッキ」日晴金属 C-KZG

「アルミ」オーケー器材 K-AK6G

地域によって特性があり、本州では青森県が「鋼板+粉体塗装」、信越地方では「鋼板+溶融亜鉛メッキ」が主流です。

サビや腐食に強い(重塩害/塩害対応)のが「鋼板+溶融亜鉛メッキ」仕上げですので、心配な場合はこちらを選定するのが安心です。

「木造在来工法用」と「ツーバイフォー・コンクリート壁用」の違いは、壁面固定板の長さとアンカーピッチです。壁面固定板が短い(W=700㎜)方が「ツーバイフォー・コンクリート壁用」となります。

★木造在来工法用=尺モジュール/2×4・コンクリート壁用=メーターモジュール

「ツーバイフォー・コンクリート壁用」日晴金属 C-KG7

固定方法については、外壁材の種類や住宅の構造によってそれぞれ違います。これについてはまた別の機会に詳しく触れたいと思います。

②メリット

  • 大雪や洪水の影響を受けにくい
  • 犬走りなどのスペースを有効活用できる
  • 室外機から室内機までの距離が短くなるので、冷暖房の効率が良くなる
  • 室外機から室内機までの距離が短くなるので、ダクトカバー等の部材点数を少なくできる

エアコン用に限らず、室外機の空気取り入れ口が雪や障害物(ゴミなど)で塞がってしまうと正常な作動ができなくなる可能性が高まります。よって、室外機を雪などで埋まらない場所まで上げることで、安定した動作を担保することが壁掛架台を使用する一番のメリットです。

③デメリット

  • 外壁に直接取付けるので、室外機の振動が室内まで伝わる場合がある
  • 外壁に直接取付けるので、アンカーやボルト穴の気密処理をしないと室内に外の空気が入ってきてしまう場合がある
  • 重量物を柱や外壁に固定するので、補強が必要な場合がある
  • 軒下や屋根の下に設置しないと、室外機の上に積もった雪の重みや屋根からの落雪で架台自体が曲がったり折れたりする場合がある

一番のデメリットは「室外機の振動」によるクレームの多さになるかと思います。「ブーン」という音が寝込み前の寝室に微妙に響いていたら、確かにイライラして眠れなくなりますよね…。そんな振動の問題を解決する3つの方法を、次項でご紹介したいと思います。

④解決策

1.強度を上げる

壁面用架台は「ヨコカン」と呼ばれる細長いL字型の鋼板を、木造であれば3か所、RCや2×4であれば2か所、ボルトやアンカーで壁面に固定し、そこに2組のタテカン+アームを引っ掛けてその上に室外機を設置します。また、タテカンの壁面に接する部分は「調整足」と呼ばれる合成樹脂製の部品のみです。よって、室外機は実質ヨコカンに「ぶらさがっている」だけの状態となり、振動や外的要因(壁の強度、設置場所、風の影響など)には決して強い構造とは言えません。そこで、ぶら下がっているだけのタテカン下部を、専用の部材を使って壁面に固定する事で架台自体の強度を上げ、振動を軽減するのがこの壁保護部材を使った方法です。

日晴金属 壁保護部材 CE-KHB 固定方法

日晴金属 CE-KHB 使用例

2.専用の「防振ゴムキット」を使う

壁保護部材が物理的に使用ができない、またはもっと簡単な方法で振動対策がしたいという場合には、専用の「防振ゴムキット」を使って振動を軽減する方法があります。

防振ゴムキットとは、壁面用架台にもともと付いてくる「本体固定ボルトセット」から取り替えるだけで防振架台になるという非常に便利な部材です。例えば40㎏の室外機を防振ゴムキットを使って固定した場合、通常の固定方法よりも約75%も振動をカットするという実証結果が出ております。

これが費用的にも時間的にも一番手っ取り早くて効果的な解決策と言えるかもしれませんね!

防振ゴムキット CE-VG

防振ゴムキット CE-VG 使用方法

3.「防振マット」を使う

室外機の外装自体が共鳴しているような気がする…そんな場合は「防振マット」や「防振シート」を室外機の内側や外側に貼り付けると、振動や音を吸収して共鳴が収まるケースがあります。適当な大きさにカットして両面テープで貼り付けるだけなので、作業も比較的簡単です。カーオーディオの世界では昔から「デッドニング」なんてものがありますが、それと同じ原理ですね。

防振マット GM-103

⑤まとめ

  • 壁面用架台とは、室外機を1m以上GLより上げる必要がある場合に使用する架台
  • 材質は鋼板やアルミ、仕上げは粉体塗装や溶融亜鉛メッキで、尺モジュール向けとメーターモジュール向けがある
  • 室外機を雪などから守れる反面、住宅の壁や躯体へのダメージや振動などのデメリットもある
  • クレームで一番多い「振動」の問題は、強度を上げたり振動を吸収する部材を使う事によって、ある程度解決できる

いかがでしたか?豪雪地方ではメジャーな「壁面用架台」ですが、集合住宅中心で設置スペースの限られる都市部でも使われるケースがあります。振動のクレームは、使用者のみならずまわりにも影響を与える可能性が高いため、出来る限り対策をして静かで快適な住環境をユーザー様に提供できると良いですね!

但し、振動の要因は様々です。ここに挙げた方法だけでは解決できないケースも多々ございますので、こんな方法もあるんだ程度に捉えて頂ければ幸いです。

ベストなパーツでは、施工業者様の小さな疑問やお困りごとの解決のお手伝いをさせて頂きます。

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Katsuhito Sasaki

Katsuhito Sasaki

2001年ベストパーツ株式会社(旧東北綜合器材株式会社)入社。2002年より営業職。分類は設置固定を担当。1976年生まれ。
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