給湯器における追い焚き配管の種類

使い慣れた追い焚き配管一辺倒から、現場に合わせた追い焚き配管選びへ。戸建てから集合住宅まで、この基本を守れば自信をもって建築、設計、施主にご説明していただけます。

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追い焚き配管の役割

追い焚き配管とは、給湯器から離れた浴槽に、ポンプでお湯を循環させて自動で湯はりや追い焚きするためのペア配管です。かつ、循環するお湯の放熱ロスを防ぐ役割も担っています。ちなみに高温さし湯式給湯器の場合は、その名の通り約80℃の熱湯を供給するため、高い耐熱性能を有する配管しか選べません。
それでは、根拠のあるおいだき配管の選定方法をステップ踏んでお伝えします。

追い焚き配管部材一覧

追い焚き配管の径路を決定する

初めに給湯器と浴槽の位置関係によって、追い焚き配管径路を決定します。その際、給水配管との離隔をとることを忘れずに。というのも、給水配管がおいだき配管に隣接していると飲み水がぬるくなる場合があり、施主の不満につながりかねないからです。

追い焚き配管の管種を選ぶ

次は、追い焚き配管の管種を検討しましょう。配管径路に最適な柔軟性を有する配管を選べば、施工性とコストにいい影響を与えます。その素材は、銅、樹脂、ゴムと様々です。

細くて柔軟、施工性抜群のスマートホース10A

最も柔軟性が高くてコストが低いおいだき配管は樹脂ホースのスマートホース10A(品番:SMH-320)。サドルバンド10Aペア(品番:SMH10-16)だけで簡単確実に施工ができる点も評価され、アパート物件におけるガス給湯器のような交換頻度が高い現場での採用が増えています。高温さし湯式給湯器でも、差し湯温度80℃の機種であればご利用いただけます。ちなみに、同じスマートホースでもスマートホース15A(品番:SMH-420)の内径はφ13なので、ガス給湯器、エネファーム、ハイブリッド給湯器はもちろん、13A配管を推奨している石油給湯器にもお使いいただけます。

ただし、エコキュートはおいだき配管の伸縮や振動によりエラーが出る恐れがあるためペアホースなどの柔軟性が高い配管材料はお勧めできません。

実績が物語る信頼のハイブリッドホース

1998年の発売以来、ほとんどすべての給湯器メーカーが純正採用しているハイブリッドホース(品番:BJH-420)は、実績を重んじるエンドユーザーの現場に最適です。また、内層に特殊EPDMを採用し、使用温度範囲を0℃~90℃まで余裕を持っているため、ほとんどの高温さし湯式給湯器にもご使用していただけます。継手は前述のスマートホース(15A)と共通のタケノコ式継手ですから、現場の予算によってハイブリッドホースとスマートホース(15A)を使い分けることが可能です。

ハイブリッドホースBJH-420

なお、給湯器メーカー純正循環金具(G1/2接続)で施工する方には、ハイブリッドホース継手付(品番:BJH-504Wなど)がお薦めです。

豊富なラインナップで選びやすい、架橋ポリエチレン管

一口に架橋ポリエチレン管と言っても硬さはさまざま。配管径路にもよりますが、お薦めしたいのはソフトタイプの高断熱エクセルパイプコア(品番:UPT-10N-Iなど)です。給水給湯用の架橋ポリエチレン管は、メーカーによっては非常に安価なものもありますが、硬くて曲げ半径が大きいうえ、タケノコ式継手が使えないので、結果的に高価なワンタッチ継手を使うはめになる点も考慮しましょう。

高断熱エクセルパイプコア:UPT-10N-I

また、架橋ポリエチレン管は、断熱性に優れる保温材付、更新性や埋設配管に優れるCD管付、往き戻り管の熱交換を防止する機能が付与されているペアチューブなど、豊富なラインナップも魅力です。特にエコキュートのおいだき配管は、往き戻りの熱交換が発生しない形状の13Aのペアチューブが推奨されている為、三菱ケミカルインフラテック社製エクセルパイプペアチューブ保温材付(品番:XLS-10HON10W)が多く使われています。

エクセルペアチューブ(保温材付):XLS-10HON10W

再生可能な銅ペアチューブ

銅管ペアチューブは古い配管材料というポジションにあり、給湯器取替の機会に施工性がいい他の管種につなぎ替えられる方もいらっしゃいます。しかし、銅管は、銅イオンによる抗菌作用で配管内を衛生的に保つことができる、手曲げ角度が保持できて美しい配管が立ち上げられる、ロウ継手が安い、高温にも使えるなど、他の管種にないメリットが多いです。さらに半永久的に使用できるうえ、再生可能な素材ですから、循環型社会を意識している木造住宅などにお勧めします。しいて言えば、銅は価格変動リスクが高いのが難点ですが、ロウ付継手を使えばトータルコストは抑えられます。

銅ペアチューブ:SK-3330H

※こちらもあわせて・・・銅管用ワンタッチ継手【エコタッチ】

エコタッチ袋ナット付アダプタ:ECO-NAB

追い焚き配管の被覆材を選ぶ

給湯器が屋外設置されることが一般的な地域では、屋外露出配管部分の断熱と紫外線劣化対策が必要です。

断熱対策

ダ円サヤ管(15Aホース用):BJH-DS30

管種によらず、ポリエチレン発泡被覆材があらかじめ取り付けられているものがありますので必要に応じて使うと保温の手間が省けます。しかし、ただでも太いハイブリッドホースとスマートホースは、断熱材ではなく専用ダ円サヤ管(BJH-DS30)などを利用することが多いです。サヤ管の断熱性能はそれほど高くありませんが、熱伝導率が低いハイブリッドホースやスマートホースであればじゅうぶん。壁貫通穴径とのバランスも考慮すれば、なおさら専用ダ円サヤ管をおすすめします。

※ハイブリッドホースとスマートホースは露出配管でも構いませんが、サヤ管を使用していただくと一層長持ちします。

高耐候テープ:EWD-5010

紫外線対策

追い焚き配管に付帯しているポリエチレン発泡被覆材は、耐候性が付与されていないので、紫外線劣化して数年でボロボロになります。被覆材が劣化して配管がむき出しになって困るのは、架橋ポリエチレン管の場合です。配管カバー内部などの見えないところなら、発泡被覆材の上から高対候テープEWD-5010)を巻くという対策でも良いと思いますが、美観を優先するならば、屋外用ダクトカバーEH-80など)に収める仕上をおすすめします。

屋外用ダクトカバーは外壁の色とツヤを考慮して選びたいですね。

エクセルパイプコア(CD管付):CDEW-10

更新性対策

マンションであれば、何より更新性を求められます。CD管付架橋ポリエチレン管CDW-10)は、サドルで固定したCD管に、ペアになった架橋ポリエチレン管を抜き差しできるので、給湯器取り替え工事の際に有効です。

しかし、大規模改修を実施するころには硬化していて、更新作業が容易ではありません。新商品のため実績はありませんが、内管の接水層にフッ素樹脂を採用したブリヂストン社「エコるーぷ」は更新性を大幅に改善できるものと期待しています。

以上、追い焚き配管の選び方をご紹介しましたが、もちろん、これがすべてではありません。現場に合わせ最適な管種を使い分けることから始めてください。

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室橋勝彦

室橋勝彦

代表取締役社長ベストパーツ株式会社
ベストパーツ株式会社の代表。住宅設備メーカーの経験を経て、設備機器だけでなくその裏にある配管や部品こそが使用感に大きい影響を与えることに興味を持つ。成熟した配管や部品を進化させたり組み合わせたりしてヒットを生み出す手法を好む。
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