
あらためて機器側自在ガス栓は、直接ねじ込みが原則です!
LPガスの場合は給湯器のガス接続口径に注意
ガス給湯器のガス接続口はR1/2とR3/4。それに対応するべく機器接続ガス栓の機器接続口もRc1/2とRc3/4が用意されています。
しかし、あらためてガス栓を機器に直接接続することが徹底された今、従来品通りの施工方法で法令を遵守できているとは限りません。ガス給湯器のガス接続口は入り組んでおり、例えば家庭用ガス給湯器の場合、都市ガス仕様のガス接続口が「24号以上はR3/4、20号以下はR1/2」で設計されているのに、ハイカロリーのLPガス仕様は「給湯能力に関わらずR1/2」で設計されているのです。業務用給湯器(50号)は、ガス種問わずR3/4なのでなおさら。
施工性・安全性とも極めて高い機器接続ガス栓は法令遵守に欠かせない逸品ですが、LPガスの場合に限り品ぞろえを増やさなければならないので順を追って説明します。
鉄管配管や金属可とう管などを用いてガス給湯器に接続する場合
供給配管が鉄管や金属可とう管の場合は、配管側と機器側の双方がめねじのタイプのガス栓が使用可能です。
上の2つのガス栓は機器側が自在式ではないのでガス器具に接続する際にLIA認証を取得しているニップルや金属可とう管などの接続具を使用することも可能です。
ガスフレキ10A・15Aを用いて給湯器に接続する場合
恐らく一番ポピュラーな配管方法と言えるガスフレキ配管。給湯器に接続する際は「フレキUIねじガス栓」及び「フレキULねじガス栓」を使用すると非常に便利です。
「フレキUIねじガス栓」及び「フレキULねじガス栓」を使うことで配管側はガスフレキを直接差込み、機器側はRc自在で給湯器のガス接続口に直接ねじ込みます。
ガスフレキ20A×Rc1/2自在の機器ガス栓がない!?
問題となるケースが20Aのガスフレキを使用する場合。これまではフレキUIねじガス栓の20A仕様には機器接続口がRc3/4しかないため、LPガス仕様のガス給湯器を接続する現場ではブッシングを使って給湯器のガス接続口であるR1/2に落としてからねじ込んでいた方が多いのではないでしょうか?
しかし、ブッシングを用いた施工は「供給設備、消費設備及び特定供給設備に関する技術基準等の細目を定める告示第10条」の原則に反してしまいます。
よって、LPガス事業者様は、この問題を解決する新商品「フレキUI異径ねじガス栓」の品ぞろえを増やさなければなりません。
ガスフレキ20Aを用いてLPガス仕様の給湯器に直接接続できる異径の機器ガス栓はこれだ!
2019年10月現在で、ガスフレキ20A用のテーパめねじ(Rc1/2自在)の「フレキUI異径ねじガス栓」は、以下の3つしかございません。
今後は他のガス栓メーカーも同等品のラインナップが拡充されていくと思われます。
まとめ
給湯器にガス栓を接続する際、多くの場合は以前からあるタイプのガス栓を問題なく使用することができます。しかし、機器出口側にガス栓を直接ねじ込むことが定められた今、LPガス仕様の給湯器に20Aガスフレキを用いた場合に限り、「フレキUI異径ねじガス栓」しか使えません。緊急の現場対応に備えてMF657AQ 、検査硬付きならFV657AQを在庫してください。また、異径仕様は高価なので長期使用が見込めない現場はGB371PZ5-205を採用してコストダウンをはかることをオススメします。

佐藤優光

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