固定方法とガス消費量によって管種を選ぶ

ガス配管は、機器や器具の設置場所と固定方法に合わせて根拠を持って定められています。このような基準に従うことで、ガスを毎日安全に使用することができます。例えば、ガスコンロや給湯器などの設置場所が異なるため、それぞれに適した配管方法が必要です。また、ガス消費量も重要な要素であり、高い消費量が求められる機器には、それに応じた管種を選ぶ必要があります。

ガス配管と末端ガス栓はガス器具できまる

ガス配管には代表的な鋼管を始め、「金属可とう管」、「金属フレキシブルホース」、「強化ガスホース」、「燃焼器用ホース」、「ソフトコード」、「LPガス用ゴム管」、「ガスコード」、「ガスフレキ」の主に8種類あります。鋼管と「ガスフレキ」は、供給設備から末端ガス栓までを結ぶガス配管として使用されることがほとんどです。選定に悩むことが多い末端ガス栓と器具を結ぶ配管についてご説明します。

給湯器の設置には「金属可とう管・金属フレキシブルホース」

都市ガスの「金属可とう管」及びプロパンガスの「金属フレキシブルホース」は、「可とう管ガス栓」から給湯器や湯沸器の配管の定番として使用されています。ベストパーツでは、「プロテリアル　ソフレミニ」、「協成キーロン」、「JFEメタルホース」、「正栄製作所ショーフレ」、「吉野川電線モレーヌ」を在庫して受注当日出荷しています。それぞれの違いは、チューブの材質がSUS304か銅か外装カバーの有無で耐食性に反映します。

※なお、金属可とう管や金属フレキシブルホースは容易に動いてしまう焼鳥機や魚焼機などの移動設置型ガス器具やGHPなどの振動があるガス器具には使用することができませんのでご注意ください。

SUS304仕様の「正英製作所製のショーフレ」は1本から当日出荷です。

写真は、正栄製作所の金属フレキシブルホース「ショーフレ」の保護カバー付き仕様です。チューブに耐食性に優れているSUS304を用いているにもかかわらず、お求めやすい価格が魅力のオススメ商品です。腐食の恐れがない屋内設置であれば保護カバー無を選ぶと一層コスト低減が図れます。

GHPなど振動する器具には「強化ガスホース・燃焼器用ホース」

都市ガスの「強化ガスホース」及びプロパンガスの「燃焼器用ホース」は、汎用性が高く「可とう管ガス栓」から「ガス器具」までの配管として「金属可とう管」、「金属フレキシブルホース」と同様に使われることが多い配管材です。耐候性も付与されているので屋内外問わず使用できます。鋼線入ゴム製で柔軟性に優れ、特にGHPのような振動のあるガス器具には最適です。さらに給湯器やビルトイン、移動設置型ガス器具にも使用できるので、少し高価ではありますが、必ず在庫していただきたい商品です。

都市ガス用強化ホース継手付

新仕様の「都市ガス用強化ガスホース継手付（S型）」は1本から当日出荷です。

「都市ガス用強化ガスホース継手付（S型）」。強化ガスホースは、経済産業省が進める都市ガスの保安対策であるガス安全高度化計画の一環として2021年4月1日から仕様変更を実施しました。

都市ガス用強化ガスホース継手付をL型に変換する「L型自在アダプター」

都市ガス用強化ガスホースをL型で使用する「L型自在アダプター（品番：G590：JS621A）」は1個から当日出荷です。

都市ガス用強化ガスホースの仕様変更に伴いねじ種が変わり、ガス機器側がRcねじ固定に仕様が変わりました。L型で使用する際は「L型自在アダプター（品番：G590：JS621A）」が必要となります。

都市ガス用強化ガスホース（SL自在型）

機器側SL自在型の「強化ガスホースSL自在型（品番：GHSLシリーズ）」は1本から当日出荷です。

「強化ガスホースSL自在型（品番：GHSLシリーズ）」は機器側SL自在機構部が回転する事で、S型やL型まで全角度に対応可能です。SL自在のため、「L型自在アダプター（品番：LGA15：JS621A）」が不要となり在庫の削減につながります。ガス栓側、機器側共に自在のため施工順番に指定はありません。使用時寸法はL型の場合は呼び寸法より50mm短くなりますのでご注意してください。

LPガス用燃焼器用ホース

「燃焼器用ホース」は1本から当日出荷です。

可とう管ガス栓からガス器具までの配管として、金属フレキシブルホースと同様に使用します。ホース本体のゴム部には耐候性がありますので屋内外で使用可能です。ホース本体は合成ゴムで鋼線補強入りなので振動にも安心して使用できます。

まとめ

家事のタイパを向上させるために発熱量の大きいガス器具が続々と発売されています。しかし、多くの場合、既築住宅への追加設置のため配管経路が限定されます。どんなガス器具をどこになら設置できるのかは、ガスの配管経路抜きでは語れません。設置場所を優先して不適切な部材を使用した場合、ガス器具の機能低下や事故につながる恐れがあります。ですから、ガス器具に適合するガス配管と末端ガス栓の組合せの中から選定してください。

※この記事は2020年9月24日に公開した内容に新商材を加えて校正し直し、2024年6月20日に再度公開しました。