マンションの機器入替もこれで安心!既設配管がプレハブ工法だったときの継手選定ガイド
そこで本稿では、既設配管がプレハブ工法だった際の機器入替工事にあると便利な変換継手をご紹介します。
手持ちの継手は使える?プレハブ工法の落とし穴
あらかじめ工場で切断・加工した架橋ポリエチレン管にEF継手を電気融着してキット化し、現場で搬入して先端継手を付けるだけのプレハブ工法は、2000年頃から本格的に普及していきました。
近年、架橋ポリエチレン管は、JIS K6769 PN15のE種(2層)のみならずM種(単層)もEF継手が使えるようになりましたが、機器入替時期を迎えているマンションのプレハブ配管の多くはE種の架橋ポリエチレン管のため、外径は同じでも非架橋層の分だけ内径が細くなり、いつもの継手が合わないのです。
既設配管が「エルメックス🄬」だった場合に便利な継手
既設配管に「エルメックス」と印字されている場合、それは前田工繊産資(旧三井化学産資)の「エルメックス®パイプ」です。マンション物件の機器入替工事の際に多く見られる架橋ポリエチレン管E種で、内径寸法の違いから一般的な架橋ポリエチレン管用の継手では漏水するので使えません。そんな現場には、便利なエルメックスパイプ用ワンタッチ継手をオススメします。

前田工繊産資(旧三井化学産資)の「エルメックス®パイプ」は、一般的な架橋ポリエチレン管よりも内径が細いのが特徴です。
既設配管がエルメックスでも使える!専用のワンタッチ継手
「エルメックス®パイプ」と同じメーカーが提供している専用継手は、内面止水方式のワンタッチタイプです。過去に提供していた外面止水タイプに比べて設計上、流量は劣るものの、EFコントローラーを用いた電気融着はもちろん、インコアの挿入も不要な施工の手軽さが強みとなっています。ベストパーツでは、変換に便利なおねじアダプター3サイズとユニオンアダプターの13Aを1個から当日出荷対応しております。
「おねじアダプター(商品コード:CEOS-)」
| 品番 | 呼び径(ねじ) | 呼び径(樹脂管) |
| CEOS13R1 | R1/2 | 13A |
| CEOS16R3 | R3/4 | 16A |
| CEOS20R3 | R3/4 | 20A |
「ユニオンアダプター(商品コード:CEYS-)」
| 商品コード | 呼び径(ねじ) | 呼び径(樹脂管) |
| CEYS13G1 | G1/2 | 13A |
※16AはWEYS-16G3(外面止水方式)が在庫なくなり次第、内面止水タイプのCEYS16G3に切替予定となります。
既設配管がポリブデン管なら2種類の継手から選べる
では、集合物件を中心とした給水給湯配管で、融着方式を採用しているのは架橋ポリエチレン管E種「エルメックス®」だけなのでしょうか?実はお馴染みの「ポリブデン管」にも電気融着工法があり、集合住宅や大手ハウスメーカーに多数の採用実績があります。ただし、ポリブデン管の寸法・許容差・そして性能は、継手の接合方式に関わらず工業会の規格(JIS)で統一されているため、「プッシュマスター」や「ダブルロックジョイント」が使用できます。
プッシュマスター「袋ナット付アダプター(商品コード:NAU)」
| 品番 | ねじ | 呼び径 |
| NAU13JJ | G1/2 | 13A |
| NAU13JJ5 |
G3/4 | 13A |
| NAU16JJ | G3/4 | 16A |
ダブルロックジョイント「袋ナットアダプタ(品番:WJ18)」

ダブルロックジョイント「袋ナット付アダプタ(品番:WJ18)」
| 品番 | ねじ | 呼び径 |
| WJ18-1310-S | G1/2 | 10A |
| WJ18-1313-S | G1/2 | 13A |
単層の架ポリ管による融着方式なら一般的な”M種用”継手が使用できる
三菱ケミカルインフラテックを中心に、一般的な架橋ポリエチレン管のEF接合のプレハブ配管も増えています。ここでいう一般的とはM種(単層)を意味しているので、例えばマンションの既設配管がEF融着されていても、切断した架橋ポリエチレン管に「エスロカチットS」や、「ダブルロックジョイント」などの一般的な架橋ポリエチレン管用ワンタッチ継手が使用できます。
M種(単層)用継手
| 品番 | ねじ | 呼び径 |
| SMOA13 | R1/2 | 13A |
| SMOA162 | R3/4 | 16A |
| SMOA13G | G1/2 | 13A |
| SMOA162G | G3/4 | 16A |
まとめ
集合物件の給湯器入替工事では、既設配管に使用されている管種が分からない場合があります。特にエルメックス🄬パイプなどの架橋ポリエチレン管JIS E種は、管外径が一般的なM種と同じでも非架橋層の分だけ肉厚が厚いため、融着用の専用工具がない場合には専用のワンタッチ継手をお使いください。一方で、融着されている架橋ポリエチレン管でもM種(単層)とポリブデン管は、一般的な樹脂管用継手が使用可能です。
※この記事は2020年1月23日に公開した記事ですが、修正し2025年11月6日に再度公開しました。
鈴木 彩香
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