打合せ通りの位置にスリーブを入れられる。ボイド管用の固定金具

設備業者様は、躯体工事前に施工図で管やダクトの位置を決定し、躯体工事中には壁・梁・スラブにスリーブを入れなければなりません。これまで、ボイド管を型枠施工する際には結束線で固定する方法が一般的でしたが、この方法だと、施工時間がかかる上、意図した場所に正確にボイド管を固定するのは大変な作業です。本稿では、打合せ通りの位置に正確にスリーブを入れられる「ボイド管用の固定金具」をご紹介いたします。

PFD管

コンクリートかぶり厚が正確に確保できる

建築基準法施行令 第七十九条に基づき、壁の種類や場所に合わせて2センチ~6センチの間で鉄筋に対するコンクリートかぶり厚を確保しなければなりません。

【耐力壁以外の壁又は床にあっては2センチメートル以上、耐力壁、柱又ははりにあっては3センチメートル以上、直接土に接する壁、柱、床若しくははり又は布基礎の立上り部分にあっては4センチメートル以上、基礎(布基礎の立上り部分を除く。)は捨コンクリートの部分を除いて6センチメートル以上としなければならない。】

しかし、ボイド管を結束線で固定する場合、コンクリートかぶり厚が確保できる正しい位置に収めるのは容易ではありませんでした。

コスト最優先なら「スリーブキャッチャー」

「スリーブキャッチャー」は鉄筋に差し込むだけで縦位置が決まり、コンクリートかぶり厚はアームの長さによって50mm確保できるワンタッチ施工が魅力の固定金具です。1個から受注当日出荷しています。

品 番 適合ボイド管 適合鉄筋 コンクリートかぶり厚
A16032-50 40~75 D10/D13兼用 50 
A16032-100 75~100 50

「スリーブキャッチャー」は、鉄筋に差し込むだけのカンタン施工とコストメリットが魅力の固定金具です。自動的にコンクリートかぶり厚が50㎜確保できるので、安定した位置決めをすることができます。また、図1のように上下反転させて使用することで平行をとることも容易です。図2のように針金補強をすることでD10/D13の兼用ができます。

図1:上下反転させて組み合わせれば、カンタンに平行をとることができます。

 

図2:コンクリート打設時に鉄筋から外れるのを防ぐ為、フックを利用して針金で固定してください。

かぶり厚と勾配を同時に調整「ボイドハンガー(調節自在型)」

「ボイドハンガー(調節自在型)」はコンクリートかぶり厚が30~65mmで設定できます。1個から受注当日出荷しています!

品 番 適合ボイド管 適合鉄筋 適合外径 コンクリートかぶり厚
BKH-75T 50~75 D10/D13兼用
90 30~60
BKH-125T 50~125 140
BKH-200T 50~200 225

鉄筋からのコンクリートかぶり厚を35~60㎜の間で調節できる「ボイドハンガー(調整自在型)」。鉄筋への取付はフックを引っ掛けるだけのカンタン施工です。前述の「スリーブキャッチャー」は、コンクリート打設時に鉄筋から外れるのを防ぐために番線で固定する必要がありましたが、「ボイドハンガー(調整自在型)」はその必要はありません。上下にでている強固なフックを鉄筋に引っ掛けるだけで施工完了です。

角度調整機能が便利

コンクリートかぶり厚だけでなく、調整ねじを緩めてボイド管の角度も調節することができます。配管スリーブのみならず、床面からの立ち上がり部や換気扇のスリーブなどの勾配が必要な場所まであらゆる固定場所に対応できる「ボイドハンガー(調整自在型)」さえあれば、どんな現場でも安心です。

図3:ボイドハンガーのねじを緩めることで角度が調節できます。

まとめ

これまでの結束線を使用したボイド管の固定方法では、施工に時間がかかる上、意図した場所に正確にボイド管を固定するのは大変な作業でした。今は、躯体工事前に決定したスリーブ位置に対して、適切なボイド管用の固定金具を使用すれば、短時間で正確にボイド管を固定することができます。コンクリートかぶり厚と勾配が同時に調整できる「ボイドハンガー(調節自在型)」がオススメですが、コスト最優先であれば「スリーブキャッチャー」という具合に使い分けてらっしゃる施工業者様も多数お見えになります。

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佐々木瞭

1994年生まれ。2016年ベストパーツ株式会社入社。 2018年より営業部に所属し、分類は配線器具・設置固定を担当しています。 皆さまのお困りごとを解決させて頂きます。 お気軽にご質問ください。
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