豪雪地帯ではエコキュートを軒下に設置する設計が多く見られます。しかし、軒先が長くても内側に巻き込むようにして積み重なる硬いしまり雪の重さは250kg／㎡以上ともいわれ、落雪が室外機や貯湯タンクを変形や破損させる恐れがあります。本稿では、豪雪地帯のエコキュートを雪害から守る「防雪屋根」と「防雪パネル」をご紹介いたします。

エコキュートを落雪や雪だまりから守る

寒冷地用エコキュートは、貯湯タンクの保温性能が非常に優れているため、極寒地でない限り屋外に設置できるのが魅力です。それでも落雪による破損や雪だまりによるショートサーキットといった雪害を想定し、貯湯タンク側にも防雪屋根や防雪パネルを組み合わせるといった雪害対策は必要です。

460Lまでの貯湯タンクを落雪から守る「EQ-TR-A」

積雪耐荷重300kg／㎡の貯湯タンク専用品

460Lまでのエコキュートの貯湯タンクや電気温水器を落雪による破損から守りたいなら、「貯湯タンク用防雪屋根（商品コード：EQ-TR-A）」がおすすめです。天板の板厚1.4㎜、外側のフレームの板厚2.3㎜、そして筋交いのフレームの板厚1.6㎜で積雪荷重300Kg/㎡まで耐えられる仕様になっています。落雪を受けた場合、屋根の傾斜に沿って落とす設計になっているため、前方スペースを十分に確保してください。なお、無落雪屋根に発生しやすい雪庇の落雪には耐えられないため注意が必要です。

 

商品コード	貯湯タンク有効寸法(mm)
EQ-TR-A	W854xD854xH2230

 

EQ-TR-Aと組み合わせて使う防雪パネル

「貯湯タンク用防雪屋根（品番：EQ-TR-A）」に防雪パネルを組み合わせれば、エコキュートの貯湯タンクを全方位カバーできます。空気断熱の効果も期待できますので、屋内に設置しなければ全量沸き上げができないおそれのある地域では必須です。ラインナップは、正面と左右両側面の３面をカバーする「TR-AP3」と、背面も含む４面をカバーする「TR-AP4」の２種類をご用意しております。なお、配管用パネルは現場状況に応じて任意の場所に移動することができます。

商品コード	適合屋根	パネル数
TR-AP3	EQ-TR-A	12
TR-AP4		16

 

貯湯タンクとヒートポンプを落雪と雪だまりから守る「EQ-TRU-A」

積雪耐荷重300kg／㎡の防雪屋根が付いたヒートポンプ一体型防雪屋根

 

品番	貯湯タンク有効寸法	基準価格
EQ-TRU-A	W874xD854xH2230	¥169,050

「EQ-TRU-A」と組み合わせて使う一体型防雪パネルセット

ヒートポンプが雪を吹込むとフィンに付着し沸き上げ性能を低下させるばかりか、最悪の場合凍結に至ります。防雪パネルセットを設置することにより、こうした雪害によるショートサーキットや凍結からエコキュートを守ることができます。EQ-TRU-A用の防雪パネルもEQ-TR-A用同様、貯湯ユニットの正面と左右両側面の３面用（TRU-AP3）と貯湯槽の背面も含む４面用（TRU-AP4）をご用意しております。

品番	適合屋根	パネル数
TRU-AP3	EQ-TRU-A	13
TRU-AP4		18

 

必ず転倒防止金具を用いて躯体と固定

最後に、「貯湯タンク用防雪屋根」および「ヒートポンプ一体型防雪屋根」に必ず取り付けなければならない「転倒防止金具」をご紹介します。防雪屋根は落雪から機器を守る仕様上、天板の重量が重く地震発生時には転倒しやすい構造なので、転倒防止金具を用いて躯体に固定する必要があります。いずれも耐食性に優れた仕様ですが、塩害の懸念がある地域ではより錆に強いステンレス製のPE-TBK-SUS2 がおすすめです。

品番	有効寸法(mm)	材質
PE-TBK2	400～670	溶融亜鉛メッキ
PE-TBK-SUS2		ステンレス

まとめ

豪雪地帯のエコキュートを落雪による破損から守る防雪屋根には、貯湯タンクだけを保護する「貯湯タンク用防雪屋根（品番：EQ-TR-A）」と、貯湯タンクとヒートポンプをまとめて保護する「ヒートポンプ一体型防雪屋根（品番：EQ-TRU-A）」の２種類があります。雪だまりによるショートサーキットや凍結被害のおそれがある場合は、防雪パネルを組み合わせてください。どちらをお選びになる場合も、転倒防止金具のご用意をお忘れなく！

※この記事は2021年12月15日に公開した記事ですが、情報の更新・修正を加え2025年6月26日に再度公開しました。