
小型湯沸器を入替える際には「分岐水栓」も交換しましょう。
給湯器が普及した今、蛇口をひねればお湯が出ることが当たり前になりました。しかし、給湯器が設置しにくい公営住宅やUR賃貸住宅の台所、そしてオフィスの給湯室において、ガスや電気の小型湯沸器はまだまだ必要とされている商品です。本稿では、小型湯沸器と一緒に交換したい分岐水栓のうち、特徴の異なる3モデルを紹介します。
定番品だけでなく機能・デザインに優れた改良型も
分岐水栓の選択肢は決して多くはありませんが、昭和時代に発売されたレトロなモデルだけでなく、最新の内装材にマッチするようなデザイン性に優れるモデルも登場しています。
分岐水栓選びの基本
施工業者様は、これまで数えきれないほど取付されてきたと思いますが、改めて”分岐水栓”について整理します。
分岐水栓は、既存の給水栓に直接ねじ込んで使用する分岐バルブです。分岐水栓のツバ付きPJ1/2ねじを給水栓のRp1/2にねじ込んでから単水栓を取付けてください。一般的な分岐バルブとは違い、単水栓の真後ろの狭いスペースでも操作がしやすいように、細長いハンドルが垂直方向についている点が特徴です。
一般地用と寒冷地用の違い
一般的な水栓と同様に、水抜きバルブの有無で「一般地用」と「寒冷地用」に分かれています。一般地用は分岐方向と180°逆側にキャップナットが付いていますが、寒冷地用はそこに水抜キャップナットが付いています。
選定については、少しでも凍結の心配がある場合は”水抜キャップナット”付きの「寒冷地用」をおすすめします。水抜きは、上部のバルブを閉めて”水抜キャップナット”の先端を緩めるだけです。設置する地域が寒冷地かどうかは、国交省が定める次世代省エネルギー基準での地域区分や、空気調和・衛生工学会のデータ、皆様の実際の経験をもとにご判断ください。

日本の多くの地域が”凍結の恐れあり”となっていますが、分岐水栓は屋内設置なので現場状況に応じて対策してください。
おすすめの分岐水栓3選
分岐水栓にもデザイン性や機能性にそれぞれ特徴があります。特徴の異なる3つの分岐水栓を紹介します。
分岐水栓TSKVモデル
TSKVモデルは、ボディ部を研磨仕上げにしたことで、ステンレスシンクなどにも違和感なく溶け込ませることができるデザイン性が魅力です。また、ハンドルもヨーロッパのラジエーターパネルのサーモハンドルを模した非常にスマートなデザインを採用しておりますので、リノベーション物件等にもおすすめです。
さらに”ノンリフト式”のハンドル軸を採用している機能性も知っておきたいポイントです。ハンドルが上下しないので、水汚れによる経年での固着がなく長期間に渡り安定してご使用いただけます。なお、キャップナットや水抜キャップナットを外せば左右同時送水も可能です。
品番 | 適応 | ねじ | 基準価格 |
TSKV-13D | 一般地 | 1/2 | ¥2,840 |
TSKV-13DN | 寒冷地 | 1/2 | ¥3,210 |
定番中の定番のSKVモデル
SKVモデルは、オフィスの給湯室で最も採用されているアクリルハンドルを搭載している分岐水栓です。キャップナットを外せば左右同時に送水できます。ハンドルの握りやすさもそうですが、無駄のないスリムなボディでコスパの高い永遠の定番商品として愛されている逸品です。
品番 | 適応 | ねじ | 基準価格 |
SKV-13 | 一般地 | 1/2 | ¥2,050 |
SKV-13D | 寒冷地 | 1/2 | ¥2,330 |
一方向にだけ分岐する分岐水栓
バルブが外付けタイプの昭和レトロな分岐水栓です。止水栓と分岐水栓が一体となった他の分岐水栓とは異なり、分岐する向きを施工時に自由に変えることができます。
品番 | 適応 | ねじ | 基準価格 |
K19SU4 | 一般地 | 1/2 | ¥2,180 |
まとめ
ガスや電気の小型湯沸器しか取り付けられない現場では、分岐水栓を必要としています。しかし、定番の「分岐水栓(品番:SKV-13)」や「分岐水栓(品番:K19SU4)」ではミスマッチな現場も増えてきました。メッキ×バフ研磨仕上げの「分岐水栓(品番:TSKV-13D)」であれば、最新のオフィスやリノベーションをかけた住宅に設置しても違和感を与えません。

大宮彰大
2008年入社(33歳)
温水暖房分野を担当し2013年4月完成のベストパーツ株式会社社屋の冷暖房部材選定を行う。
MAIL:omiya.shota@best-parts.jp

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