不測の事態に備えよう！雨どいの凍結を防ぐサーモ一体型の【雨どい凍結防止用ヒーター】

2023.03.03

佐々木克仁

給水給湯配管はもちろん、追い焚き配管やドレン配管なども凍結防止ヒーターで凍結による劣化や事故から守る寒冷地の住宅。いつ訪れるか分からない不測の事態に備え、凍結事故が発生した場合の被害が最も大きい雨どいにも対策を施し、ユーザーが困らないように対処しましょう。本稿では、縦どい・横どいなど「樋(とい)」の凍結による詰まりを防止し排水路を確保する「サーモ一体型雨どい凍結防止用ヒーター」をご紹介します。

1. 雪や氷による縦どいや横どいの凍結防止対策に最適

雪や氷による縦どいや横どいの凍結防止対策に最適

戸建住宅やカーポートなど屋根の掛かった建造物に欠かせない雨どい。寒冷地では、雨どいの中に残っている水が寒波や北風の影響で凍結します。その状況が数日続くと、徐々に排水経路が細くなり、最終的には樋の破損や氷柱によるトラブルに発展する恐れがあります。そこで考えなくてはならないのが、雨どいの凍結防止措置です。

サーモスタット内蔵でムダな電力をカット

固定用ねじ(M6×50㎜)×2本が付属します。

「サーモ一体型雨どい凍結防止用ヒーター」を取付けるだけで、凍結による排水不良トラブルを未然に防ぐことができます。とはいえ、設置費用だけでなく、電気料金がどのくらい上昇するのか分からない点が不安になるものです。水道管のように凍結すると生活できないわけではありませんからなおさらです。この「サーモ一体型雨どい凍結防止用ヒーター」は、外気温検知式のサーモスタットと発熱体が一体となった構成で、周辺温度約3℃を切ると通電を開始し、約10℃まで上昇すると通電を停止します。自己制御型ヒーターと異なり電源を接続したままでも、外気温度が凍結のリスクが高まるレベルに達するまで電気を一切消費しない点が魅力です。

発熱体の長さは～30mまでと広い範囲をカバーできる

品番	発熱帯長	コード長	定格	基準価格
T-3BM	3.0m	2.0m	100V 61W	¥14,900
T-6BM	6.0m	2.0m	100V 120W	¥19,400
T-8BM	8.0m	2.0m	100V 160W	¥20,600
T-10BM	10.0m	2.0m	100V 200W	¥22,800
T-12BM	12.0m	2.0m	100V 240W	¥25,500
T-15BM	15.0m	2.0m	100V 300W	¥27,800
T-20BM	20.0m	2.0m	100V 400W	¥34,600
T-25BM	25.0m	2.0m	100V 500W	¥42,600
T-30BM	30.0m	2.0m	100V 600W	¥49,400

場合によっては施工距離の長い発熱帯が必要になります。この「サーモ一体型雨どい凍結防止用ヒーター」の発熱帯の長さは3mから30mまで設定されており、カーポートなどの小規模な現場からビルなどのルーフドレンまで、幅広い範囲をカバーできます。

添わせるだけのカンタン施工

発熱部の絶縁体は耐熱性・耐候性に優れたシリコンゴムを使用し、その上からステンレス編組をかけて補強しています。

定格の低い一般的な凍結防止ヒーターでは、雨どいの凍結を防ぐことは困難です。例えば同メーカーの自己制御型ヒーター（DSRXタイプ）と定格電力を比較した場合、20mでDSRXタイプが280Wに対して「サーモ一体型雨樋凍結防止用ヒーター」は400Wと、およそ1.4倍の凍結防止能力を持っています。そのようなことから、凍結防止ヒーターは必ず用途に応じたものを選定しましょう。また、施工についてはサーモスタット内蔵のジョイントボックスを付属のビス2本で外壁等に固定し、発熱帯を雨どいに添わせるだけと非常にカンタンです。もちろん保温材等での処理も不要です。

ビルや工場などのルーフドレンにも取付可能

ベストパーツオンラインでは、100V仕様を取り扱っております。200V仕様をご希望の方はお知らせください。

一般戸建の雨どいはもちろん、集合物件や非住宅などの「ルーフドレン」の凍結防止対策にも使用することができる「サーモ一体型雨どい凍結防止用ヒーター」。ルーフドレンが凍結によって排水できなくなると、結果的に大きなトラブルに結びつく可能性もあることから、少しでも心配があるようなら導入を勧めてみてください。

施工の注意点

注意するポイントは何点かありますが、基本的にはカンタンに取付できます。

前述の通り施工はカンタンですが、ジョイントボックスの取付位置には注意が必要です。というのも、エアコンの室外機や給湯器の排気部分などの近くに取付けた場合、ジョイントボックスに内蔵されたサーモスタットが誤検知するため正しく作動しない恐れが高まるからです。

まとめ

雨どいやルーフドレン専用に開発された「サーモ一体型雨どい凍結防止用ヒーター」は、凍結による排水不良トラブルを解決することができます。外気温検知式のサーモスタットと発熱帯が一体となった構成ですので、周辺温度約3℃で通電開始、約10℃で通電停止と、凍結の恐れがなければ一切通電せずムダな電力消費を抑えます。また、発熱帯の長さは3mから30mまで設定されているため、幅広い範囲を1本のヒーターでカバーできます。施工も対象の雨どいなどに添わせるだけと非常にカンタンです。いつ訪れるか分からない不測の事態にそなえ、凍結事故が発生した場合の被害が最も大きい雨どいにも対策を施し、ユーザーが困らないように対処しましょう。