止水構造で用途が異なるバルブ

バルブは、配管内の流体を通したり、止めたり、制御(流れを絞る)を手軽にできる機能を持つ便利な部材です。流体別(液体・気体・可燃性・毒性・腐食性)だけでなく、材料(金属・非金属)や圧力(低・中・高圧)、そして温度(低・常・高温)の異なる様々なバルブがあります。

※この記事は2019年9月20日に公開しましたが、修正を加え2020年9月6日に再度公開しました。

バルブの使用目的はON-OFFコントロール

水道、ガス、油など様々な流体に対応している半面、住宅設備に使用されるバルブの基本構造は3つしかありません。ゲート、グローブ、ボールバルブの構造を知り、用途に合わせて適切なバルブを選びましょう。

大口径を止水できる「ゲート(スリース)バルブ」

ゲートバルブの代表写真

流体をガッチリ止めたい場合は 「ゲート(スリース)バルブ(品番:FR-15~50)」が便利です。

バルブを閉める際、流路の上から板状の弁を差し込む止水構造が、まるで門を閉めるように見えることから「ゲート(スリース)バルブ」と呼ばれています。その単純な構造から、大口径でも製作でき、材料範囲も広いため幅広い圧力や温度に対応できます。一方で、板状の止水弁を流路に対して差し込む動作中に止水弁が圧力損傷する恐れがあります。よって、全開か全閉でしか使用できないうえ、管径の分だけハンドルを回し続ける必要があるため、操作性が低いと言えます。

以上の事から、高圧の液体を常時全開で流し、メンテナンス時のみ全閉にする箇所に用いてください。

品番 ねじ 使用温度 許容圧力 飽和蒸気 基準価格
FR-15 Rc1/2 42mm 120℃以下 1.18MPa 0.88MPa ¥1,980
FR-20 Rc3/4 47mm ¥2,300
FR-25 Rc1 50mm ¥3,030
FR-32 Rc11/4 60mm ¥4,550
FR-40 Rc11/2 63mm ¥5,480
FR-50 Rc2 72mm ¥8,890

流量制御に優る「グローブ(ストップ)バルブ」

グローブバルブの代表写真

圧力損失を受けにくい「グローブ(ストップ)バルブ(A-15~50)」は、ゲートバルブに比べ開閉時間が短く、ジスク形状で流動特性を変更できるから流量制御に使用します。

ボディの外観から玉(globe)形弁と呼ばれる「グローブ(ストップ)バルブ」。まるっとした玉形ボディの中には流路がSの字を描くように設計されているため、他のバルブより面間寸法が大きくなってしまう構造のバルブです。一方で、ボディ内S字カーブの流路の上から、まるで鍋に蓋をするように止水弁を落とすだけなので、止水動作中であっても止水弁が圧力損傷する恐れが低く、流量制御に優れています。例えば、最も身近なバルブである水栓金具も、高い流量制御を求められるグローブバルブの一つです。

品番 ねじ 全長 使用温度 許容圧力 飽和蒸気 基準価格
A-15 Rc1/2 48mm 100℃以下 0.98MPa 0.78MPa ¥2,040
A-20 Rc3/4 53mm ¥2,130
A-25 Rc1 63mm ¥3,390
A-32 Rc11/4 73mm ¥5,310
A-40 Rc11/2 81mm ¥7,740
A-50 Rc2 94mm ¥11,170

操作性が良く種類も多い「ボールバルブ」

ボールバルブの代表写真

操作性が良く最も広範囲の用途に用いられるバルブで、材質、サイズ共に多くの種類があります。仕水弁の部分がその名の通り球(ball)状になっている「ボールバルブ」は、ハンドルを90°回すだけでボディ内の仕水弁を回転させて開閉する止水構造から、面間寸法が小さくて最も操作性が高いバルブと言えます。一方で、止水に用いるシート材料が、ゲートバルブとグローブバルブはメタルシートであるのに対してソフトシートを使用しなくてはいけないため、温度や圧力の範囲は最も狭くなります。また、サイズが大きくなると開閉するために大きな力が必要になるため、ギアハンドルになり操作性が低下します。

以上のことから、例えば、圧力や温度の条件が厳しくなく、かつ比較的配管径が細い、住宅の給水給湯配管やガス、そして空調などの操作回数が多い場所に用いてください。

品番 ねじA ねじB W 許容圧力 使用温度 基準価格
AE1-13 R1/2 G1/2 54mm 1.0MPa -15~100℃ ¥1,080
AE1-20 R3/4 G3/4 58mm ¥1,190

まとめ

バルブの基本ゲート、グローブ、ボールバルブの止水構造を整理しました。バルブを使用する上で一番重要なことはそれぞれのバルブの構造や特徴を理解したうえで選定することです。配管の用途に適していないバルブを使用すると流量不足や圧力過多で機器にエラーが出たり、配管を痛めてしまう可能性もございますので使用する場所に応じてバルブを使い分けるようにしましょう。

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