コンセントの金属枠と絶縁枠は何が違う?用途に応じた使い分けがあります。
取付枠には2種類ある
コンセントやスイッチの取付枠には、絶縁枠と金属枠の2種類が存在します。金属枠はその名と通り金属製なのに対し、絶縁枠は樹脂製なので電気絶縁性に優れます。
電気絶縁性に優る絶縁枠
樹脂製である絶縁枠は、電気絶縁性が高いためノイズ干渉を嫌うテレビや電話を接続するコンセントに使われています。
強度に優る金属枠
リビングや廊下の抜き差し回数が多いコンセントには、強度に優る金属枠を使用することが一般的です。ただし、弱電の配線に使用するとノイズ干渉して通信状況に影響を及ぼす可能性がありますので、ホームシアターシステムやサウンドスピーカーを取付ける計画がある箇所は避けてください。
従来は電圧48Vを目安に使い分けていた
絶縁枠と金属枠の使い分けの目安は、電圧48Vを境とした「弱電」「強電」でした。
弱電とは
テレビ・ラジオ・ステレオ・PC・電話・インターホンなど、音声や映像データの伝達といった「信号伝達」「機器の制御」を行う電子機器に使用する電気を言います。電圧で表すと48V以下の交流です。
強電とは
強電は、設備を稼働させるのに必要な電気を「エネルギー」として供給するものを指します。具体的には、給湯器、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、扇風機、加湿器、除湿器、空気清浄機、ファンヒーターなどの家電製品です。電圧で表すと48V以上の交流です。
現在は「電気」か「電子」かで使い分ける
パソコンやその周辺装置、ホームシアターシステムやサウンドバー、スマートスピーカーなどの電子機器が増え、定電圧、電池でも動作する家電製品が増え続けています。
よって、絶縁枠と金属枠の使い分けの目安は、「強電か弱電」での電圧よりも、「電気か電子」での用途の方が適当かと思います。
要するに、電源や信号のケーブルからコンセントやスイッチの取付枠を通じて伝わる伝導ノイズの対策が必要なすべての電子機器に絶縁枠をお使いいただきたいのです。
まとめ
絶縁枠と金属枠の違いは電気絶縁性です。絶縁枠は取付枠を通じて発生する伝導ノイズ対策が必要なすべての電子機器に、強度に優る金属枠はコンセントの抜き差しが多い箇所にという具合で使い分けましょう。
佐々木瞭
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