コンセントの金属枠と絶縁枠は何が違う?現場で迷わない使い分け

住宅に欠かせないコンセントスイッチですが、ほとんどの製品に「絶縁枠」と「金属枠」があります。多くの住宅で標準的に採用されてきた「金属枠」ですが、近年は「絶縁枠」のメリットも注目されています。「結局、どちらを選ぶのが正解なのか?」と、現場で判断に迷われることはありませんか? 本稿では、改めて両者の違いと、現代の住宅環境に即した最適な使い分けについて徹底解説します。

どっちを選ぶ?「絶縁枠」と「金属枠」

コンセントスイッチの取付枠には、「絶縁枠」と「金属枠」の2種類が存在します。金属枠はその名の通り金属製なのに対し、絶縁枠は樹脂製なので電気絶縁性に優れます。

絶縁枠と金属枠の写真

商品コード シリーズ
WTL3710K 絶縁枠 アドバンスシリーズ
WTA3700K 金属枠
WTF3710K 絶縁枠 コスモシリーズ
WT3710K 絶縁枠
WT3700 金属枠
WN3710 絶縁枠 フルカラーシリーズ
WN3700 金属枠

「絶縁枠」「金属枠」それぞれの特性

電気絶縁性に優れて安全性が高い「絶縁枠」

樹脂製である「絶縁枠」は電気絶縁性が高いため、金属製のボックスに取り付ける場合であっても接地工事を省略することが認められています。ユーザーにとっても安全性を確保できるため、「施工の省力化」、「安全性の向上」といった面からもおすすめです。

強度が高い「金属枠」

リビングや廊下の抜き差し回数が多いコンセントや、操作頻度の高いスイッチには、強度に優る「金属枠」を使用するのもいいでしょう。ただし、金属製のボックスに使用する場合にはD種接地工事が法令で義務付けられています。一方、樹脂製のボックスに設置する場合はこの接地義務はありません。しかし、金属枠自体への接触による感電リスクは残るため、安全性を最優先するなら絶縁枠の採用が合理的です。また、コンセントプレートはあくまでも化粧カバーであり、絶縁措置ではありませんのでご注意ください。

使い分けの目安

従来は電圧48Vを目安に使い分けていた

「絶縁枠」と「金属枠」の使い分けの目安は、電圧48Vを境とした「弱電」「強電」でした。

弱電とは

テレビ・ラジオ・ステレオ・PC・電話・インターホンなど、音声や映像データの伝達といった「信号伝達」「機器の制御」を行う電子機器に使用する電気を言います。電圧で表すと48V以下の交流です。

強電とは

強電は、設備を稼働させるのに必要な電気を「エネルギー」として供給するものを指します。具体的には、給湯器、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、扇風機、加湿器、除湿器、空気清浄機、ファンヒーターなどの家電製品です。電圧で表すと48V以上の交流です。

現在は「電気機器」か「電子機器」かで使い分けることも

パソコンやその周辺装置、ホームシアターシステムやサウンドバー、スマートスピーカーなどの電子機器が増え、定電圧、電池でも動作する家電製品が増え続けています。
よって、「絶縁枠」と「金属枠」の使い分けの目安は、「強電か弱電」での電圧よりも、「電気機器か電子機器」での用途の方が適当になりつつあります。つまり電源や信号のケーブルからコンセントやスイッチの取付枠を通じて伝わる伝導ノイズの対策が必要なすべての電子機器には「絶縁枠」をお使いいただくとよいでしょう。

まとめ

絶縁枠」と「金属枠」それぞれに明確なメリットがあります。長年の実績と高い強度を誇る「金属枠」。施工の省力化と安全性、ノイズ対策に有効な「絶縁枠」。どちらか一方が絶対的に優れているというわけではなく、現場の状況や施主様の要望に応じて、プロとして最適なものを選ぶ「使い分けの知識」でお客様からの信頼をさらに高めましょう。

※本記事は2020年4月に公開しましたが、修正を加えて2025年6月20日に再度公開しました。

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