断熱材を使わないボトルナット構造のFFストーブ用らんまスリーブセット
らんまスリーブセットで省施工&美観向上
FFストーブを設置する部屋が外壁に面していれば給排気筒を屋外の給排気トップと接続すればよいのですが、外壁に面していない部屋に設置する場合は給排気管を内壁を貫通してから給排気トップと接続します。貫通させるには、内壁に給気と排気の2つの穴を開け、高温になる排気管は断熱材も巻かなければなりません。手間もかかりますし、美観も損ねます。そこで使用したいのが、内壁をスマートに貫通させることが可能な「らんまスリーブセット」です。
らんまスリーブセットの構造と使用方法
排気口の向きを選べる
らんまスリーブセットの排気接続口(メス)は、チャンバー部の正面方向と下方向から選択してください。図1は、給排気方向をストレートにした事例です。正面排気口にスライド管を接続し、チャンバー部の下方排気口には同梱のキャップで栓をしています。なお、出荷時は逆に正面排気口にキャップが取付けられています。
給気接続口(オス)には別売の給気ジョイント(品番:KBJ40、KBJ50)、または給気エルボ(品番:KBL40、KBL50)を取付けてから給気ホース(φ40・φ41用、φ50用)をねじ込んで接続してください。なお、小フランジ側の給気口は給気ホースと排気管のどちらでも接続できるようにメスで出ています。給気ホースで接続する場合には、付属のソケットでオスに変換したうえで、給気ジョイントまたは給気エルボを取付けてから給気ホースをねじ込みます。

図1:一般的な施工では、大フランジ側を内壁側に使います。大フランジには気密を保つ目的でブチルパッキンが貼られています。
大小のフランジ
大フランジはフランジ径134㎜でパッキンが付属しています。小フランジの径は106㎜です。それぞれ締め込み後、付属のビスで固定してください。

図2:小フランジ側給排気管接続例 付属のS字ジョイントを使用する事により、給気管と排気管のピッチを取付金具のピッチと同程度にできるためキレイに仕上げられる
ねじ込み式のスリーブ
スリーブ外径φ74に対して貫通部はφ85の穴を開けてください。3重構造となっており、内側から排気、給気、ねじ込みスリーブとなっています。内側を高温になる排気、外側を低温の給気にすることにより断熱材がいらない設計となっています。
施工方法は、先に大フランジ側を内壁の開口部に差し込みビスで固定します。次に小フランジ側を内壁にピッタリになるよう大フランジ側のスリーブにねじ込んでください。しっかりと固定できたら付属のビスで固定してください。

図3:大フランジ側のスリーブ構造 内側から「排気」「給気」「スリーブ」
らんまスリーブセットのラインナップ
らんまスリーブセットは呼び径【φ35・φ41・φ50】用の、対応壁厚の異なる2種類をそれぞれラインナップしています。
標準壁厚用と厚壁用をラインナップ
らんまスリーブセットは、65~105㎜までの標準壁厚用と、115~200㎜までの厚壁用をラインナップしています。「SR10シリーズ」は標準壁厚用、「SR20シリーズ」は厚壁用となっています。現場の壁厚に合わせて選定してください。

図4:らんまスリーブセット 寸法図
「らんまスリーブセット(品番:SR10、SR20)」
| 品番 | 呼び径(φ) | L=対応壁厚 | φD | φⅾ |
| SR10C | φ35 | 65~105mm | 34.4 | 34 |
| SR10F | φ41 | 40.4 | 40 | |
| SR10B | φ50 | 49.9 | 49.4 | |
| SR20C | φ35 | 115~200mm | 34.4 | 34 |
| SR20F | φ41 | 40.4 | 40 | |
| SR20B | φ50 | 49.9 | 49.4 |
まとめ
FFストーブの給排気管を内壁に貫通させる場合、らんまスリーブセットが便利です。3重管構造になっているため開口は1ヶ所で済み断熱材を巻く必要もありません。また、スリーブ一体型なので施工時間が大幅に短縮できるうえ、開口部の隙間もフランジで覆い隠すことができます。
※この記事は2022年2月7日に公開されましたが、修正を加えて2025年11月7日に再公開しました。
鈴木 彩香
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