近年、生活を豊かにする家電製品は日々進化しています。エアコンだけでなく、電子レンジ、洗濯乾燥機、IHクッキングヒーターなど、消費電力が大きい200Vの大型家電が家庭に普及しつつあります。これらの高性能な家電を安全に使うためには、専用の回路を増設することが不可欠です。

ブレーカボックス設置の課題と新たな解決策

専用回路を増設する際、一般的にはブレーカボックスを分電盤の隣に設置します。この分野で広く知られているのが未来工業製の「ブレーカボックス」です。高い信頼性を持つ一方で、ビス固定に要する手間が否めません。特に水平を保ちながらの取り付けは少なからず技術を要する作業でした。

そこで、新たな選択肢として注目されているのが、「ブレーカ用安全カバー（品番：FBC-1）」です。

仮止めが簡単！施工効率を上げる工夫

この製品はブレーカをベース部にぴったりと収めるための溝を備え、仮止め用の両面テープも装備。仮止め後は、ブレーカとカバーを含めて壁に2カ所ビスで固定するだけで設置が完了します。施工の手間と時間を大きく削減できる画期的な製品です。

主要7社のブレーカに対応する汎用性の高さ

ブレーカの幅と高さはJIS規格で32mm×70mmと統一されていますが、奥行きはメーカーによって微妙に異なります。この違いに対応するため「ブレーカ用安全カバー（品番：FBC-1）」には、2つの嵌合部が設けられています。この工夫により、異なる奥行きのブレーカでもカバーをしっかりと閉じることが可能です。

対応メーカー：Panasonic・三菱電機・東芝・河村電器・日東工業・富士電機・テンパール工業
※テンパール工業製のブレーカは、嵌合部Bを使用してください。

狭所でも設置可能なコンパクト設計

「ブレーカ用安全カバー（品番：FBC-1）」は、高さ120×幅40×奥行42.3mmと、非常にコンパクトなサイズが特長です。これに対して、未来工業製の「ブレーカボックス（品番：BB-1M）」は、高さ131mm×幅74mm×奥行84mmとなっており、幅と奥行きがFBC-1の約2倍あります。

分電盤の横など、限られた狭いスペースに設置することが多いブレーカボックスにおいて、このコンパクトさは大きなメリットです。

「ブレーカ用安全カバー（品番：FBC-1）」

品　番	外寸
FBC-1	高さ120×幅40×奥行42.3㎜

FBC-1対応ブレーカの具体例

Panasonic製

品　番	アンペアフレーム	極数素子	定格
BS1112	30AF	2P1E	20A
BS1113			30A
BS2022		2P2E	20A
BS2023			30A

品　番	アンペアフレーム	極数素子	定格
BJS2031N	30AF	2P1E	20A
BJS3031N			30A
BJS2032N		2P2E	20A
BJS3032N			30A

テンパール工業製

品　番	アンペアフレーム	極数素子	定格
BC1HEA15	30AF	2P1E	15A
BC2HEA15		2P2E
BC1HEA20		2P1E	20A
BC2HEA20		2P2E

これらの製品をはじめ、多くのブレーカに対応しているため、電気工事の現場で広く活用できます。

まとめ

消費電力の大きい200V大型家電の普及に伴い、ブレーカボックスの増設需要は高まっています。その中で、従来の製品が抱えていた施工の手間やスペースの問題を解決するのが、「ブレーカ用安全カバー（品番：FBC-1）」です。

両面テープによる仮止め機能、主要7社のブレーカに対応する汎用性、そして狭い場所にも設置できるコンパクトな設計など、この製品は多くの利点を持っていることから、多くの家庭や施設での採用が期待されます。

これからの設置や増設の際の選択肢として、「ブレーカ用安全カバー（品番：FBC-1）」は新たなスタンダードとなることでしょう。

※この記事は2023年10月10日に初回公開した内容に、修正を加えて2025年9月19日に再度公開しました。