1本で給水配管と給湯配管の水抜ができる【不凍水栓MX-D】

積雪期間が年間90日以上、年平均気温が10℃以下の地域では、多くの場合給湯器を屋内に設置するため、給湯配管と追い焚き配管の凍結事故は発生しにくいと言えます。一方でここ最近目にするのは、入退去のある賃貸アパートやマンションなどの集合物件の空き部屋や戸建であっても、旅行や転勤などで家を空けている間に給湯配管が凍結して漏水事故に発展するというトラブルです。本稿では、1本の不凍水抜栓で給水配管と給湯配管を同時に水抜できる「不凍水抜栓MX-D」をご紹介いたします。

短時間で給水配管と給湯配管の両方に水抜栓を設置

最近の給湯器には、電源が接続されていれば寒波でも給湯配管と追い焚き配管を凍結しにくくする機能があります。そのため、一般地では給水配管だけに不凍水抜栓を設置します。しかし、寒冷地では給湯器を使わない時間が長く続くと給湯配管や追い焚き配管に溜まった水も凍結しやすくなるため給湯配管にも不凍水抜栓を設置します。給水配管と給湯配管の両方に設置すると、穴掘り工程が増えて施工期間が長くなり他の現場がこなせなくなります。そんな悩みを一挙に解決できるのが「不凍水抜栓MX-D」です。

「不凍水抜栓MX-D」の優れた特色

「不凍水抜栓MX-D」寒冷地の集合物件を中心に採用が進んでいます。

品番 呼び長さ 給水接続口径 給湯接続口径
MX-D-1313060 0.6m G3/4 G3/4
MX-D-1313100 1.0m G3/4 G3/4
MX-D-2013060 0.6m G1 G3/4
MX-D-2013100 1.0m G1 G3/4

不凍水抜栓MX-D」は、1回の操作で給水給湯配管の水と湯を同時に抜くことができます。その際、水と湯は別々に排水され混合することはありません。また、アパート・マンションなどの直結給水にも対応できる低損失水頭型なので、凍結にシビアなエリアでは数多く使用されています。施工面では給湯配管接続口が回転するので、方向を問わず給湯配管の接続が容易な構造です。点検修理の際も弁部など内部構造を全て抜き出して作業ができ、万が一のトラブルの際も対応しやすくなります。もちろん、電動式の開閉装置や遠隔開閉器なども使用できますのでご安心ください。

仕様

主要材質(本体) CAC406
主要材質(外筒) CPVC
使用流体 水道水
使用温度 給水:35℃以下/給湯:80℃以下
使用水圧 1.0MPa(10.2kgf/㎠)以下
認証機関 日本水道協会品質認証センター(耐圧/浸出 登録番号C-13)

施工例

施工のポイントは「排水部を凍結深度以下にすること」ですが、これは全ての不凍水抜栓に言える事ですので必ず守るようにしてください。「不凍水抜栓MX-D」ならではの注意点としては、図にも記載がありますが給湯立上り管に「吸気弁」を取り付けることです。なぜ吸気弁が必要なのかはこのあとご説明します。

空気が吸入されないと水は抜けない

給湯器まわりは水栓金具を開けても空気が吸入されず水が抜けません。そのため、配管経路内に別途「吸気弁」を設置する必要があります。これは水抜き時に管内に生じる僅かな負圧で弁体を開き、自動的に吸気させる部材となります。ポイントは各立上り配管のできるだけ高い位置に吸気弁を取り付けること。位置が低いと空気が吸入されませんのでご注意ください。

横向き取り付けが可能な吸気弁「OS-450M-S」

「吸気弁(品番:OS-450M-S)」日本水道協会認定品です。

品番 ねじ 流体温度
OS-450M-S R1/2 -20~80℃

上向き、横向きどちらでも取り付け可能な吸気弁です。自動で吸気することにより、水抜きの際に配管内に生じる負圧を防止してスムーズな排水を促します。また、吸気中は音が鳴るため水抜きされているのが感覚的に確認できます。配管への取り付けはチーズ継手などを利用するのが一般的です。なお、下向きでの設置はできませんのでご注意ください。

管種別の接続用継手

不凍水抜栓MX-D」の接続ねじは平行おねじタイプとなっておりますので、継手もそれに合わせて選定する必要があります。以下に給水給湯配管で採用の多い、代表的な2つの管種向けの継手をご紹介します。

水道メーターから不凍水抜栓までで採用の多い「水道用ポリエチレン1種2層管」用

水道メーター以降の二次側埋設管に使用されることの多い「水道用ポリエチレン1種2層管」。このパイプを使って不凍水抜栓に接続する場合は、ユニオンタイプの継手をお選びください。

水道用ポリエチレン1種2層管用「SPジョイント」

耐震強化型SPジョイント メータ用ソケット(20A×G3/4) SPJ-M20

品番 ねじ 呼び
SPJ-M20 G3/4 2層管 20A

水道用ポリエチレン1種2層管の20Aに接続し、管用平行めねじ(G3/4)に変換するアダプターです。商品の詳細についてはこちらでご確認ください。

不凍水抜栓以降で採用の多い「架橋ポリエチレン管」用

宅内をはじめ、新築住宅の露出配管にも使用されることの多くなった「架橋ポリエチレン管」。特に給湯配管においては、銅管HTVPから完全にシェアを奪ったといっても過言ではありません。そんな架橋ポリエチレン管を不凍水抜栓に接続する際は、以下の継手が使用できます。

架橋ポリエチレン管用「ダブルロックジョイント」

ダブルロックジョイントWJ18型 袋ナット付アダプター(G3/4) 青銅製で埋設時も使用可能です!

品番 ねじ 呼び
WJ18-2013C-S G3/4 PEX 13A
WJ18A2016C-S G3/4 PEX 16A

不凍水抜栓との接続には、「ダブルロックジョイント袋ナット付アダプター」がオススメです。Gねじタイプで圧損の低い内径シールタイプですので、継手の圧損による流量低下の心配なく使用できます。オンダ製作所のダブルロックジョイントには「黄銅製」と「青銅製」が存在していますが、不凍水抜栓に接続する場合は埋設となりますので、その際は腐食に強い「青銅製(品番末尾C-S)」をご選定ください。

まとめ

寒冷地では、賃貸物件の空き部屋や戸建であっても旅行や転勤などで家を空けている期間が長くなると、給湯配管や追い焚き配管の凍結トラブルが発生します。そのような現場には、1台で給水配管と給湯配管を同時に水抜きできる「不凍水抜栓MX-D」タイプをオススメします。2台設置するのと比べて施工時間が半減するうえ、ユーザーも1ヶ所で水抜きできるのでメリットしかありません。

ベストパーツオンラインショップ

  • シェア
  • twitter
The following two tabs change content below.

佐々木 克仁

2001年ベストパーツ株式会社(旧東北綜合器材株式会社)入社。2002年より営業職。分類は給水給湯を担当。1976年生まれ。
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
PAGE TOP
LINE it!
MAIN MENU SUB MENU