三方熱動弁を用いた柔軟な流路制御で温水暖房システムの可能性を拡張する

温水暖房においては、適切な温度制御が重要です。その中でも不可欠なのが熱動弁です。これはヘッダーに組み込まれ、コントローラを用いてON/OFF制御される二方弁が一般的で、多くの現場で採用されています。これにより、暖房システムの効率的な運転が実現されています。しかし、本稿ではより進んだ制御が可能な三方熱動弁に焦点を当てます。

暖房システムへ省エネ性と拡張性を付与する三方熱動弁

図1)循環水は下部から入って2又は3の方向に流れていく。

この三方熱動弁は、状況に合わせて流路を変更することができるため、温水暖房システムの設計において幅広い可能性を提供します。例えば、図1のように通電されていない状態では、下部から流入した循環液が図面左側2番の方向に流れます。一方で通電が行われると、内部の弁が徐々に移動し、図面右側3番の方向に流れるようになります。この三方熱動弁の導入により、回路の閉塞を防ぐためのバイパス弁として利用したり、暖房エリアを切り替えることが可能となります。

省エネ効果とバイパス機能:三方熱動弁の優れた熱制御

一般的な二方熱動弁の場合、電力供給がOFFになると閉塞して、不要なエリアへの循環液の流入を抑制します。これは最もシンプルな制御方法ですが、バイパスが用意されていない場合、運転が停止するまでポンプが連続して運転し、熱動弁とポンプに負荷がかかり続けます。しかし、三方熱動弁を導入することで、流路を切り替えて不要なエリアへの循環液を戻り側へ直接バイパスすることが可能です。これにより、ポンプや熱動弁への負担が軽減されるばかりか、放熱していない循環水が早く熱源機に戻るため、運転ボリュームを早い段階で低減させ、省エネの効果が期待できます。

暖房エリアを切り替えて無駄なく温水を活用する

図1の通り、電力供給のON/OFFによって流路を変更するため、2つのエリアの暖房を自由に切り替えて使用することが可能です。例えば、店舗兼自宅の場合、昼間は店舗として、夕方からは自宅として利用するよう切り替えることができます。これにより、過剰な設備を導入せずに、少ない熱源機を使用して温水暖房を実現できるでしょう。

三方熱動弁の即納品は3品番

本品は小径に特化した商品です。オスねじモデルには1/2、メスねじモデルには1/2と3/4を在庫して受注当日出荷しています。

三方熱動弁(オスねじ)

管用テーパおねじの「三方熱動弁(品番:HP333K)」は当日出荷!

品番 ねじ コード長
HP333K R1/2 25cm
三方熱動弁(メスねじ)

管用テーパめねじ仕様の「三方熱動弁」は当日出荷!

品番 ねじ コード長
HP311K Rc1/2 25cm
HP411K Rc3/4 25cm

まとめ

温水暖房の温度制御に不可欠な熱動弁。コントローラを用いてON/OFF制御する二方弁は、数多くの現場で導入されています。一方、三方熱動弁はコントローラと連携して使用され、循環液が1つの入り口から供給された際に、2つの出口のいずれかへの流路を選択的に変更できます。この三方熱動弁はバイパス弁としての役割だけでなく、暖房エリアの切り替えにも応用可能です。このような機能を備えることで、必要に応じて限られた設備で効率的な暖房システムを構築することができます。温水暖房システムの設計において、ぜひご検討ください。
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大宮彰大

営業部所属:ベストパーツ株式会社 2008年入社(36歳) 温水暖房分野を担当し2013年4月完成のベストパーツ株式会社社屋の冷暖房部材選定を行う。 MAIL:omiya.shota@best-parts.jp
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