
複雑な床暖房のレイアウトを実現する「キュア真打」
※この記事は2019年9月25日に公開した記事ですが、校正し直し2021年4月21日に再度公開しました。
キュア真打とは?

断面構造
厚さ12mmのパネルに「キュア真打専用パイプ(品番:7CS-○○)」を現場配管することで、柔軟な設計が可能な温水床暖房パネルです。パネルには予め溝が彫られているので、パイプをはめ込んでいくだけで配管が完了します。普段温水マットでは困難だった場所でも、コストや施工の手間を抑えながら床暖房を導入することができます。
キュア真打をオススメする理由
3種類のパネルを組み合わせて自由設計できる
「キュア真打」は3種類のパネルを組み合わせて敷設していきます。温水マットに比べて自由度の高い敷設を可能にしますので、壁が斜めになっている場合でも対応することができます。「キュア真打(品番:FB-0609S-6)」と「キュア真打(品番:FB-0909S-4)」は直線部分に使用し、「キュア真打(品番:FB-0902R-8)」は部屋の隅でパイプをターンさせる場合や狭いエリアに敷設する場合に用います。
品番 | 寸法 | 厚 | 重さ/枚 | 入数 | 基準価格 |
FB-0909S-4 | 909×910 | 12 | 2.2kg | 4 | ¥24,000 |
FB-0609S-6 | 606×910 | 12 | 1.5kg | 6 | ¥24,000 |
FB-0902R-8 | 909×160 | 12 | 0.2kg | 8 | ¥20,700 |
カットしてサイズ変更ができるからバリエーションが豊富

キュア真打図面
3種類のパネルは、いずれも303mmピッチで通っている小根太に沿ってカッターなどで分割することができます。また図面の910mm方向の中心部もカットすることができ、455mmのパネルとしても使用することができます。カットすることで「キュア真打(品番:FB-0909S-4)」、「キュア真打(品番:FB-0609S-6)」は最小で303mm×455mmのパネルに、「キュア真打(品番:FB-0902R-8)」は303mm×160mmのパネルとして使用することができるので割付のバリエーションが広がります。
回路数を減らすことができるからコストを下げれる
アイランドキッチン、斜めの壁など従来の温水マットでは設計に悩んだケースでも、キュア真打では簡単に割付ができます。ちなみに上図の物件は、温水マットの場合9回路程度になりますが、キュア真打では5回路で設計ができました。回路数の削減で、施工の手間や材料費の低減も期待できます。
採用にあたって注意したい点
専用パイプの7Aパイプが必要
「キュア真打」は、敷設したパネルに7Aの架橋ポリエチレン管をはめ込んでいきますが、7Aの架橋ポリエチレン管はいくつかの配管メーカーから発売されているので、安価なものを選んでしまいがちです。しかし、キュア真打に限っては、必ず専用品の「キュア真打専用パイプ(品番:7CS-○○)」を使用しなければなりません。キュア真打専用パイプは、キュア真打と組み合わせて使用することを想定し、音鳴り対策を施した配管なので最も安心してご使用いただけるアイテムです。
1回路の配管長は76mまで!
複雑な箇所や狭い場所にも割付できるのでついつい1回路の配管を長く設計してしまいます。しかし、メーカーである三菱ケミカルインフラテックの工事説明書によると、1回路の配管長は最大76m、パネル内は約50m以内と記載があります。これは7A配管の圧力損失を考慮し、一般的なヒートポンプ熱源器を使用した場合を想定して算出されています。配管長がこの範囲で収まらない場合は、圧力損失の計算し熱源器のポンプ能力と比較されることをオススメします。
まとめ
建物に合わせて柔軟に対応することができるキュア真打は、注文住宅のみならず幼稚園、保育園や福祉施設などでも設計の自由度、回路数削減による、施工時間の短縮など採用のメリットのあるアイテムです。施工の手間や価格面で床暖房を断念せざるを得ないケースがある場合に、1つの案としてお考えいただければと思います。

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