複雑な間取りにも対応する床暖房システム『キュア真打』
現場配管に対応する革新的な温水パネル『キュア真打』
温水式床暖房市場において、一般的な温水マットの限界を打ち破る『キュア真打』が登場しました。この先進的な製品は、業界をリードする三菱ケミカルインフラテック社によって開発され、現場配管型の温水式床暖房用パネルとして市場に提供されています。その最大の特徴は、標準的な温水マットと異なり、エリアにとらわれずフレキシブルに対応できる設計です。施工現場で直接パネルを配置し、その後に必要な配管を組み込むことで、どんな間取りにも柔軟に適応できるのです。
『キュア真打』の断面構造
『キュア真打』は、その革新性と実用性で注目される床暖房システムです。このシステムの核心をなすのは、わずか12mmの厚さを持ちながら、高い熱効率を誇る発泡ポリスチレンベースのパネルです。このパネルには、熱を効率的に伝達するアルミニウムの伝熱板が組み込まれており、専用設計された7Aサイズの架橋ポリエチレン管「キュア真打専用パイプ(品番:7CS-○○)」が完璧にフィットします。
現場での配管作業は、「キュア真打専用パイプ(品番:7CS-○○)」をパネルにはめ込むだけで完了するため、従来の床暖房システムに見られるロウ付けや融着などの複雑な工程が不要です。このシンプルさは、特に間取りが複雑な住宅での施工時間短縮とコスト削減に貢献します。キュア真打を選ぶことで、どのような形状の居室にも、効率的かつ経済的に床暖房を導入できるのです。
『キュア真打』をオススメする理由
自由設計を可能にする3種類のパネル
『キュア真打』のシステムは、3種類のパネルを組み合わせることで、どのような間取りにも柔軟に対応できます。従来の温水マットでは対応が難しい斜めの壁や特殊な形状の空間でも、キュア真打なら効率的に敷設面積を確保することが可能です。直線部分用の2種類のパネル「キュア真打(品番:FB-0609S-6)」と「キュア真打(品番:FB-0909S-4)」と、壁際や狭い場所での使用に適したR部用のパネル「キュア真打(品番:FB-0902R-8)」を適切に組み合わせることで、設計の自由度が大幅に向上します。
品番 | 寸法 | 厚 | 重さ/枚 | 入数 |
FB-0909S-4 | 909×910 | 12 | 2.2kg | 4 |
FB-0609S-6 | 606×910 | 12 | 1.5kg | 6 |
FB-0902R-8 | 909×160 | 12 | 0.2kg | 8 |
カスタマイズ可能なパネルで広がるバリエーション
『キュア真打』のパネルは、303mmピッチの小根太に沿った線と、910mm方向の中心部でカット調整できます。具体的には「キュア真打(品番:FB-0909S-4)」と「キュア真打(品番:FB-0609S-6)」は最小で303mm×455mmのパネルに、「キュア真打(品番:FB-0902R-8)」は303mm×160mmのパネルに加工できます。このように、さまざまなサイズへのカスタマイズが可能となり、割付のバリエーションが広がります。
回路数の削減によるコストダウン
『キュア真打』を採用する最大のメリットは、必要な回路数を削減できることにあります。例えば、従来の温水マットを使用した場合に9回路必要だった以下の物件が、キュア真打を使用することで5回路に減少。これにより、施工の手間や材料費を大幅に削減でき、経済的な床暖房システムの構築が可能になります。
信頼の三菱ケミカルインフラテック社製
『キュア真打』は、床暖房部材の最大手、三菱ケミカルインフラテック社によって提供されています。この製品は、厳しい品質基準と性能評価をクリアしており、公共建築物を含むあらゆる施設に安心して採用することができます。キュア真打は、その高い信頼性と実績により、床暖房システムの新たなスタンダードとなりつつあります。
採用にあたって注意したい点
『キュア真打』の導入を検討する際には、最適な性能を確保するためにいくつかの重要な注意点があります。これらのポイントを把握し、計画段階で適切に対応することで、システムの効率と信頼性を最大化できます。
必須!専用の7Aパイプの使用
『キュア真打』は、専用設計された7A架橋ポリエチレン管「キュア真打専用パイプ(品番:7CS-○○)」を必要とします。市場には多くの7Aパイプがありますが、キュア真打との完璧な組み合わせと性能を保証するためには、専用のパイプを使用する必要があります。この専用パイプは、音鳴り防止などの特別な設計が施されており、システム全体の信頼性と快適性を高めます。
密閉配管への非対応
『キュア真打』は、密閉式暖房システムには対応していません。確かに、「O2ストップパイプ(7A 100m巻)(品番:O2-7C)」のように酸素透過防止性能に優れる製品も7Aサイズで提供されていますが、これらはキュア真打のシステム専用に設計されたものではありません。その結果、運転時には音鳴りが発生する可能性があり、さらには外径がキュア真打のパネルに合わせた設計とは異なるため、パネルの配管スペースに適切にはめ込むことができません。キュア真打システムを選択する際には、このような互換性の問題を避けるためにも、専用の配管を使用することが不可欠です。
配管長の制限
複雑な箇所や狭い場所にも割付できる『キュア真打』の場合、1回路の配管を長く設計したくなります。しかし、工事説明書によると、1回路の配管長は最大76m、パネル内は約50m以内と記載があります。これは7A配管の圧力損失を考慮し、一般的なヒートポンプ熱源器を使用した場合を想定して算出されています。そのため、配管長がこの範囲に収まらない場合は、圧力損失を考慮し、適切なヒートポンプ熱源機を選択することが重要です。
まとめ
『キュア真打』は、その高い設計の自由度と効率性で、注文住宅はもちろん、幼稚園、保育園、福祉施設など様々な施設における床暖房システムとして理想的です。比較検討されることの多い温水マットに対して、回路数の削減により施工時間とコストを大幅に節約できる点が特に魅力です。三菱ケミカルインフラテック社製であることから、性能と信頼性も保証され、仕様概要や施工説明書など必要な資料も充実しています。床暖房を設計する際には、キュア真打の導入をぜひご検討ください。
※この記事は2019年9月25日、2021年4月21日に公開した記事ですが、校正し直し2024年4月1日に再度公開しました。
大宮彰大
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