ビルトイン食器洗い乾燥機の設置作業において、排水接続は重要な課題です。特に排水管へのスムーズな合流は、施工の効率と安定性に直結します。本稿では、排水問題を解決し、作業を容易にする「HTDV合流チーズ」の特徴と活用法について詳しくご紹介します。

専用設計だから安心して排水管の接続工事ができる

一般的な排水用配管部材と比較して、「HTDV合流チーズ」はビルトイン食洗機専用の排水工事に特化した設計のため、施工の手間を大幅に軽減し、より簡単かつ確実な排水管への合流を可能にしています。以下では、「HTDV合流チーズ」を最大限に活用する方法を、具体的な例を交えて解説します。

高温排水対応！「HTDV合流チーズ」の特徴

ビルトイン食洗機の排水温度は、最高約70℃に達します。よって、排水管には一般的な塩ビ管（VP管やVU管）（使用温度～60℃)ではなく、機器メーカーによっては耐熱温度の高いHT管や継手の使用を推奨しています。今回ご紹介する「HTDV合流チーズ」は、耐熱温度～90℃と充分にその基準をクリアしていますので、安心してビルトイン食洗機の排水合流工事にご使用いただけます。

HTDV食洗機継手 排水合流チーズ(50A×20/25A)

品番	呼び径(主管)	呼び径(枝管)
HTTP50-2025	50	20/25

メリット① 食洗機側への逆流現象を低減

一般的な塩ビ継手のチーズでは、主管の中心部から枝管が出ています。よって、大量の台所排水が流れた場合、合流部分から逆流するリスクがあるのも事実です。一方で「HTDV合流チーズ」は枝管接続部(食洗機取込口)を偏芯させているため、大量の排水が流れた際でも一般的な塩ビ継手のチーズよりも逆流するリスクが低く、臭い等のクレームを防ぐことができます。

メリット② 省スペースで安全性の高い施工が可能

隠ぺい部での接続がマストとなる排水工事において、漏水は防ぐべきリスクの代表格です。「HTDV合流チーズ」は、枝管が呼び20であれば継手が不要なため、接続箇所が少なくなり、漏水リスクがその分低減します。また、狭い場所でもコンパクトに収まるので、従来の継手の組み合わせよりもラクに施工ができます。

横引き排水管へ合流させたい場合にオススメ！

「HTDV合流チーズ」を使用するのに最も適した現場は、キッチンの横引き排水管に食洗機からの排水を合流させたい場合です。ベストパーツオンラインでは、一般的にキッチンの排水管（主管）はVU50を使用することが多く、食洗機側（枝管）はHT20がメーカーの技術資料にも記載されていることから、主管呼び50×枝管呼び20(25)のHTDV合流チーズを当日出荷しています。

呼び20と25の両方に対応した高い汎用性

前述の通り食洗機側の排水管径はHT管の呼び20が多いのですが、場合によっては呼び25を使用するケースもあります。このように、枝管が呼び20と25のどちらのサイズかわからなくても、「HTDV合流チーズ」ならどちらにも対応することができます。

枝管サイズが呼び25の場合は別途ソケットが必要

HT呼び20と25の両方に対応している「HTDV合流チーズ」ですが、枝管が呼び25の場合には別途「呼び25のソケット」が必要になります。呼び20であればHTDV合流チーズに差し込むだけですが、呼び25では突合せ状態となりますので、必ずソケットを介して接続してください。

品番	呼び径	全長
HTDV-DS25	25	39㎜

接着には高温排水専用の接着剤がオススメ

高温排水用途で開発されたのが「No.100Sグリーン」です。成分を高温排水向けに最適化することで、～90℃までの高温に対応しています。詳細はベストなパーツの過去記事でもご紹介しておりますので、ぜひご確認ください。（参考記事：「用途と管種と呼び径から選ぶ！塩ビ管用接着剤の選定ポイント」）

品番	容量	粘度
S1H5GG	500g	500mPa･s

まとめ

家事の時間短縮と効率アップが叶う「食器洗い乾燥機」。中でもビルトイン食洗機は、キッチンのスペースを有効活用するだけではなく、視覚的な観点からもオススメできる商品です。一方で、設置の際には給水管の接続はもちろんの事、食洗機の排水をキッチンの横引き排水管に合流させる必要があります。「HTDV合流チーズ」は、耐熱～80℃と高温にも対応したビルトイン食洗機専用の排水合流継手です。接続箇所が少ないので、隠ぺい部でもコンパクトかつ漏水リスクの少ない施工ができる点や、偏芯しているため食洗機側への排水逆流を抑止できる点など、専用設計ならではのメリットが多数あります。是非一度お試しいただければ幸いです。

この記事は 2024年1月22日に公開されましたが、内容の再構成を行い2025年8月8日に再公開しました。