エコキュート ヒートポンプ配管の選び方【アルミ三層管】

現在、戸建エコキュートのヒートポンプ配管はアルミ三層管が基本になっていますが、それには大きな理由があります。今回は、その理由にフォーカスし、なぜ現在アルミ三層管が最も多く使用されているのかを検証して行きたいと思います。

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アルミ三層管が採用されるようになったワケ

アルミ三層管(積水化学工業のみ金属強化ポリエチレン管)が、エコキュートに使用され始めたのは2006年頃。当時、「2~3日掛かっていたエコキュートの設置工事期間を1日に短縮したい」という業界関係者の目的に適したパイプとして選ばれました。

ヒートポンプ配管にアルミ三層管を使うメリット

横引き配管が美しく、狭小部の曲げRが小さい

形状保持するので露出での横引き配管などの仕上げがカンタン

アルミ三層管は架橋ポリエチレン管のような巻き癖が無く、コイル状の荷姿のものでも引っ張って形を整えれば銅管同様簡単に直管が作れます。よって、タンクとヒートポンプとの距離が長く外壁と平行に横引き配管しなければならない場合でも、配管カバーなしに美しい直線での仕上げが可能です。なお、現在国内で販売されているエコキュート用途のアルミ三層管には、基本的に高耐候性の被覆保温材が最初から巻かれている為配管自体が露出しない限り紫外線劣化防止処置は不要となっております。

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なまし銅管と同じように、エルボを使わずR50までの曲げが可能

一般的なアルミ三層管では、手曲げの場合はR50、インナーベンダー(品番:UPSBI-PE10-1)を使用すればR40と、かなり小さいRで曲げることが可能です。よって、現場のコストアップや漏水リスクの高まるエルボをタンク下などで使用する必要がありません。

熱による配管自体の膨張・収縮が少なく、配管がキレイに仕上がる

架橋ポリエチレン管と違い、アルミ三層管は樹脂とアルミのサンドイッチ構造です。熱膨張率の高い樹脂を熱膨張率の低いアルミが抑えることによって、高温時でも膨張・収縮が少なく横引き配管も施工した時の美しい状態を維持することが可能です。また、配管が膨張・収縮による接続箇所のストレスを最小限に抑え漏水リスクを低減する事ができます。

アルミパイプがポリエチレンの膨張収縮を抑え、直線や曲げた場合の形状を保持する役割を担います。

内面が樹脂なので腐食や緑青の恐れがない

アルミ三層管は内面が架橋ポリエチレンまたは高耐熱ポリエチレンと、金属系の材質が基本的に直接温水に触れる事が無いため、山間部で散見される硬度が高い水質でも化学変化を起こさず安心して使用する事が可能です。よって、銅管を使用した場合にみられる浴槽の縁に緑青が付着してしまうようなトラブルも回避できます。

ワンタッチ接続で施工時間短縮と施工品質平準化を同時に実現できる

ヒートポンプ配管用途のアルミ三層管は架橋ポリエチレン管同様ワンタッチ接続の継手が標準です。よって、銅管のロウ付け接続のような熟練作業が必要なく、誰でも簡単に、素早く確実な接続が可能です。

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外面が樹脂なので腐食しない

ヒートポンプ配管を埋設したい」というご質問を頂戴するケースがあります。外層が樹脂のアルミ三層管は埋設しても腐食しませんが、パイプの外側に傷が入りアルミ層が露出した場合、アルミ層が腐食する恐れがありますのでPF管に通してから埋設する事をオススメします。もちろん、継手を埋設するケースは少ないと思いますが、埋設しなければならない現場には必ず青銅製の継手を使用してください。

また、断熱材をそのまま埋めると地中の水分を吸って断熱性能が次第に低下します。

エコキュート用途の弊社取扱アルミ三層管継手(タブチ製)は全て青銅製です。

ヒートポンプ配管にアルミ三層管を使うデメリット

95℃以上の温水が流れた場合漏水するリスクがある

これは架橋ポリエチレン管にも言えることですが、最高使用温度95℃のアルミ三層管に95℃以上の温水が流れると、内面の樹脂層が高温に耐えられず劣化し、短期間でも漏水する可能性があります。ただし、これはフッ素樹脂系の配管以外はほとんどが当てはまるためアルミ三層管だけのデメリットではございません。

樹脂層とアルミ層が剥がれて漏水する可能性がある

ほとんどのアルミ三層管は、内面・外面の樹脂層とアルミ層を接着させる方法として「接着剤」を使用しています。通常の使用条件では全く問題ありませんが、理論上樹脂とアルミでは熱による膨張係数が全く違う為、温水を通した際には常に接着層(接着剤)にストレスが掛かっている状態になります。よって、経年劣化など何らかの理由で樹脂層とアルミ層が剥離する可能性がゼロではないと言えます。そうなった場合そのすき間に水などが入り込む可能性があり、それがアルミ層を腐食させ、最悪漏水につながるリスクを含んでいます。

管切断後の端面を面仕上げする必要がある

現在ヒートポンプ配管に最も多く使用されているタブチ社のアルミ三層管は、配管をカットした場合専用の面取器で端面を整える必要があります。これは、内径シールの継手を間違いなく接続させるために必要な工程で、断面を真円にし、内面のバリや凹凸を整えることで継手内のシール機構を確実に機能させるための作業になります。架橋ポリエチレン管では必要にならない作業ですので若干面倒に感じられる方もいらっしゃると思いますが、基本的にはメーカーの施工要領や手順に従って施工して頂ければと思います。なお、現在CK金属のマルチ1クリアやハタノ製作所のeパイプなど、面仕上げが必要ないとアナウンスしているメーカーもございますが、機器メーカーをはじめ大手電力会社等も正式な検証結果をオープンにしていない状態ですので、弊社でも基本的には機器メーカーの推奨が最も多い「タブチ社」のみ取り扱っております。

紫外線に弱い(耐候性がない)

これも架橋ポリエチレン管と同様ですが、パイプ外面にポリエチレン樹脂を採用している為、直接日光などの紫外線が当たってしまうと急激に劣化(脆化)し、クラックが入って漏水する可能性があります。前述した通り基本的には高耐候性の被覆保温材が付いていますが、継手との接続部は経年で保温材が縮んで管が露出してしまう可能性があることから、露出する可能性がある場合は必ず継手用の保温材を使用して施工するようにして頂ければと思います。

継手用保温材 継手とパイプが露出しないよう施工するのがポイント

参入メーカーが多く何を信用していいか分かりにくい

実は、アルミ三層管のほとんどが輸入品。JIS規格がないアルミ三層管は、メーカー毎に規格が異なるため、万が一パイプと継手を異なるメーカーで接続した場合のトラブルは、パイプに原因があるのか、継手に原因があるのか、機器側に原因があるのか責任の所在が明確になりにくく、施工者責任を問われることになるのもアルミ三層管のデメリットの一つです。

まとめ

形状保持能力を持ちながら接続はワンタッチと、銅管と樹脂管の良い所を併せ持った金属強化ポリエチレン管。エコキュート用途として様々なメーカーが販売しておりますが、メーカー違いのパイプと継手が使用できない、また、機器メーカーが接続承認を出していないものがあるなど注意点もありますので、十分考慮の上選定頂ければ幸いです。

ベストなパーツでは、住宅設備部材に関わる施工業者様の小さな疑問やお困りごとの解決のお手伝いをさせて頂きます。

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Katsuhito Sasaki

Katsuhito Sasaki

2001年ベストパーツ株式会社(旧東北綜合器材株式会社)入社。2002年より営業職。分類は設置固定を担当。1976年生まれ。
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