結露水による外壁の凍結損傷を防止する【寒冷地用深型パイプフード】
2022.11.30
深型フードに最大限の換気性能を引き出す「角型」の登場で、戸建住宅のパイプフードはほぼ深型フードが主流。機能美の集大成かと思いきや、実は屋内と屋外の温度差による結露水が外壁を凍結させ、かえって厄介なことに。本稿では、パイプフードの結露水による問題を解消する「寒冷地用深型パイプフード」をご紹介します。
結露水による外壁の凍結損傷をパイプフードで防止
パイプフードの結露水は、外壁材に様々な悪影響を及ぼします。例えば、カビ汚れによりモルタルの外観と耐久性を損ねる、水垢が木質系サイディングにしみこみ除去できなくなる、金属系サイディングが錆びる、タイルの裏側に水が侵入して剥がれる、ALCが水を吸収して崩れるなど被害に発展する恐れがあります。とりわけ寒冷地では、結露水を吸収した外壁が凍結し破損することもあります。建築現場では、外壁に通気層を設けたり、親水性の高い塗料を使うなどの対策が取られていますが、実はパイプフードを変えるだけでも解消できます。
結露水が外壁に触れない新構造
「寒冷地用深型パイプフード(10メッシュ網付)」
品番 | 適合パイプ径 | 色 |
PYK-S100KA | φ103~φ106 | シルバー |
PYK-S150KA | φ153~φ158 |
従来品は、下図のように結露水がダクトを伝って外壁に触れる可能性があります。「寒冷地用深型パイプフード」はダクトを壁面から20mm出したところで切断し、防水処理を施してからパイプフードをはめ込み、付属のタッピンねじで固定するため、ダクト内の結露水は壁面に触れることなく排水されます。ですから、結露水によるカビ汚れ、水垢、錆び、タイルの剥がれ、ALCの崩れ、そして凍結損傷といった心配がありません。10メッシュの防虫ネットは、メンテナンスがしやすいようワンタッチで取り外しができます。
まとめ
換気フード付近の結露水は、外壁の内側の構造部分だけではなく外壁そのものにも大きな損傷を与えます。とりわけ寒冷地では外壁の凍結損傷が大きな問題です。その点、結露水を外壁に触れさせずに排出する構造を持つ「寒冷地用深型パイプフード」なら外壁に損傷を与えません。外壁の結露水対策にご検討ください。
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室橋尚哉
1989年ベストパーツ株式会社(旧東北綜合器材株式会社)入社。分類は空調換気を担当。1963年生まれ。
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