
エコキュート連絡配管のねじ込み不良による漏水を『トルクレンチ』で防ぐ方法
機器メーカー指定の”締付トルク”を順守する
日進月歩で改良されるエコキュート。近年は軽量化やコストダウンを目的とした”樹脂化”が進んでいます。一方で、樹脂化された配管接続口に金属製の継手をねじ込むのは、割れが発生しそうで怖いといった不安の声があるのも事実です。そのような不安要素を解消する唯一の手段が「トルクレンチを使って適正トルクを管理する」方法です。
締付トルクは工事説明書に記載されている
エコキュートの連絡配管接続において、ほとんどの場合は機器メーカーの工事説明書に推奨締付トルクが記載されています(下図【施工注意点】3つ目)。一方で、トルクレンチというとエアコン工事に使用するイメージが強く、エコキュートの現場でトルクレンチを用いるケースは多くないのが実情です。配管接続口の樹脂化が遠因の、締付トルク不足によるねじ部からの漏水を防ぐ最も有効な方法は”トルク管理”となりますので、何らかの方法で規定トルクを管理するようにしましょう。

株式会社コロナ様 エコキュート工事説明書より引用
エコキュートの連絡配管接続ねじ規格は、原則どのメーカーも”R1/2”
現在、エコキュートメーカー各社の連絡配管接続口はほとんどのケースで「樹脂製のR1/2おねじ」が採用されています。一方で、継手については平行ねじタイプの”袋ナットアダプタ(ユニオンアダプタ)”が採用されています。R(テーパーおねじ)とG(平行めねじ)は通常組み合わせることができませんが、エコキュートは機器側のおねじに工夫がされており、パッキンシールが可能になっています。
袋ナットアダプタは”ナット部の深さ”がキモ
パッキンシールが可能と言っても、Rねじはあくまでもテーパー形状をしているため、先端に行くにしたがって外径が小さくなっていくことに変わりありません。そこで重要なのが”ナット部の深さ”です。深さが浅いと、テーパー形状のねじに上手くねじ込むことができない可能性がありますので、できるだけ深いものを選定することが漏水リスクを減らす対策の一つです。

Panasonic様 エコキュート工事説明書 より引用
有効な解決方法の一つが”「トルクレンチ」で管理”をすること
一般的なトルク管理方法の目安として「ダブルスパナで1/6回転」があります。確かに、熟練の職人さんであればそれで十分かもしれませんが、活況な入替需要のもとでは不慣れな方でも施工せざるを得ない可能性があります。この「モンキ形トルクレンチ(品番:TMWM60)」さえあれば、トルク管理が誰でもカンタンに行えるのはもちろんの事、万が一の漏水クレーム時でも正しい施工をしたという証明がしやすいというメリットがあります。
ノブで簡単トルク設定&管理が容易なメカニカル機構
TONEの「モンキ形トルクレンチ(品番:TMWM60)」は、グリップ下部のノブを回すことで15〜60N・mの範囲でトルクを設定できます。設定値はグリップ部に表示されるため確認が一目ででき、設定トルクまで締め込むと「カチッ」という音と手に伝わる軽いショックでお知らせしますので、締め込み不足や締め込み過多を感覚で防ぐことができる非常に扱いやすいモデルです。校正証明書(トレーサビリティ体系図付)や専用のケースも付属しますので、初めての方でも安心してお使いいただけます。
「モンキ形トルクレンチ(品番:TMWM60)」
品番 | 適合ナット径 | トルク範囲 | 全長 | 質量 | 販売単位 |
TMWM60 | 10~27㎜ | 15~60N・m | 330㎜ | 460g | 1丁 |
まとめ
エコキュートのクレームの要因で増加傾向なのが、連絡配管継手の締め込み不良による漏水。連絡配管の接続部が軒並み樹脂化し、強い締め込みを躊躇することも要因の一つと考えられます。機器メーカーの工事説明書にはほとんどの場合「推奨締付トルク」が記載されておりますので、技能の優劣に関わらず一定のトルク管理が可能な「モンキ形トルクレンチ(品番:TMWM60)」を使用することで、締め込み不良による漏水リスクを格段に減らすことが可能です。
※この記事は、2021年4月5日に公開されましたが、再度校正を行い2025年9月3日に公開しました。

佐々木 克仁

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