
FF式ガス給湯器の入替え時に役立つ『二重管変換アダプタ』とは?
口径やロック機構が異なる二重管どうしを確実に接続
二重管は、内筒にOリングを備えて気密を確保し、外筒には抜け防止のためのロック機構が装着されています。そのため、新たに接続する二重管は、以下の条件を満たす必要があります。
- 既設のウォールトップの内筒にOリングが密着すること。
- 外筒のロック機構が同じであること。
さらに、ガス事業法施行規則第108条2において「排気筒の有効断面積は当該燃焼器の排気筒との接触部の有効断面積より小さくないこと」とあります。よって、本稿でご紹介する「ロック機構付二重管異径アダプタ」や「ロック機構付二重管変換アダプタ」を使用する際は、内外筒の口径が合致するだけでなく、既設のウォールトップ及び二重管と同じロック機構、かつ、必ず口径拡大(拡管)のアダプタを選定してください。
異径アダプタで口径を拡大する
再利用するウォールトップや二重管の口径より、新しく設置する給湯器の給排気筒接続口径が小さい場合は、「ロック機構付二重管異径アダプタ」をお使いください。
現行のロック機構どうしの二重管をφ110×φ75からφ120×φ80に拡管する
既設の二重管φ120×φ80、またはウォールトップを再利用し、新たに二重管(φ110×φ75)サイズの給湯器へ入替えを行う場合に使用してください。なお、既設の二重管のロック機構が、WKPなどの現行タイプであることが絶対条件です。
品 番 | 受入側 | 差込側 |
W75M80 | φ110×φ75 | φ120×φ80 |
旧タイプのガスター社製品への対応アダプタ
旧ガスター社の二重管は、現在流通しているものと設計が大きく異なります。たとえ同径であっても、気密性と抜け防止を担保するために「ロック機構付二重管変換アダプタ(品番:W75M70)」で変換して接続しなければなりません。
旧ガスター社のウォールトップφ110×φ70に対して現行の二重管φ110×φ75を接続する
再利用する旧ガスター社のウォールトップや二重管を、WKPなど現行のロック機構付二重管(φ110×φ75)に変換します。
品 番 | 受入側 | 差込側 |
W75M70 | φ110×φ75 | ガスター社旧仕様 |
給排気筒のみを改善する
既設のFF式ガス給湯器はそのまま使用し、給排気筒だけ改善するケースもあります。本体の排気筒接続口に変換アダプタを取付ければ、現行のロック機構付二重管に簡単に変換できます。
旧ガスター社の給湯器に現行のロック機構付二重管Φ110×Φ75を接続する
ガスター旧仕様型のガス給湯器または二重管を、WKPなど現行のロック機構付二重管(φ110×φ75)に変換します。
品 番 | 受入側 | 差込側 |
M75W70 | ガスター社旧仕様 | φ110×φ75 |
まとめ
FF式ガス給湯器を入替える際には、ウォールトップの再利用は条件付きで可能です。しかし、内筒の気密性保持機構や外筒のロック機構の仕様が異なるため、同じ口径であっても、多くの現場では変換アダプタが必要になります。
そのような現場に「ロック機構付二重管異径アダプタ」や「ロック機構付二重管変換アダプタ」を用いれば、口径や抜け防止機構の異なる二重管を確実に接続できるのでとても便利です。なお、ガス事業法施行規則第108条2において「排気筒の有効断面積は当該燃焼器の排気筒との接触部の有効断面積より小さくないこと」と定められており、口径を縮小するアダプタの使用は厳禁ですのでご注意ください。
※この記事は2024年4月に公開されましたが、内容を見直し、2025年9月3日に再度公開いたしました。

佐々木瞭

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