
樹脂管の漏水事故を防ぐ!切断精度を高める樹脂チューブカッター
漏水事故の主な要因は切断工程にあり!
大手ゼネコンの調査によると、メカニカル継手の漏水事故には以下の原因が多く見られます。
- 斜め切りによるパッキン・Oリングの損傷
- カッターナイフ使用や管の引きずりによる樹脂管表面の傷
- 切断面のバリや砂が入り込むことで起こる異物混入
これらはすべて「切断工程」に起因するものです。
そこで有効なのが「樹脂チューブカッター」です。架橋ポリエチレン管工業会でも施工注意点の一つとして「管の切断」を挙げており、正しい工具の使用が重要視されています。
正しい切断方法とは?
樹脂管を垂直に切断する際は、管の変形を防ぐためにガイド付きの専用カッターを使用する必要があります。さらに、保温材やサヤ管を別々に切断するのではなく、樹脂管ごと一度に切断することでリスクを大幅に減らせます。
一方で、施工現場ではメーカーの施工要領に従わず「万能はさみ」や「エンビカッター」「カッターナイフ」などを使ってしまうケースが見られます。こうした誤った切断は、漏水事故を招く典型例です。
施工責任を問われるケース
「架橋ポリエチレン管」や「ポリブテン管」の代表的な接合方法はワンタッチ式の継手です。その構造は、耐塩素性に優れたOリングやパッキンを2本使ってシールすることで漏水を防ぎ、ロックリングで引抜強度を担保するものです。しかし、樹脂管が変形していたり切り口が垂直でないと
- 挿入時にパッキン・Oリングがめくれる
- 挿入時にパッキン・Oリングを傷つける
- 2本目のシールが効かない
という現象が発生します。これらの事象は「先端切断不良」と判断され施工責を問われる恐れがあります。
また、原料のポリエチレンに架橋をかけることで耐熱性、クリープ性能を向上させている架橋ポリエチレン管については、表面に傷がつくと寿命が極端に短くなり、所定圧力以下でパイプに亀裂が入り漏水事故の発生確率が上昇します。このパターンも施工責任を問われてしまいます。
パイプの変形を抑えたまま保温材やサヤ管もろとも一発で垂直切断
「樹脂チューブカッター37(JTC-37)」と「樹脂管チューブカッター42(JTC-42)」は、V字型のエッジ刃がガイドで押さえた管に鋭く食い込み、保温材やサヤ管ごと樹脂管を一発で垂直に切断できます。
外径φ37まで対応する「樹脂チューブカッター37」
「樹脂チューブカッター37」があれば、裸管なら25A、保温材5mm厚なら20A、保温材10mm厚なら13A、サヤ管入りなら16Aまでの「架橋ポリエチレン管」や「ポリブテン管」、そして「アルミ三層管」に対応できるため、多くの工具を揃える必要がなく経済的です。本体の大きさは、手のひらにすっぽり収まる小型サイズ(全長190mm・質量220g)。軽量ながら強靭なダイキャストボディを採用しているから丈夫で長持ちです。樹脂管メーカーや給湯器メーカーの推奨品でもあるので安心です。
商品コード | 全長 | 重量 |
JTC-37 | 190mm | 220g |
JTCE37 | JTC-37用替刃 |
※替刃の交換は、「ドライバー」、「ラジオペンチ」等でカンタンにできます。
外径φ42まで対応する「樹脂管カッター42」
「樹脂管チューブカッター42」は、裸管なら30A、保温材10mm厚なら16Aまで切断できるほか、幅44.5mm×高さ40mmまでの楕円サヤ管にも対応しています。給水給湯配管のみならず、32Aまでの「アルミ三層管」を用いた冷温水配管や、「ダ円サヤ管入架橋ポリエチレン管コアチューブ」を用いた温水暖房や追い焚き配管などにも使えて便利です。
また、アゴが平らになっているため、樹脂モールが切断できるというメリットもあります。「ガス配管用エネモール」や「RMモール」なども切断できます。操作はラチェット式なので、大きな力を使用しません。JTC-42は、大阪ガス株式会社の指定品です。
商品コード | 全長 | 重量 |
JTC-42 | 240mm | 400g |
JTCE42 | JTC-42用替刃 |
※替刃の交換は、「ドライバー」、「ラジオペンチ」等でカンタンにできます。
幅広なパイプ受けで安定した切断「パイプカッター」
「パイプカッター」は、パイプ受けの幅が広く、安定して切断する管を保持することができます。切断管外径は~φ37まで、樹脂管呼び径にすると10A・13A・16Aまで切断が可能です。
商品コード | 全長 | 重量 |
NK200 | 210mm | 183g |
ご注意ください
いずれの樹脂管カッターも、塩ビ管のような硬質な樹脂管(塩化ビニル管)や、電線、補強層を有するホース(強化ガスホースなど)は切断できません。それぞれ塩ビ管には「エンビカッター」、強化ガスホースのような補強層を有するホースには「ホースカッター」をご利用ください。
まとめ
樹脂管にメカニカル継手を使用していても、パッキン・Oリング、管の表面に傷が入ったり、管端のバリが継手と樹脂管の間に入り込むと漏水事故の発生確率が高まります。これらの要因を手っ取り早く取り除くには「樹脂チューブカッター」が便利です。樹脂管を変形させずに垂直切断できるので、挿入時にパッキンやOリングがめくれたり傷つくリスクを排除することができます。

佐藤 陽子

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