高温水器具に最適な選択:コンパクトなAU型ボールバルブの特長と利用シーン

近年、エコキュートなどの高温水を貯湯する家庭用器具が増加の一途をたどっています。これに伴い、これらの器具に適した耐熱性能の高いボールバルブへの需要も急速に高まっているのです。そんな中、オンダ製作所のAU型ボールバルブが注目を集めています。なぜなら、同社が長年にわたり信頼されてきたAE型と同等の材質を用いつつ、よりコンパクトな形状にデザインし、材料の使用量を削減。これによって、高性能ながらもお求めやすい価格を実現しているからです。本記事では、この「AU型ボールバルブ(ユーボール®)」の特徴と利点について詳しくご紹介し、なぜこれが家庭用の高温水器具に最適なのかを解説していきます。

全長が短いから配管接続作業に余裕が生まれる

エコキュートやハイブリッド給湯器などの貯湯式機器はもちろん、壁掛け給湯器のエコジョーズ化が進む中、機器は大型化していく一方で、配管スペースはますます制約されています。その結果、一般的なTボールではサイズが大き過ぎて対応が難しいケースも増えてきています。しかし、本体の全長が短縮された「AU型ボールバルブ」を選んでいただくことで、タンク下やPS扉内の狭小スペースでも余裕を持って取り付けが可能となります。

AU型ボールバルブの仕様と特徴

AU型ボールバルブの特徴は、堅牢でコンパクトな構造と高耐熱性にあります。しかし、コンパクト性のため、ボア径が縮小し、一定の圧力損失があります。これは、フルボアタイプに比べた犠牲点ですが、住宅設備用途では大きな問題とはなりません。むしろバルブのサイズと重量が軽減され、コストも抑えられるため、設置スペースや予算が限定される住宅設備に適しています。

仕様

最高許容圧力 1.0MPa
使用温度範囲 -15℃~100℃
使用流体 冷温水・油・不凍液・エアー

エコキュート配管対応と主な利用シーン

製造元であるオンダ製作所のカタログでは、「エコキュートの配管にも使用できます」と明記されており、これは使用温度範囲が最大100℃までという高温にも対応可能なことを示しています。これが、AU型ボールバルブの一つの大きな特徴です。ただし、現行のエコキュート連絡配管(AB配管)では圧損の問題により、基本的にバルブの使用が困難になっています。そのため、エコキュートにおいてこのバルブが主に利用されるのは、貯湯タンクへの給水栓用途となります。

呼び径 1/2 3/4
最小内径 10㎜ 12.5㎜
Cv値 6 11

特化したバリエーション

AU型ボールバルブ」は、使用頻度の高い形状とサイズに絞り込んだ特化したバリエーションを提供します。全3種類10品番(内、ベストパーツが受注当日に出荷しているのは日本水道協会認証登録品である5品番)にて、管用テーパーねじと平行ねじの組み合わせで、多様な接続が可能です。

ねじ径には、給湯器周辺でよく見られる1/2及び3/4の2種類を取り揃えています。ハンドルの標準色はアイボリーで、交換用としてブルーとオレンジのショートとロングから選べます。もちろん、ハンドルは脱着可能です。そのため、給水管と給湯管でハンドルの色を区別したい場合や、ハンドルが破損し交換が必要な場合も、安心して「AU型バルブ用ハンドル」と組み合わせていただけます。

Rねじ×Gねじの「AU1型」

AU1型ボールバルブは、メスねじの鋼管継手にRねじ部をねじ込んで使用します。Gねじ側にはパッキンを介してステンレスフレキシブル管が接続できます。

「AU1型」は、日本水道協会に認証登録された製品(E-587)で、給水・給湯配管用途に適しています。本体は黄銅製で、埋設使用はできません。

品番 ねじA ねじB L H
AU1-13M-S 1/2 1/2 49㎜ 45㎜
AU1-20M-S 3/4 3/4 53㎜ 46.5㎜

使用場面:壁面から既存の配管が出ている現場

図1

AU1型ボールバルブは、図1に示されているように、既存の配管が壁面から出ているケースに適しています。壁掛け給湯器の交換時に外寸が大きくなり、配管スペースが十分に確保できない場合など、このバルブが非常に役立ちます。

Rcねじ×Gねじの「AU3型」

AU3型ボールバルブは、オスねじの鋼管にRcねじ部をねじ込んで使用します。Gねじ側にはパッキンを介してステンレスフレキシブル管が接続できます。

「AU3型」は、日本水道協会に認証登録された製品(E-587)で、給水・給湯配管用途に適しています。本体は黄銅製で、埋設使用はできません。

品番 ねじA ねじB L H
AU3-13M-S 1/2 1/2 51㎜ 45㎜
AU3-20M-S 3/4 3/4 57㎜ 46.5㎜

使用場面:地盤面から既存の配管が出ている現場

図2

AU3型ボールバルブは、図2に示す通り、既存の配管が地盤面から出ている際に効果的です。据置型給湯器から壁掛け型給湯器への取り替えなどで、既存配管のオスねじ部を再利用できる場合に、この型が便利です。

Rねじ×袋ナット(Gねじ)の「AU6型」

AU6型ボールバルブは、給湯器などに袋ナットを直接ねじ込んで利用します。一般的なRcねじのバルブを機器に直接接続する場合、点検や交換の際に配管を切断する必要がありますが、このタイプは袋ナット部が取り外し可能なため、将来の交換やメンテナンスを考慮している方に特におすすめです。

「AU3型」は、日本水道協会に認証登録された製品(E-587)で、給水・給湯配管用途に適しています。本体は黄銅製で、埋設使用はできません。

品番 ねじA ねじB L H
AU6-13M-S 1/2 1/2 58.5㎜ 45㎜
AU6-20M-S 3/4 3/4 62㎜ 46.5㎜

使用場面:給湯器にバルブを直接接続したい現場

図3

AU6型ボールバルブは、図3に示されているように、機器にバルブを直接取り付ける際に効果的です。既存の配管の長さやねじの種類(オス/メス)など、不確定要素が多い現場においては、最も適用範囲が広いタイプです。

まとめ

近年、エコキュートなどの高温水を貯湯する家庭用器具の普及が進み、これに適した耐熱性能の高いボールバルブへの需要が急速に増加しています。本記事では、オンダ製作所のAU型ボールバルブがこれらのニーズにどのように応えているのか、その特徴と利点、さまざまな使用場面における適用性について詳細に解説しました。コンパクトで堅牢、そして高耐熱性を備えたAU型ボールバルブは、制約された配管スペースや予算に応じた柔軟な対応が可能で、特に家庭用の高温水器具に適しています。
ベストパーツオンラインショップ

  • シェア
  • twitter
The following two tabs change content below.

佐々木 克仁

2001年ベストパーツ株式会社(旧東北綜合器材株式会社)入社。2002年より営業職。分類は給水給湯を担当。1976年生まれ。
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
PAGE TOP
LINE it!
MAIN MENU SUB MENU