
温水暖房の循環液(不凍液)は科学的根拠に基づく交換がオススメです
循環液の交換時期は、調査による科学的根拠に基づき決定してください。
循環液を交換しないとどうなるか?
循環液を交換しないでいると経年劣化で品質が低下します。循環液の品質とは、凍結温度、防錆効果、そして防腐効果です。
→「注入しやすくなったノンウォーター循環液が提供するの3つのメリット」
品質低下の要因は水道水の充填行為
最も多くみられる品質低下の要因は、圧力逃し弁から噴いたり、シスターンから蒸発して減少した循環液量を水道水で充填する行為です。
品質低下によるリスクと対応
氷点上昇による配管破裂
循環液の減少分を水道水で充填すると、グリコール濃度が低下し氷点が上昇します。暖房回路を年中運転していれば凍結しませんが、実生活では旅行などで数日間家を空ける場合や、万が一燃料が切れた場合には、運転を停止してしまい凍結するリスクが高まります。
配管内を満たしている循環液は、凍結温度に達すると水分が膨張して配管が破裂してしまいます。最近は架橋ポリエチレン管などの樹脂配管が増えたため、破裂しにくくなったとおっしゃる施工業者様がお見えになりますが、破裂しなくても内部から大きい力が加わった樹脂管は耐圧性能が低下しているのです。
循環液の凍結リスクの点検はブラインテスター(品番:BR-T3)を使えば一目瞭然です。ブラインテスターで地域の最低気温より氷点が上昇していた場合は、循環液の全交換で対応してください。
防錆剤の減少による配管腐食
循環液は金属を腐食させない性能を付与されています。しかし、経年劣化により防食剤を消化してしまった循環液は、徐々に配管を腐食させ漏水リスクを高めます。そこに水道水を加えると、水質によっては腐食を加速させるばかりかスケールやスライムの発生に及ぶこともあります。

ブラインチェッカ―は循環液交換時期を目視できます。使い方はカンタンで、サンプリングした循環液をビーカーに採り、ブラインチェッカ―を約1ml入れて混ぜるだけ。5秒放置して茶色に変化した場合は交換時期を迎えているサインです。
防錆剤の減少による漏水リスクは、ブラインチェッカー(品番:SK-CK100)を使えば容易に確認できます。
ブラインチェッカ―で陽性反応が出た場合は、ノンウォーター補充液(品番:SKNW-S2)を注入して対応してください。この商品は、グリコール濃度が2~3wt%しかなく純水に防錆防腐剤を添加した液体なので、粘度はそのままに防錆防腐能力だけを回復します。

暖房回路では写真のような漏水はありえません・・・イメージだと広い心で許容してください。
機器メーカーの循環液は2~3年で交換
多くの機器メーカーでは循環液の交換目安を2年~3年で設定しています。機器メーカーの循環液をご使用の場合、それに従うのが無難です。ただし、厳密には使用温度、運転時間、配管や放熱器の材料、そして外部環境によって経年劣化に差が出るため、顔が見えているお客様に対して「メーカーが言うから」と機械的な対応をするのは関係が崩れる要因になりかねません。
本来、循環液の交換時期は科学的根拠で導き出すものです
前述の通り、凍結温度はブラインテスターを防錆性能はブラインチェッカ―をそれぞれ使えば、現場でアッという間に液分析ができるのはご存じでしたか?
ベストパーツがオススメしている交換時期は現場ごとに異なります。例えば、暖房シーズンの前にユーザー宅を訪れブラインチェッカ―とブラインテスターを使って点検し、循環液の分析結果をもとにユーザーと話し合い、科学的根拠で導き出した交換時期を設定するというものです。
まとめ
循環液(不凍液)は、凍結防止、腐食防止、菌の抑制を担っています。凍結すると配管破裂リスク、腐食すると漏水リスクがそれぞれ高まりますから不凍液の交換は必須です。(ちなみに菌の抑制が効かなくなると熱量不足になります)
機器メーカーの循環液を注入している現場は、工事説明書に従い2~3年で交換する方が無難です。しかし、ベストパーツのノンウォーター循環液をお使いの場合は、ブラインチェッカ―とブラインテスターを使用して科学的根拠に基づき循環液交換時期を決定することをオススメしています。ユーザー様から信頼され、末長くお付き合いいただけるきっかけになること請け合いです。
なお、公共物件等でエビデンスの提示を求められる場合、ペットボトル1本程度の循環液サンプルをいただければ精密分析を承ります。
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