冷温水による全館空調をカンタン施工で個別空調化する室内温度調整器
循環水の温度は一定でも部屋ごとに温度を調整したい
全館空調の肝となるヒートポンプでは、設定した温度の循環水を作り、各所にある放熱端末に同じ温度の循環水が送水されます。送水された循環水は、パネルラジエータやファンコイルユニットなどの放熱端末を通じて放熱され、室内を温めたり、冷やしたりします。しかし部屋ごとに要求される温度は本来異なるのが普通ではないでしょうか。例えば夏の時期のキッチンは料理をすると熱くなるので強く冷やしたい、反対に寝室は冷えすぎると風邪をひくので少しだけ冷やしたい。そんな悩みを解決することができるの「室内温度調整器(冷暖切替付)品番:RAA41」です。
室内の温度に合わせて熱動弁の開閉を行う「室内温度調整器(冷暖切替付)品番:RAA41」
品番 | 室温設定範囲 | 定格電圧 |
RAA41 | 8~30℃ | AC24~250V |
「室内温度調整器(冷暖切替付)品番:RAA41」は熱動弁と組合わせて循環水の送水を制御し、室内の温度を調整します。「室内温度調整器(冷暖切替付)品番:RAA41」には空気温度センサーが内蔵されており、前面のダイヤルで設定した温度を超えると熱動弁への通電を停止し、熱動弁が閉まり送水を制限する仕組みです。
「室内温度調整器(冷暖切替付)品番:RAA41」の最大の特徴は暖房時と冷房時の切替スイッチがついていることです。暖房時は写真右側のツマミを上に、冷房時は下にあわせます。真ん中は停止です。暖房時は設定温度を超えると通電停止、冷房時は設定温度を下回ると通電停止し、送水を制限します。
ゾーン別に温度調整ができるから快適な室内環境を実現できる
個別に温度調整を行いたい部屋に「室内温度調整器(冷暖切替付)品番:RAA41」を設置し、その部屋に冷温水を搬送する配管上や、ヘッダーに設置されている熱動弁と結線することで、部屋の温度を検知して熱動弁の開閉を行い、室温の制御することができます。各部屋に設置すれば、各部屋ごとに温度調整を行うことができ、ヒートポンプを利用した省エネで快適な室内環境を実現できます。従来では制御盤を別に用意したり、コントローラとは別に冷暖房の切替えスイッチを用意するなど非常に手間のかかる設計、施工が必要でしたが、「室内温度調整器(冷暖切替付)品番:RAA41」を設置するだけで配管系統別に熱動弁のON/OFF制御ができます。
結線イメージ
当然のことですが、部屋ごとに温度調整を行うためには「室内温度調整器(冷暖切替付)品番:RAA41」と熱動弁を結線する必要があります。図1は「室内温度調整器(冷暖切替付)品番:RAA41」の配線図です。
図1ではわかりにくい場合は写真1をご覧ください。
はじめにブレーカーなどから2芯線と熱動弁からの2芯線が配線されていることが前提です。
結線の前に写真右中央の黒いつまみは念のためOFF状態である中段に合わせましょう。
①電源側からの1芯を写真右上の”L接点”に接続します。
②次に負荷側(熱動弁)からの1芯を”Y接点”に接続します。
③電源側1芯と負荷側の1芯を直結して結線は完了です。
まとめ
環境負荷を減らすため、気密断熱性能が高い住宅や施設が一般的となり、これまで部屋やゾーン別にエアコンやストーブ等で空気を直接暖めたり冷やしたりしていたものが、ヒートポンプで作る冷温水を利用して冷暖房を行う全館空調システムに関心を寄せるユーザーが増えています。しかし、個別空調で育った我々日本人は、全館空調であっても個別もしくはゾーン別に温度制御できなければ満足できません。冷温水を利用した全館空調の計画に際しては、個別温度制御で快適な室内環境を実現できる「室内温度調整器(冷暖切替付)品番:RAA41」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
大宮彰大
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