2種類のCH熱動弁を使いこなして本気の温水式システム暖房を実現!

温水式床暖房のヘッダーで多くの熱源機メーカーが採用しているCHヘッダー。さらに後付け熱動弁を使用すれば、本気の温水式システム暖房を利用することができます。本稿では2種類ある「CH熱動弁」の使い方を紹介します。

※この記事は2020年4月2日に公開しましたが、内容を加筆、修正し2021年10月11日に再度公開しました。

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半密閉や開放回路の場合、往き側と戻り側で目的が異なる

密閉回路では気にならない熱動弁の流水方向も、CHヘッダーを使用した床暖房などの半密閉や開放回路では要注意。実は、CHヘッダー用の「CH熱動弁」には、「往き側用」と「戻り側用」の区別があり、それぞれ用途が異なります。仮に逆に接続してしまうと流体抵抗が大きくなり、循環不良や音鳴りなどのトラブルの元になるので注意が必要です。

上階層からの落水を抑える「戻り側用」

エネファーム、ハイブリッド給湯器、そしてエコジョーズの普及で、1Fだけでなく2Fにも床暖房や浴室換気乾燥機などの放熱端末を設置する現場が増えてきました。多くのガス給湯器は半密閉や解放式の暖房回路を採用しているので、暖房運転を停止すると2Fを循環していた循環液が給湯器本体に落水(戻ってくる)します。落ちてきた循環液は、給湯器本体のタンクを満たしドレン口から給湯器の外に放出されます。それを繰り返し徐々に循環液が不足してエラーがでるという現象が発生します。これを防ぐために、「CH熱動弁(戻り側用)」を活用します。床暖房の場合、往き側にはCH熱動弁ヘッダーがついていますが、2Fから戻ってくる回路の戻り側に接続されているCHヘッダーにも「CH熱動弁(戻り側用)」を取り付けます。

これにより、床暖房の運転停止時に往き側熱動弁が閉まると同時に「戻り側用CH熱動弁」も閉めることで上階から給湯器本体への落水を防ぐことができます。

CH熱動弁(戻り側用)

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品番 接続 線径 コード長
NB104 CH 0.75Sq 60cm

送水温度を調整する「往き側用」

給湯器によっては温水回路の出湯温度を1つの温度しか設定できない機種があります。この場合は浴室暖房乾燥機、ファンコンベクターと温水式床暖房の併用はできません。なぜなら、浴室暖房乾燥機、ファンコンベクターは高温(約80℃)が必要ですが床暖房は約60℃以上の温度を必要としないからです。そんなときに使用するのが「CH熱動弁(往き側用)」です。往き側に接続されているCHヘッダーの床暖房回路にだけ「CH熱動弁(往き側用)」を取り付けることで、コントローラからのパルス信号で細かく熱動弁がON/OFFし床暖房の回路に流れる温度を60℃以下になるように運転させることができます。浴室暖房乾燥機、ファンコンベクターの回路には熱動弁は付けずそのまま流すことで高温の80℃の要求に応えることができます。

CH熱動弁(往き側用)

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品番 接続 線径 コード長
NB105 CH 0.75Sq 60cm

まとめ

2種類の「CH熱動弁」を活用すれば、開放式の給湯暖房用熱源機にCHヘッダーを使用した温水式床暖房であっても階上に放熱端末を設置したり、高温が必要な端末と床暖房の併用するなどの本気の温水式暖房システムに拡張できます。

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大宮彰大

営業部所属:ベストパーツ株式会社 2008年入社(36歳) 温水暖房分野を担当し2013年4月完成のベストパーツ株式会社社屋の冷暖房部材選定を行う。 MAIL:omiya.shota@best-parts.jp
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