冷媒 R410A→R32移行術

R410Aは、モントリオール議定書(ギガリ改正)の施行に伴い生産量が削減されR32に移行しています。既にルームエアコン用冷媒はR32が主流となり、業務用エアコンも現時点ではR410Aが主流ですがR32に移行の流れです。今回は部材と工具観点からR32に移行するための方法をご説明します。

新冷媒R32の特性を把握しよう

冷媒名 R32 R410A
冷媒の構成 HFC-32:100% HFC-32:50%+HFC-125:50%
沸点 -56.65 -52.8
オゾン破壊係数
地球温暖化係数 675 2090
燃焼性 微燃 不燃

1987年に「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」の規制対象となったR22の「代替フロン冷媒」として、オゾン層破壊効果のないR410Aが発売されました。しかし、2016年、ルワンダのギガリにて議定書が改定され「代替フロン冷媒については温室効果が高く地球温暖化に影響を与える」という理由で2019年1月から「グリーン冷媒」への移行を計画的に推進することになったのです。残念ながらR32は「代替フロン冷媒」の一つに過ぎませんが、球温暖化計数がR410Aよりは圧倒的に有利という判断で「代替フロン冷媒に代わるグリーン冷媒」が開発されるまでの暫定的なフロン冷媒なのです。

単一冷媒のR32は追加充填ができる

まず、念頭に置きたいのはR32は単一冷媒であり、R410AはR32とR125との2種混合冷媒という点。混合冷媒は冷媒毎に沸点の差があるため、冷媒漏れ等があると1種類だけが多く漏れてしまいます。R410AはR32:R125=5:5である組成が変わる可能性があるため、一度冷媒を完全に抜いてから再充填しなければなりません。それに対して、単一冷媒であるR32は冷媒漏れがあった場合には追加充填できるのです。

単一冷媒でも配管内の水分と沸点が異なるため真空引きは必須

冷媒ガスは沸点が-50℃以下の為、冷媒配管内の空気が残ったままエアコンを使用すると冷媒配管内の空気や不純物が冷やされて凍ってしまい詰まらせたり傷つけたりする可能性があります。よって、単一冷媒であるR32、混合冷媒のR410Aのいずれであっても、必ず真空引き・乾燥を行ってください。なお、真空ポンプは共用できますが、R32の真空引き作業にはオイル逆流防止機能付の真空ポンプであることを確認してからお使いください。

R32は代替フロン冷媒に過ぎずグリーン冷媒は検討中

地球温暖化計数をみるとR32は675で、R410Aの2090と比較し1/3以下の為、地球に優しい冷媒といえますが、実は「代替フロン冷媒」の一つに過ぎず、経済産業省・環境省の資料によると「グリーン冷媒については検討中」とされています。ちなみにカーエアコンに採用されているフロン冷媒の地球温暖化計数は「代替フロン冷媒」R134aが1430に対して「グリーン冷媒」であるR1234yfが1なのです。

微燃性なので空気の流れは必要

R32は微燃性です。とは言え空気の流れがあるところでは、ほぼ燃焼しないという検査結果が報告されています。ただし、R32など冷媒ガスの多くは空気より重く現場の底にたまる恐れがあります。空気の流れが悪い場合は必ず換気装置を運転してください。

工具と部材はココに注意!

R32とR410Aの圧力帯はほぼ同じなので共通して使用できます。ただし、混合冷媒と単一冷媒という違いから一部異なりますのでご注意ください。

工具

マニホールド及びゲージ

シングルゲージマニホールド TA123C-1
真空引きから冷媒充填までホースの継ぎ換えなしで行えます

マニホールドのサービスポート径は5/16フレアでR410Aと共用です。ただしゲージはR32用の圧力温度目盛りの付いたものを使用するか、デジタルゲージを使用してください。

チャージホース

R410A、R32用バルブ付チャージホースのセットです。

口金口径は5/16フレアで、ホースも5.5Mpaと共通です。

チャージホースパッキン

漏れ防止用テーパー加工がしてあります。

R410Aと共用です。

 

チャージバルブとボンベアダプタ

ショートサイズなので、狭い場所でも接続することができます。

シールキャップ付です。

R410Aと共用です。なお、パッキンは耐HFC冷媒冷凍機油素材であることを確認してください。

真空ポンプ

真空ポンプ TA150SB-2S
エアコンの新規取り付けに便利な真空ゲージキットが付属しています。

R410Aと共用ですが、R32の場合はオイル逆流防止機能付きの真空ポンプであることを確認してください。

フレアツール

フレア加工が完了するとハンドルが空回りするクラッチ式です。

R410Aと共用です。

トルクレンチ

トルク精度は+-4%・フレアナットの締め付け不足による冷媒漏れを防止する工具です。

R410Aと共用です。

フロン回収装置

電子式スターターリレーの採用で、スムーズな起動を実現しました。

R410Aと共用です。ただし、回収容器はR32専用としていただく必要があります。万が一、他の冷媒を封入した場合は違法となります。

冷媒計量器

ボンベにゲージマニホールドからのチャージホースを直接取り付けずに済むので、はかりが作業中の影響を受けず、また、精度の高い充填ができます。

R410Aと共用です。なお、単一冷媒のR32はガス、液いずれの状態でも充填できます。

冷媒ガス検知器(リークディテクタ)

R410A、R32、R407C、R404A、R134a、R22、R1234yfに対応しています。

R410Aと共用です。

 

部材

冷媒管

R410Aと共用です。

冷媒用ロー付継手

 

R410Aと共用です。

フレア継手

R410Aと共用です。

ベストパーツオンラインショップ

まとめ

R32は「代替フロン冷媒」に過ぎず「グリーン冷媒」に替わる予定の冷媒です。工具類はR410AからR32に移行するハードルは低く、とりあえずゲージと回収容器だけは買換えていただければR410A用の工具は使えます。しかし、エアコン市場においては代替冷媒候補を検討中であり、恐らく2029年までR32が採用され続けると予測される状況なので、買換えも視野に入れてみてはいかがでしょうか?

  • シェア
  • twitter
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
PAGE TOP
LINE it!