
進化するスリムダクトSD、浮かし工法で外観を美しく
進化するスリムダクトSDを使い倒せ!
以前から非住宅向けに提供されていた「スリムダクトPD」による浮かし工法は、多くの現場で導入されてきました。このブログでは、スリムダクトSDに新たに追加されたパーツと、そのメリットについて詳しくご紹介します。
意匠性が格段に向上する「浮かし工法」
エアコンの配管用ダクトとして広く知られているスリムダクトSDは、目立たないデザインで建物の裏側など、人目につかない場所に多く設置されてきました。しかし、全ての部屋にエアコンを設置する現代では、建物の正面など目立つ場所に配管せざるを得ないケースも増えています。
新たなパーツを追加!
新しい「浮かし工法システム用パーツ」を使えば、冷媒配管と外壁との間に空間を作り、ダクトを自立させることができます。これにより、従来の工法で必要だった見苦しいエルボ(曲がり)を使わずに、スリムダクトSDのラインを一直線に美しく見せることが可能になります。
追加された「浮かし工法システム用パーツ」の仕様
浮かしウォールコーナー(品番:SWU-77-I)
このパーツを使用することで、ダクトを外壁から35mm浮かせて設置できます。エアコン配管の取出しをスマートに収めます。
品番 | 浮かせ高さ |
SWU-77-I | 35mm |
SWU用スペーサー(品番:SWUS-77-I)
新築の場合、下地から外壁までの厚みは計算されておりますが、雨どい同様に現場での微調整は必要になります。新築の現場など、微妙な調整が必要な場合に「SWU用スペーサー(品番:SWUS-77-I)」を重ねて使用することで、正確な離隔距離を確保できます。
厚さは5mmですので、SWU(ウォールコーナー)に1枚使えば合計40mm、2枚で45mm、外壁面から浮かせることができます。
品番 | 調整高さ |
SWUS-77-I | 5mm |
「ダクト架台(品番:SDUD-77-I)」
シンプルな美しさが特長の「SDスリムダクト(品番:SD-77-I)」を浮かせることができる「ダクト架台(品番:SDUD-77-I)」。ガッチリと固定することを重視した設計ですが、ダクトの前面に見えるのは「カバー外れ防止金具(品番:SDUO-77-I)」だけなので、スッキリとした外観を保ちます。
品番 | 浮かせ高さ |
SDUD-77-I | 35mm |
施工方法は、以下の手順です。
- 外壁に「ダクト架台(品番:SDUD-77-I)」の脚部をビス固定
- 切断した「スリムダクトSD(品番:SD-77-I)」のベース板をダクト架台に仮組み
- 溶融亜鉛メッキ鋼板製の内側補強金具を「スリムダクトSD(品番:SD-77-I)」のベース板内側にはめ込む
- 「スリムダクト用配管固定サドル(品番:SL-300)」のSLベースと一緒にビス固定
- ダクト架台の差し込みガイドに「カバー外れ防止金具(品番:SDUO-77-I)」を挿入
「カバー外れ防止金具(品番:SDUO-77-I)」
「ダクト架台」と組み合わせて使用し、ダクトが外れるのを防ぎます。ダクト架台の差し込みガイドに挿入するだけのワンタッチ取付けで、爪を押し込むことにより取外しも可能です。シンプルで細身のデザインが、ダクト全体に統一感をもたらします。
品番 | 色 |
SDUO-77-I | アイボリー |
「パーツ架台(品番:SDUP-77-I)」
「SD端末カバー(品番:SE-77-I)」などのSDダクトのパーツを浮かせる際に使用します。パーツとビスで固定します。高さ調整が必要な時は、「架台スペーサー(品番:SDUS-77-I)」を使用して壁からの離隔距離を調整してください。
品番 | 浮かせ高さ |
SDUP-77-I | 35mm |
「架台スペーサー(品番:SDUS-77-I)」
「ダクト架台(品番:SDUD-77-I)」又は「パーツ架台(品番:SDUP-77-I)」に使用して、壁からの離隔距離を調整してください。厚さは5mmで重ねて使用することができます。
品番 | 調整高さ |
SDUS-77-I | 5mm |
既存住宅にエアコンを追加設置する際も便利
スラブ付近に乗り越えなければならない凹凸がある場合、従来工法では、下図のようにフリーコーナーや段差継手を使用して、段差に沿ってダクトの中の冷媒配管を曲げ加工する必要がありました。

冷媒配管の曲げに追随できる豊富なアイテムが自慢のスリムダクトSDですが、エントランスなどの人目につくところでは意匠的に引っかかるものがありました。
浮かし工法なら、段差部分を気にせず、一直線に室外機までダクトを伸ばすことが可能です。冷媒管の曲げ加工が不要になるため、施工時間も短縮できます。

豊富なアイテムで複雑な配管経路に対応してきたスリムダクトSDですが、今回の浮かし工法システム用パーツを使えば、よりシャープで美しいラインを演出することができます。
まとめ
SDスリムダクトに追加された「浮かし工法」は、意匠性の高い施工を実現します。裏側の人目につかない外壁には従来工法で十分ですが、どうしても人目につきやすい場所への配管が必要な場合は外壁から縁を切り自立した配管をしたいものです。土地に余裕があるなど、境界線が気にならない環境であれば、ぜひ一度試していただきたい工法です!
※本稿は、2020年7月6日に公開しましたが、編集校正し、2025年9月11日に再公開しました。

佐藤 陽子

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