
旧規格と現行規格のポリブテン管どうしを接続する「配管リフォーム用継手」
いまだに旧規格のポリブテン管が残るリフォーム現場
ポリブテン管は当初「JIS規格品」と「ASTM規格品(インチサイズ)」の2種類が販売されていました。しかし、1997年のJIS改訂における管の寸法規格変更で内径が大きく変わり、またASTM規格品は1999年に販売終了となりました。そのため、これら旧規格のポリブテン管で配管されているリフォーム現場において、現在市場で入手可能なポリブテン管用の継手が接続できないという現象が起こる恐れがあります。ポリブテン管で配管されている現場をリフォームする際は、「配管リフォーム用継手」を用意しておくとよいでしょう。
旧規格でも現行規格でも例外なく使用できる

「配管リフォーム用継手(品番:NCRH13JX13A)」旧・現行規格のポリブテン管はもちろんの事、架橋ポリエチレン管のPN15とXM種にも対応しています。ベストパーツオンラインなら、1個から当日出荷可能です。
品番 | 既設管 | 新設管 | 基準価格 |
NCRH13JX13A | PB13(旧・現行規格)
PEX13(PN15 /XM種) |
PB13
(JIS K6778) |
¥1,260 |
NCRH16JX16J | PB16(旧・現行規格) | PB16
(JIS K6778) |
¥2,280 |
NCRH16JX16A | PEX16(PN15/XM種) | ¥2,280 |
配管リフォーム用継手は、既設管がポリブテン管(現行・旧JIS規格)や架橋ポリエチレン管で、新設管として現行規格のポリブテン管を使用する際の変換継手です。既設管が旧規格でも現行規格でも関係なく使用できるので、これさえ持っていればいざという時でも安心してイレギュラーに対応していただけます。
ASTM規格の場合は銅管変換継手を使用する
品番 | 呼び | 銅管呼び | L | 基準価格 |
NCH13JJX15A | 13A | 15.88 | 63.4 | ¥2,090 |
NCH13JX20A | 13A | 22.22 | 64.9 | ¥3,090 |
NCH16JX20A | 16A | 22.22 | 67.1 | ¥3,090 |
インチサイズのASTM規格品からの変換には、銅管用の変換継手が使用可能です。既設管の外径が15.9±0.2㎜だった場合は、「NCH13JJX15A」を、22.2±0.2㎜の場合は「NCH13JX20A」または「NCH16JX20A」をご使用ください。
各規格の寸法
ポリブテン管の規格の判断に必要な工程の1つに、「管の内外径を計測する」というものがあります。それぞれの数値は以下を参考にしてください。
現行JIS規格(1997年改定以降)
呼び径 | 外径 | 厚さ | 内径 | 外径範囲 | 内径範囲 |
10J | 13.0±0.15 | 1.6±0.2 | 9.8±0.25 | 12.85~13.15 | 9.55~10.05 |
13J | 17.0±0.15 | 2.1±0.2 | 12.8±0.25 | 16.85~17.15 | 12.55~13.05 |
16J | 22.0±0.15 | 2.6±0.2 | 16.8±0.25 | 21.85~22.15 | 16.55~17.05 |
20J | 27.0±0.15 | 2.9±0.2 | 21.2±0.25 | 26.85~27.15 | 20.90~21.50 |
旧JIS規格(1997年改定以前)
呼び径 | 外径 | 厚さ | 内径 | 外径範囲 | 内径範囲 |
10J | 13.0±0.2 | 1.5+0.4-0 | 9.6±0.6 | 12.80~13.20 | 9.00~10.20 |
13J | 17.0±0.2 | 2.0+0.4-0 | 12.6±0.6 | 16.80~17.20 | 12.00~13.20 |
16J | 22.0±0.2 | 2.4+0.4-0 | 16.8±0.6 | 21.80~22.20 | 16.20~17.40 |
20J | 27.0±0.25 | 2.4+0.4-0 | 21.8±0.65 | 26.75~27.25 | 21.15~22.45 |
ASTM規格
呼び径 | 外径 | 厚さ | 内径 | 外径範囲 | 内径範囲 |
13A | 15.9±0.2 | 1.6+0.4-0 | 12.7 | 15.7~16.1 | 11.7~12.9 |
18A | 22.2±0.2 | 2.0+0.4-0 | 18.2 | 22.0~22.4 | 17.2~18.4 |
旧規格管の判断方法
管の印字から確認する
ポリブテン管には旧規格も現行規格も同様に製造Lotなどの印字が入っており、その印字から旧・現行規格の判断が可能です。
JIS規格管
JIS規格管は、以下の印字ルールに沿っての判断が可能です。
ASTM規格管
ASTM規格管は、印字のサイズ表示に「A」(例:PL13A…)が入っておりますので目視で判断が可能です。
継手の形状から確認する
管の印字で判断できない場合は、使われている継手の形状で判断することも可能です。ブリヂストンの場合旧規格に対応しているのは「プッシュロック」のみとなりますので、それ以外の継手が付いている場合は現行規格と判断していただけます。また、プッシュロックのキャップ色がブラウンやグレーの場合はASTM規格となりますので、その場合は銅管変換継手を使用してください。
名称 | 継手 | ポリブデン管規格 | 対応方法 |
プッシュロック | キャップ色が「ブラウン」or「グレー」 | ASTM規格管 | 銅管変換継手を使用 |
プッシュロック | キャップ色が「白」 | 旧・現行JIS規格管 | 配管リフォーム用継手を使用 |
プッシュロックⅡ | すべての継手 | 現行JIS管 | 現行の継手を使用 |
プッシュマスター | すべての継手 | 現行JIS管 | 現行の継手を使用 |
まとめ
給湯器などの機器交換作業の際、既設のポリブテン管に手持ちの継手が合わず接続ができなかったという経験はありませんか?それを解決するのがブリヂストンの「配管リフォーム用継手」です。既設管が1997年以前に製造されたものの場合、現行のJIS規格品と公差と肉厚が大きく異なる為一般的な樹脂管用の継手が使用できません。また、旧JIS規格の場合は「配管リフォーム用継手」を、ASTM規格の場合は「銅管変換継手」をご使用いただくと、それぞれを現行JIS規格のポリブデン管に接続することができます。旧規格品が既設管として利用されている現在、配管リフォーム用継手を常備されることをオススメいたします。

佐々木 克仁

最新記事 by 佐々木 克仁 (全て見る)
- SANEIが目指す生活の泉。日常使いの混合栓が美しく、さらに使いやすくリニューアル。 - 2023年6月4日
- 給湯器取替工事の極意は異種管変換にあり - 2023年5月26日
- 給水給湯配管用【塩ビ管】を種類と用途で使い分ける - 2023年5月17日