
圧力計・連成計・真空計の違いを理解して使いこなす
※2019年8月2日に公開した記事ですが、2020年8月17日に商品を追加し、2023年5月11日に校正し直し再度公開しました。
測定できる圧力範囲が違う
冷温水循環回路の漏洩検査や冷媒配管の真空引き、そして冷媒ガスの充填・回収をする際、重要な要素は圧力です。それぞれの特徴を理解して、用途に応じて使いこなすことで精度の高い施工ができます。
圧力計・連成計・真空計の圧力範囲
圧力計・連成計・真空計はそれぞれ測定できる圧力範囲が異なります。
圧力計の圧力範囲は正圧のみ
圧力計は正圧(0MPa以上)側を測定する計器です。万が一、負圧(0MPa以下)になると故障する恐れがあります。
連成計の圧力範囲は負圧から正圧までと広い
連成計は負圧から正圧までを幅広く測定できる計器です。圧力範囲が広い分、目盛が細かくなるのでゲージ外径が大きくないと見えづらいことがあります。
真空計の圧力範囲は負圧のみ
真空計は負圧(0MPa以下)側を測定する計器です。負圧(0MPa以下)に特化しているので、連成計に比べ目盛が大きく見えやすいです。ただし、誤って正圧(0MPa以上)で使用すると故障する恐れがあります。
圧力計・連成計・真空計を使いこなす
作業内容により要求される圧力範囲は異なります。圧力計・連成計・真空計の圧力範囲の違いを理解したうえで選定をしましょう。
冷温水循環回路の漏洩検査には「圧力計」
冷温水循環回路の漏洩検査は正圧(0MPa以上)でしか行われないので「圧力計」を使います。
小型圧力計A形φ50
品番 | 表示部 | 圧力範囲(MPa) | 基準価格 |
PG-50A | φ50 | 0~0.25 | ¥2,300 |
PG-50B | 0~0.6 | ||
PG-50C | 0~1.0 |
小型圧力計A形はゲージ径はΦ50と非常にコンパクトです。圧力範囲に応じて3機種ラインナップしています。接続口がR1/4の場合にお使いください。
小型圧力計A形 CH接続
品番 | 表示部 | 圧力範囲(MPa) | 基準価格 |
PG-50B-CHA | φ50 | 0~0.25 | ¥3,300 |
PG-50B-CHB | 0~0.6 | ¥3,300 |
小型圧力計A型 CH接続はゲージ径がφ50と非常にコンパクトです。圧力範囲に応じて2機種ラインナップしています。接続口がクイックファスナーなのでワンタッチで取り付けできます。
エアコン設置工事・冷媒ガス充填には「連成計」
負圧から正圧までを幅広く測定できる「連成計」はエアコン設置工事、冷媒ガス充填をどちらも行う施工業者様に最適です。冷媒ガス充填では注入圧力を見ることができ、真空引きにも対応します。又、以下の商品は校正証明書も取得可能です。(別途費用)
デジタル連成計
品番 | 適応ガス種 | 表示部 | 圧力範囲(MPa) | 基準価格 |
TA141DG | R32/R410A | φ60 | -0.1~5.0 | ¥15,050 |
「デジタル式連成計(品番:TA141DG)」の圧力範囲はー0.1〜5.0MPa。ゲージ径はΦ60とコンパクトながら、表示が大きい点が魅力です。バックライトを搭載したLCDは、暗所でも見やすく作業がはかどります。IP54相当の防塵・防滴機能を有していますので屋外での作業も苦にしません。
高精度連成計(高圧側)
品番 | 適応ガス種 | 表示部 | 圧力範囲(MPa) | 基準価格 |
TA140GB | R32/R410A | φ80 | -0.1~5.3 | ¥2,380 |
高精度連成計は圧力範囲が広い分だけゲージ径をΦ80にして視認性を確保しています。0点調整ねじがふたの外にある為、ふたを外さずに調整できます。振動吸収機能付きで計測時に針がぶれにくく、数値が読み取りやすくなっています。
高精度連成計(低圧側)
品番 | 適応ガス種 | 表示部 | 圧力範囲(MPa) | 基準価格 |
TA141GB | R32/R410A | φ80 | -0.1~3.8 | ¥2,380 |
TA141GB-1 | -0.1~5.3 |
TA141GB-1は冷暖兼用タイプで-0.1~5.3Mpaまで測定可能です。
エアコンの新規取付なら「真空計」
真空計
品番 | 表示部 | 圧力範囲(MPa) | 基準価格 |
TA142BG | φ68 | -0.1~0 | ¥1,780 |
負圧(0MPa以下)のみ測定する「真空計」は、エアコンの新規取付を行う際に最適です。圧力範囲が-0.1MPa~0.0MPaですから、目盛が大きくとても見やすく、より正確な漏洩検査を行うことができます。
真空ゲージキット
品番 | 表示部 | 圧力範囲(MPa) | 基準価格 |
TA142MK | φ40 | -0.1~0 | ¥9,010 |
まとめ
圧力を測定する計器には圧力計・連成計・真空計の3種類あります。冷温水循環回路の漏洩検査には「小型圧力計 A形(品番:PG-50○)」をお使いください。エアコン設置工事、冷媒ガス充填をどちらも行う方は、「デジタル式連成計(品番:TA141DG)」「高精度圧力計/連成計」、エアコンの取付だけを請負う方には、負圧(0MPa以下)のみ測定する「真空計(品番:TA142○○)」が最適です。圧力計・連成計・真空計の違いを理解して用途に応じて使い分けることで施工の精度向上、スピードアップにつながります。

室橋尚哉

最新記事 by 室橋尚哉 (全て見る)
- 外壁に面していない部屋にもエアコンを設置できる【ドレンポンプ】 - 2023年6月7日
- 透明樹脂のドレン継手やドレン逆止弁を正しく理解し、業務に活用! - 2023年5月31日
- 冷媒管の被覆表面結露を【断熱粘着テープ】で解消できる? - 2023年5月22日