
圧力計・連成計・真空計の違いを理解して使いこなす
※2019年8月2日に公開した記事ですが、製品の情報を追記、修正して2020年8月17日に再度公開しました。
測定できる圧力範囲が違う
冷温水循環回路の漏洩検査や冷媒配管の真空引き、そして冷媒ガスの充填・回収をする際、重要な要素は圧力です。それぞれの特徴を理解して、用途に応じて使いこなすことで精度の高い施工ができます。
圧力計・連成計・真空計の圧力範囲
圧力計・連成計・真空計はそれぞれ測定できる圧力範囲が異なります。
圧力計の圧力範囲は正圧のみ
圧力計は正圧(0MPa以上)側を測定する計器です。万が一、負圧(0MPa以下)になると故障する恐れがあります。
連成計の圧力範囲は負圧から正圧までと広い
連成計は負圧から正圧までを幅広く測定できる計器です。圧力範囲が広い分、目盛が細かくなるのでゲージ外径が大きくないと見えづらいことがあります。
真空計の圧力範囲は負圧のみ
真空計は負圧(0MPa以下)側を測定する計器です。負圧(0MPa以下)に特化しているので、連成計に比べ目盛が大きく見えやすいです。ただし、誤って正圧(0MPa以上)で使用すると故障する恐れがあります。
圧力計・連成計・真空計を使いこなす
作業内容により要求される圧力範囲は異なります。圧力計・連成計・真空計の圧力範囲の違いを理解したうえで選定をしましょう。
冷温水循環回路の漏洩検査には「圧力計」
冷温水循環回路の漏洩検査は正圧(0MPa以上)でしか行われないので「圧力計」を使います。
「圧力計 (ストレート型)(品番:PG-50B)」の圧力範囲は0〜0.6MPa。ゲージ径はΦ50と非常にコンパクトです。接続口がR1/4の場合にお使いください。
品番 | 表示部 | 圧力範囲(MPa) | 基準価格 |
PG-50A | φ50 | 0~0.25 | ¥2,230 |
PG-50B | 0~0.6 | ||
PG-50C | 0~1.0 |
「圧力計 CH取付 (ストレート型)(品番:PG-50B-CHB)」の圧力範囲は0〜0.6Mpa。ゲージ径はΦ50と非常にコンパクトです。接続口がCHなので主に温水暖房回路の漏洩検査にお使いください。
品番 | 表示部 | 圧力範囲(MPa) | 基準価格 |
PG-50B-CHA | φ50 | 0~0.25 | ¥2,800 |
PG-50B-CHB | 0~0.6 | ¥3,000 |
エアコン設置工事・冷媒ガス充填には「連成計」
負圧から正圧までを幅広く測定できる「連成計」はエアコン設置工事、冷媒ガス充填をどちらも行う施工業者様に最適です。冷媒ガス充填では注入圧力を見ることができ、真空引きにも対応します。とりわけ「デジタル式連成計(品番:TA141DG)」は目盛が細かくなる欠点を解消していて好評です。
「デジタル式連成計(品番:TA141DG)」の圧力範囲はー0.1〜5.0MPa。ゲージ径はΦ60とコンパクトながら、表示が大きい点が魅力です。また、バックライトを搭載したLCDは、暗所でも見やすく作業がはかどります。
品番 | 表示部 | 圧力範囲(MPa) | 基準価格 |
PG-50B-CHA | φ68 | -0.1~5.0 | ¥2,800 |
「冷暖兼用連成計(品番:TA141GB-1)」の圧力範囲は-0.1〜5.3MPa。圧力範囲が広い分だけゲージ径をΦ80にして視認性を確保しています。
品番 | 表示部 | 圧力範囲(MPa) | 基準価格 |
TA141GB | φ80 | -0.1~5.3 | ¥2,380 |
TA141GB-1 |
エアコンの新規取付なら「真空計」
負圧(0MPa以下)のみ測定する「真空計」は、エアコンの新規取付を行う際に最適です。圧力範囲が-0.1MPa~0.0MPaですから、目盛が大きくとても見やすく、より正確な漏洩検査を行うことができます。
「真空ゲージキット(品番:TA142MK)」は、真空ポンプとチャージングホースを繋ぐだけで真空引きができます。
品番 | 表示部 | 圧力範囲(MPa) | 基準価格 |
TA142MK | φ40 | -0.1~0 | ¥9,010 |
「真空計(品番:TA142BG)」の圧力範囲は-0.1~0.0MPa。ゲージ取付ネジ径は1/8″NPTです。
品番 | 表示部 | 圧力範囲(MPa) | 基準価格 |
TA142BG | φ68 | -0.1~0 | ¥1,780 |
まとめ
圧力を測定する計器には圧力計・連成計・真空計の3種類あります。冷温水循環回路の漏洩検査には「圧力計 (ストレート型)(品番:PG-50B)」をお使いください。エアコン設置工事、冷媒ガス充填をどちらも行う方は、「デジタル式連成計(品番:TA141DG)」、エアコンの取付だけを請負う方には、負圧(0MPa以下)のみ測定する「真空ゲージキット(品番:TA142MK)」が最適です。圧力計・連成計・真空計の違いを理解して用途に応じて使い分けることで施工の精度向上、スピードアップにつながります。

室橋尚哉

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