
メーカー純正給排気筒同様の抜け防止ロック機構付「SEP方式給排気筒」
NKP方式とSEP方式は同じロック機構
ガス機器メーカー純正品のNKP方式(東京ガスリノベーション社)と同じロック機構をもつSEP方式(綜合器材社)との間には、当然ながら互換性があります。その上、SEP方式なら寒冷地における施工検証や実例が豊富なので、ロック機構のみならず気密性や水密性といった寒冷地ならではの課題解決にも取り組んでいます。
SEP方式のメリット総ざらい
耐食性が高く、自重、風圧、振動に十分耐え、凝縮水がたまりにくく、接続部が容易に外れないという特徴は、ガス事業法施行規則で定められており、ガス消費機器用の給排気筒のほとんどに備わっています。
それでは、業界最新モデルのSEP方式には他にどのようなメリットがあるのでしょうか?
溶接線の腐食を未然に防ぐSEP方式
「SUS304製の給排気筒が腐食してしまった」という事態は、何とか避けたいものです。そんな事態を未然に防ぐには、日頃からステンレスの溶接線を上に向けて酸性に傾く凝縮水に触れにくいよう施工するに限ります。
しかし、給排気筒を横引配管する現場は天井裏が多く、溶接線を目視で見つけるのは至難の業。「SEP方式」を使うと、誰でも溶接線を上にして施工できるようになるのです。なぜなら、SEP方式の給排気筒の受口側に貼付されている通称「レッドライン」を下側になるように取付けるだけで、ステンレスの溶接線が上にきてくれる仕様になっているからです。
メーカー純正品と同じロック機構
繰り返しになりますが、ロック機構は純正NKP方式とSEP方式に共通したメリットです。接続部が容易に外れないようにするロック機構は、挿入するだけでロックがかかり、ロックを解除する時は着脱ピンを故意にスライドさせないと抜けない仕様です。かつては当たり前にあったリベットやシール剤を使いませんので、施工時間の短縮になります。
フッ素Oリングで水密性を確保
エコジョーズ化が進み、従来200℃あった排気温度が50℃に低下したため、排気の流速が落ち凝縮水が従来より多く発生しています。これによって、従来、排気漏れを防ぐ気密性に対する要求仕様を満たせば事足りていたのが、「凝縮水の漏水を防ぐ水密性」も要求仕様に含まれるようになってきました。外気温が低く凝縮水の発生量が多いうえ、凍結の恐れもある寒冷地において高いシェアをもつSEP方式は、フッ素Oリングを採用して排気筒どおしの接続部の水密性を確保しているのです。
SEPの採用を検討しよう!
これまでご説明させていただいた通り、SEP方式とNKP方式は共通仕様です。その範囲は、ロック機構だけにとどまらず、ガス消費機器と給排気トップのストッパービード寸法やOリングビード寸法に至るまでと広く、安心してご利用いただけます。その上、SEP方式は全品番1本から調達できるため、排気延長部分だけを必要とする場合でも有効です。
φ100、φ80シングル管のSEP方式給排気筒のラインナップ
エコジョーズに用いられることが多いφ100とφ80は排気側の水密性を確保するためSEP方式を採用しています。純正品と異なる長さが豊富にそろっている点が魅力で、特に短管や短いスライド管は高い評価をいただいております。なお、ここにはラインナップを掲載しておりませんが、SKP方式を継続しているφ60シングル管であっても純正品とストッパービード寸法やOリングビード寸法に違いはありません。
SEP直管
商品コード | 有効長 | 商品コード |
φ80 | φ100 | |
SEP86 | 600 | SEP106 |
SEP89 | 900 | SEP109 |
SEP812 | 1200 | SEP1012 |
– | 1800 | SEP1018 |
SEPスライド管
商品コード | 有効長 | 商品コード |
φ80 | φ100 | |
SEP8SS | 120~145 | ー |
SEP8S1 | 145~185 | SEP10S1 |
SEP8S2 | 180~250 | SEP10S2 |
SEP8S3 | 250~350 | SEP10S3 |
SEP8S4 | 350~550 | SEP10S4 |
SEP8S7 | 550~950 | SEP10S7 |
SEPフレキ管
品 番 | 有効長 | 商品コード |
SEP10F | 450 | SEP8F |
SEP90°エルボ
商品コード |
|
φ80 | φ100 |
SEP8E | SEP10E |
SEP45°エルボ
商品コード |
|
φ80 | φ100 |
SEP8E4 | SEP10E4 |
SEPトール90°エルボ
商品コード |
|
φ80 | φ100 |
SEP8TE | SEP10TE |
SEPトール45°エルボ
商品コード |
|
φ80 | φ100 |
SEP8TE4 | SEP10TE4 |
まとめ
ガス給湯器の給排気筒は、過去にはガス消費機器による事故件数が最も多いとされる一酸化炭素中毒を未然に防ぐために欠かせない重要な部材でしたが、今ではそれ以外にもメリットがあります。市場調達できる給排気筒のロック機構のうち、SEP方式とNKP方式はガス消費機器メーカーや寒冷地の大手都市ガス会社などの施工検証を受けている純正と同じ仕様です。中でもSEP方式は、寒冷地における凝縮水の漏水事故を防ぐためにOリングの形状を変更して水密性を向上しています。ぜひ、気密性が高くなっている新築住宅にはSEP方式の給排気筒をご採用ください。
※この記事は2019年9月4日に公開した記事ですが、修正して2025年6月9日に再公開しました。

佐々木瞭

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