ヒューズガス栓の「ON・OFF」と「リターン式」はどう違う?
末端で使うヒューズガス栓の安全機構は2種類ある

赤枠で表示しているヒューズガス栓をご紹介します。
ガスコンロ、ガスストーブ、ガス炊飯器など、ユーザー様が日頃から使用する燃焼機器の近くに設置されているのがヒューズガス栓です。ユーザーが触れる機会の多いヒューズガス栓は、大きく分けると「ON・OFFヒューズガス栓」、「リターン式ヒューズガス栓」、「LA(LB)型ヒューズ&可とう管ガス栓」、「ガスコンセント」に区別されます。その中でもつまみを押し回してガスを流す「ヒューズガス栓」にフォーカスして説明します。
中間開閉時のガス漏れ防止方法が違う
ON・OFF式は、多くのメーカーで採用されているヒューズガス栓の基本構造です。最大の特徴は、つまみが完全に“全開”にならない限り、ガスが流れない点です。
この機能はヒューズガス栓のつまみが全閉か全開でなければガスを流さないので、例えば大地震で何かが飛んできてぶつかったとしてもガスが流れることを防ぎます。
「ON・OFF式」ガスが供給されるのは全開の時だけ
「ON・OFF式」は、つまみが中途半端に開いている状態(中間開栓)ではガスが一切供給されない仕組みです。この「ON・OFF式」は藤井合金製作所、光陽産業、伊藤鉄工など、主要メーカーが採用している信頼性の高い方式です。お子様のイタズラや閉め忘れ、地震などによる衝撃でつまみが少しだけ動いた場合でも、ガス漏れを防止できるため非常に安心です。
| 品 番 | 形状 | メーカー | 接続口径 | |
| 入口側 | 出口側 | |||
| G015ZU-12P | LB一口 | 光陽産業 | Rc1/2(自在) | φ9.5ホースエンド(自在) |
| G015AZU-12P | コンセント(自在) | |||
| G013Z-12P | LA一口 | Rc1/2 | φ9.5ホースエンド(自在) | |
| G025ZU-12P | LB二口 | Rc1/2(自在) | φ9.5ホースエンド(自在) | |
| G025AZU-12P | コンセント(自在) | |||
| G023Z-12P | LA二口 | Rc1/2 | φ9.5ホースエンド(自在) | |
| FV022U-L | LB一口 | 藤井合金 | Rc1/2 | φ9.5ホースエンド(自在) |
| FV023U-L | コンセント(自在) | |||
| FV024U-L | LA一口 | φ9.5ホースエンド | ||
| FV624A-L | コンセント | |||
| FV292U-L | LB二口 | φ9.5ホースエンド(自在) | ||
| PL-2FOC | LB一口 | 伊藤鉄工 |
Rc1/2 |
コンセント(自在) |
| PL-6FOC | LA一口 | コンセント(自在) | ||
| GPL-8FO | LA二口 | Rc1/2(自在) | φ9.5ホースエンド(自在) | |
「リターン式」手を離すと自動で全閉に戻る
一方、「リターン式」は、つまみを回して開栓している最中に手を離すと、内部に内蔵された“リターンバネ”が働き、自動的に全閉の位置に戻る仕組みです。この「リターン式」を採用している代表的なメーカーがUTICブランドで知られる高橋産業です。「ON・OFF」に比べて製造コストが安価な点と、手を離せば勝手に閉まる構造なので、「つまみを完全に閉める動作」に力が弱くても操作しやすいという利点があります。
| 品 番 | 形状 | メーカー | 接続口径 | |
| 入口側 | 出口側 | |||
| UTIC-103H | LB一口 | 高橋産業(UTIC) | Rc1/2(自在) | φ9.5ホースエンド(自在) |
| UTIC-101H | Rc1/2 | φ9.5ホースエンド(自在) | ||
| UTIC-101C | Rc1/2 | コンセント(自在) | ||
| UTIC-102H | LA一口 | Rc1/2 | φ9.5ホースエンド(自在) | |
| UTIC-102C | Rc1/2 | コンセント(自在) | ||
| UTIC-203H | LB二口 | Rc1/2(自在) | φ9.5ホースエンド(自在) | |
| UTIC-201H | Rc1/2 | φ9.5ホースエンド(自在) | ||
| UTIC-201C | Rc1/2 | コンセント(自在) | ||
| UTIC-202H | LA二口 | Rc1/2 | φ9.5ホースエンド(自在) | |
| UTIC-202C | Rc1/2 | コンセント(自在) | ||
使用しないガス栓には「ガス栓誤操作防止カバー」を
オススメはコストパフォーマンスに優れたUTIC製
ヒューズガス栓そのものは衝撃では開栓しませんが、いたずらや誤操作対策として、使用していないガス栓には「ガス栓誤操作防止カバー」の取付けが推奨されています。
特に、二口タイプのヒューズガス栓で片方しか使用していない場合や、保安検査での指摘を避けたい現場で「ガス栓誤操作防止カバー」の装着は有効です(地域や自治体によって異なりますが、保安検査で指摘されるポイントとして挙げられています)。
| 品 番 | 適 合 | 入数(個) |
| UTIC-GSC-1 | ホースガス栓つまみ全般 |
100 |
| CM-21 | 500 | |
| CM-20Y | 外径φ34までのガス栓つまみ | 100 |
まとめ
ヒューズガス栓は「安全なガスの使用」を支える重要な部品です。ON・OFF式は、つまみが全開にならなければガスが流れない高い安全性が魅力。一方、リターン式は操作のしやすさとコスト面で優れています。
双方にそれぞれ違ったメリットがありますので、実際にガス栓をお使いになるユーザー様の家族構成やライフスタイルに合わせたヒューズガス栓の選定をしてみて下さい。
なお、誤操作やいたずら防止のために、使用しない「ヒューズガス栓」のつまみには「ガス栓誤操作防止カバー」をつけることをオススメします。
※この記事は2018年10月に初回公開した記事ですが、修正、商品の追加を重ねて、2025年8月に改めて公開いたしました。
永井達也
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