操作性と効果を兼ね備えた!蓄圧式消火器の選定とメリット

集合住宅や非住宅、その他多くの防火対象場所では、消火器の設置が義務付けられています。業者としては、顧客の安全を守るために最適な消火器を選ぶ責任があります。しかし、消火器には多種多様な種類があり、火災の種類ごとに最適なものが異なるため、選定は複雑です。本記事では、業者の皆様に特におすすめしたい、効果的で操作性に優れた蓄圧式消火器について詳しく解説します。

お年寄りや女性でも簡単操作「蓄圧式消火器」の特長

消火器にはさまざまな種類がありますが、蓄圧式消火器は特に操作性に優れています。従来の加圧式消火器は、内部に加圧用の小型ガス容器を内蔵しており、レバーを引く際に圧力がかかります。このため、握力の弱いお年寄りや女性にとっては扱いにくいという欠点がありました。一方、蓄圧式消火器は容器内に予めガスを蓄圧しているため、レバーが軽く、扱いやすいのが特長です。

蓄圧式消火器の利点

図1:ガス加圧式と蓄圧式の比較図

指示圧力計の有用性

蓄圧式消火器の大きな利点の一つは、指示圧力計が装備されていることです。これにより、消火器内のガスの圧力を一目で確認でき、安全に使用できるかどうかが分かります。指示圧力計は、消火器が正しい圧力範囲内にあるかを示し、使用前に圧力が不足している場合には適切な対策を取ることができます。これにより、いざという時に消火器が正常に機能しないリスクを大幅に減少させます。さらに、指示圧力計があることで、定期的な点検が容易になります。業者や施設管理者は、定期的に圧力計をチェックすることで、消火器のメンテナンス状況を簡単に把握でき、必要に応じて早期に対処することが可能です。このように、蓄圧式消火器は使用者の安心感を高め、メンテナンスの効率化にも貢献します。

左:日本ドライケミカル社製、右:ヤマトプロテック社製。どちらのメーカーの製品も、圧力ゲージによる目視確認が可能。常に適正な圧力が保たれているか、一目で確かめることができます。

加圧式消火器に比べて放射距離が長い

放射距離の長さとそのメリット

蓄圧式消火器は、同等の加圧式消火器と比較して放射距離が約1m長いことが実証されています。これにより、火元から離れた場所からでも効果的に消火活動を行うことが可能となります。

消火器仕様 加圧式(薬剤質量 6.0kg) 蓄圧式(薬剤質量 6.0kg)
放射距離(20℃) 3~6m 4~7m
放射時間(20型で比較) 約22秒 約20秒

消火器の種類と選定のポイント

火災にはいくつかの種類があり、それぞれに適した消火器を選ぶことが重要です。特に、以下の三つの火災に対して適切な消火器を選定する必要があります。

A. 普通火災:紙や木材などの固体燃料が燃える火災。

B. 油火災:ガソリンや油などの液体燃料が燃える火災。

C. 電気火災:電気機器や配線が燃える火災。

これら三つの火災すべてに対応できる「粉末ABC消火器」です。このタイプの消火器は、多様な火災に対して効果的に消火できるため、非常に便利で使いやすいです。

左:日本ドライケミカル社製(品番:PAN-10WXEI)、右:ヤマトプロテック社製(品番:YA-10NX)。どちらのメーカーも木材、紙、繊維が燃えるA(普通)火災、B(油)火災、C(電気)火災やガス火災などあらゆる火災を瞬時に消火するモデル。

蓄圧式消火器の商品紹介

蓄圧式消火器の魅力は、取り扱いが簡単で多機能なことです。日常的な点検が手軽にできることはもちろん、A(普通)火災、B(油)火災、C(電気)火災のすべてに素早く対応できる点も大きな特長です。

また、環境にも配慮されています。消火器には前払いの有料リサイクルシールが最初から貼られているため、将来廃棄する際に追加のリサイクル費用がかかりません。

さらに、この蓄圧式消火器の設計標準使用期限は10年です。長期間にわたり、安心してご使用いただけることが保証されています。

ヤマトプロテック社の粉末(ABC)業務用消火器

ヤマトプロテック社製の粉末(ABC)業務用消火器は、6型、10型、20型の3種類取り扱っており、ご注文を受けてから翌々日には出荷いたします。

品番 仕様 薬剤量 材質
YA-6NX 蓄圧式 2.0kg
YA-10NX 蓄圧式 3.0kg
YA-20X 蓄圧式 6.0㎏
日本ドライケミカル社製の粉末(ABC)業務用消火器

日本ドライケミカル社製の粉末(ABC)業務用消火器は、10型を取り扱っており、ご注文を受けてから翌日には出荷いたします。

品番 仕様 薬剤量 材質
PAN-10WXEI 蓄圧式 3.0kg 鋼製

消火器の設置基準について

防火対象物や特定防火対象物に消火器を設置する際の基準は、消防関係法令で細かく定められていますが、概ね消火器メーカー各社が作成している「消火器設置基準早見表」※1の通りです。

※1 能美防災株式会社様によって作成された資料

まとめ

これまで多くの場所で採用されていた加圧式消火器には、レバーが固い、湿気で放射不能になるなどの課題がありました。しかし、蓄圧式消火器はこれらの問題を克服しています。操作が簡単で、誰でも扱いやすく、湿気にも強い構造です。さらに、指示圧力計が付いているため、常に使用可能な状態を確認できます。業者として蓄圧式消火器のメリットをアピールすることで、顧客の信頼を得られるでしょう。
※この記事は2023年10月27日に公開した内容に新商材を加えて校正し直し、2024年6月25日に再度公開しました。

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