10mから切って使える!高耐候で無駄知らずの「ロングフレキ用保温材」

給湯器は通常、日当たりの少ない北側に設置されますが、場合によっては強い日差しの下に置くことが避けられません。このような環境では、従来の保温材やキャンバステープは風雨や紫外線の影響で劣化が早まり、見た目はもちろん、保温性能も低下してしまうことが一般的です。そこで、屋外の厳しい環境でも確実に対応できるロングフレキ用保温材をご紹介いたします。

巻フレキにジャストフィット

一般的な保温材は多くが全長1~2mの直筒型で、配管の長さに応じてカットや継ぎ足しを行う必要が出てきます。それに比べ、このロングフレキ用保温材は、巻フレキと同じ長さの10メートルという長尺を持ち合わせています。これにより、保温材同士の継ぎ足しをせずに、一貫して使用できるためムダなく使い切ることが可能です。

「ロングフレキ用保温材」の重要性

給湯器の交換時期まで持続する耐候性被覆

耐候性のない保温材は紫外線や風雨で劣化し、凍結や管の劣化を引き起こします。

近年、気候変動により激しい季節の変動や異常気象が増えてきました。これにより、屋外に設置される給湯器やその配管は、従来よりも厳しい環境下での性能維持が求められるようになってきました。給湯器の交換サイクルは通常約10年が目安とされています。この期間中、保温材がしっかりと機能しなければ、エネルギーの無駄や給湯器への負担が増える可能性があります。

ここでロングフレキ用保温材が果たす役割が極めて重要です。この保温材は、高い耐候性を持つ特別な表皮フィルムを使用しています。このフィルムの採用により、風雨や紫外線などの厳しい環境条件でも保温性能を確実に維持することが可能となります。結果として、給湯器の寿命全体を通じて一定の保温性能を保持することができ、エネルギー効率の低下を防ぐことが期待できます。

施工の簡易性と美観

保温材の施工において、最も難しい部分は曲がり部分の美しい仕上げです。特にソフトタイプの保温材の場合、曲がり部分を現場で手作業で加工する必要があります。これは、技術者にとっても熟練が求められる作業で、保温材のシワが目立ってしまいがちです。そのため、スチロールカバーなどの硬質の保温材では、この曲がり部専用のエルボ継手が必要となる場合も多くあります。

しかし、ロングフレキ用保温材はその点で独自の特長を持っています。表皮はエンボス仕上げとなっており、このエンボスパターンはエアコンの冷媒管に似た凹凸を持っています。そのため、曲げた際にもシワが目立ちにくく、エルボ継手を使用せずとも美しい仕上がりを実現します。このエンボス仕上げのおかげで、施工の簡易性が大幅に向上し、技術者の負担も軽減されます。

施工のポイント

ロングフレキ用保温材は、耐候性や保温性能を維持するために背割れ加工が施されていませんので、あらかじめ保温材にパイプを挿入する必要があります。

ポイント1:フレキの挿入はツバ出し前に行うこと

作業上のポイントとして、カットした巻フレキはツバ出し加工前に保温材に挿入してください。片側のツバ出し加工のみなら問題ありませんが、両端を加工した後に挿入しようとすると、ナットが障害となり、スムーズに挿入できません。この点を特に注意して作業を進めてください。

※画像と製品の色は異なります

ポイント2:便利な施工のため、保温材の両端には切り込みを

ロングフレキ用保温材の両端に、カッターナイフを使い最小限の切り込みを施してください。次に、ツバ出しの作業のため、保温材をベロンとめくってください。その後、ナットパッキンを取り付け、保温材を元の位置に戻します。最後に、高耐候テープで巻き上げるか、屋外用結束バンドで固定してください。この方法で施工することで、継手部分も保温材でしっかりと覆い、放熱や凍結を効果的に抑制することが可能です。

保温材に継手が入る最小限の切込みを入れるのがポイントです。※画像と製品の色は異なります

ポイント3:継手と切り込み部の保護には高耐候テープを使用

切り込み部を一度ビニールテープで仮固定した後、保温材に高耐候テープを巻き付けて保護してください。継手部が露出した場合は、高耐候テープで保温材とともに保護することで、放熱ロスや結露の防止が期待できます。冬期や気温が低いときはテープの粘着力が低下する恐れがあり、切り込み部が開く可能性があるため、屋外用の結束バンドを使い固定することを推奨します。

「高耐候テープ(品番:EWD-5010)」1巻から当日出荷可能です。

ポイント4:凍結防止には細い発熱体の「GSLタイプ」を選ぶ

凍結防止ヒーターの使用が必要な場合、細い発熱体線径を持つGSLタイプを推奨します。このタイプは樹脂管用として販売されていますが、自己制御機能とヒューズが組み込まれているため、巻フレキにも安全に利用できます。GSLヒーターの過去記事はこちらからご覧いただけます。

発熱体の断面が3.6㎜×5.6㎜と非常に細いGSLヒーターは、保温材に挿入する際に有利です。(写真は3mタイプ)

商品の詳細と選択のガイダンス

巻フレキの外径φ16と外径φ20に合わせた2種類のロングフレキ用保温材をラインナップしております。

品番 内径 外径 長さ 適合管外径 基準価格
RFH10 18㎜ 38㎜ 10m φ16.0~16.8 ¥3,520
RFH20 22㎜ 44㎜ 10m φ20.0 ¥5,940

10mの巻フレキとの組合せパターン

下表のとおり、外径φ16.0とφ16.8の巻フレキは内径18㎜のタイプを、外径φ20.0は内径22㎜の保温材をそれぞれ選定してください。

巻フレキ外径 巻フレキ品番 保温材品番 保温材内径
φ16.0 SK13L-10B RFH10 18㎜
φ16.8 SK13L-10C RFH10 18㎜
φ20.0 SK20L-10B RFH20 22㎜

まとめ

日差しが強い場所で給湯器を設置する際、通常の保温材やキャンバステープは劣化しやすく、見た目や保温性能が低下するリスクが高まります。これを解消するため、特に屋外の過酷な環境を考慮したロングフレキ用保温材を提供しています。この保温材は10メートルの長さがあり、継ぎ足しが不要なのが特長です。高耐候性のフィルムを使用しているため、給湯器の寿命を通じて安定した保温性能が保たれるのはもちろん、施工の容易さや美観も配慮されています。ラインナップには、ステンレスフレキシブル管φ16およびφ16.8にピッタリな内径18㎜タイプと、同じくφ20にピッタリ内径22㎜タイプの2種類があり、適合する管の外径に応じてお選びいただけます。

※2022年7月8日に公開された記事の内容を修正し、2023年11月1日に再公開いたしました。
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佐々木 克仁

佐々木 克仁

2001年ベストパーツ株式会社(旧東北綜合器材株式会社)入社。2002年より営業職。分類は給水給湯を担当。1976年生まれ。
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