電線保護にはVE管とPF管、どちらがベスト?特性と用途を徹底比較
可とう性と耐候性のバランス:VE管とPF管の重要な違い
PF管とVE管の最も顕著な違いは、その可とう性と耐候性にあります。直線的な形状のVE管は、2mの長さで販売され、その堅牢さが特徴です。これに対して、PF管は50mの巻物として提供され、その柔軟性により様々な形状に曲げて配管が可能です。未来工業から提供されるVE管は、高い耐候性と耐衝撃性を備えており、屋外での使用にも適しています。しかし、PF管のミラフレキSSは屋内外での使用が可能なものの、常時強い紫外線に晒される環境には適していません。そのような条件下では、より耐久性の高いVE管や、複層構造のPF管ミラフレキMFを選択することが推奨されます。
耐候性と美観性に優れたVE管
VE管は硬質ビニル製の電線管で、その特徴は可とう性を持たないことです。この直線的な形状は、配管を整然と直線に引きたい場合に理想的です。対照的に、PF管は柔軟性があり、曲線的な配管が可能ですが、VE管の直線性は特に住宅の外壁のような露出部分での使用に適しています。VE管の美観は、外壁を這う配管に洗練された印象を与え、さらに高い耐候性により、厳しい気象条件下でも信頼性を保ちます。継手の接続には専用の接着剤が使用され、確実で長持ちする取り付けが可能です。
サイズ | 色 | ||||||
ベージュ | グレー | ミルキーホワイト | ライトブラウン | ブラック | チョコレート | 基準価格 | |
14 | VE-14J2 | ‐ | ‐ | ‐ | ‐ | ‐ | ¥350 |
16 | VE-16J2 | VE-16G2 | VE-16M2 | VE-16LB2 | VE-16K2 | VE-16T2 | ¥460 |
22 | VE-22J2 | VE-22G2 | VE-22M2 | VE-22LB2 | VE-22K2 | VE-22T2 | ¥510 |
28 | VE-28J2 | VE-28G2 | VE-28M2 | VE-28LB2 | VE-28K2 | VE-28T2 | ¥990 |
隠ぺい部や埋設に最適なPF管:ミラフレキSS
PF管のミラフレキSSはその可とう性により、隠ぺい部や埋設に特に適しています。このタイプのPF管は耐候性も備えており、屋外での使用が可能です。ただし、長時間直射日光に晒される環境では、経年劣化が進みやすいため、日影の多い場所や、直射日光を避けるための設置場所の選定が重要です。特に、埋設の際や、日差しの少ない北向きの外壁での使用が推奨されます。PF管は50m単位で提供されており、必要な長さに応じてカットすることができます。この柔軟性と経済性は、多様な設置環境におけるPF管の利点を強調します。
サイズ | 色 | 基準価格 | |
ベージュ | ミルキーホワイト | ||
14 | MFS-14J | ー | ¥6,600 |
16 | MFS-16J | MFS-16M | ¥6,400 |
22 | MFS-22J | MFS-22M | ¥8,900 |
28 | MFS-28J | MFS-28M | ¥6,900 |
36 | MFS-36J | MFS-36M | ¥13,100 |
紫外線に強いPF管:ミラフレキMF
紫外線に強く耐えることが求められる環境では、PF管でもミラフレキMFが最適な選択肢です。この管は、ミラフレキSSの単層構造に対し、内外の二層構造を採用しており、その結果として顕著な耐候性を実現しています。特に、ブラックカラーのモデルは耐候性が非常に高く、太陽光発電設備や防犯カメラなど、長時間直射日光にさらされる東向きや南向きの設置に最適です。このPF管の耐久性は、紫外線の強い地域や、長期にわたる厳しい環境での使用に特に推奨されます
サイズ | 色 | 基準価格 | |
ベージュ | ブラック | ||
16 | MF-16J | MF-16K | ¥10,500 |
22 | MF-22J | MF-22K | ¥15,900 |
28 | MF-28J | MF-28K | ¥12,500 |
36 | MF-36J | MF-36K | ¥14,500 |
VE管とPF管の施工性比較
施工のしやすさを考慮すると、PF管とVE管には顕著な違いがあります。PF管は巻物として提供され、必要に応じて任意の長さにカットし、柔軟な配管が可能です。継手はワンタッチ接続が可能で、設置が容易という利点があります。対照的に、VE管は直線的な形状が特徴ですが、最近では施工性を向上させるための様々な改良が加えられています。VE管フレキやフレキシブルベンドのような可とう性のある部材により、VE管の配管作業も柔軟性が向上しています。
PF管とVE管の組み合わせとコンビネーションカップリング
さらに、PF管とVE管を組み合わせて使用するためのコンビネーションカップリングも登場しています。これにより、両タイプの管をつなぎ合わせることが可能になり、現場の条件に合わせたより自由度の高い配管が実現します。このコンビネーションカップリングは、異なる特性を持つ両管材を最適に活用するための重要な役割を果たし、柔軟かつ効率的な配管の選択肢を提供します。具体的な例として、以下に「コンビネーションカップリング(Gタイプ)」の画像と詳細な情報を掲載しています。
コンビネーションカップリング(Gタイプ)
サイズ | 色 | PF管 | VE管 | 基準価格 | |
ベージュ | ミルキーホワイト | ||||
14 | MFSVE-14GJ | ー | 14 | 14 | ¥80 |
16 | MFSVE-16GJ | MFSVE-16GM | 16 | 16 | ¥80 |
22 | MFSVE-22GJ | MFSVE-22GM | 22 | 22 | ¥100 |
28 | MFSVE-28GJ | MFSVE-28GM | 28 | 28 | ¥190 |
36 | MFSVE-36GJ | MFSVE-36GM | 36 | 36 | ¥320 |
コスト比較 – どちらがコストパフォーマンスに優れるか?
コスト面での比較を行うと、VE管とPF管の価格構造には顕著な違いがあります。VE管は一般的に2m単位で販売されており、たとえばサイズ14のVE管2mが350円の場合、単価は1mあたり175円となります。対照的に、PF管は50m巻きで提供され、例えば50mで6,600円の場合、1mあたりの単価は132円になります。このように、単位長さあたりの価格を比較すると、PF管の方が経済的であることがわかります。したがって、長さに応じたコストを考慮すると、PF管はVE管に比べてコストパフォーマンスが高いと言えます。
品 番 | 全長 | 単価/m | 基準価格 |
VE-14J2 | 2m | ¥175 | ¥350 |
MFS-14J | 50m | ¥132 | ¥6,600 |
まとめ
本記事では、電線保護に使用するVE管とPF管の特性と適用について詳しく解説しました。外壁に配線する際には、耐候性と美観性を兼ね備えたVE管が適しています。隠ぺい部や埋設には、コスト効率と施工性に優れたPF管のミラフレキSSが最適です。また、絶えず紫外線に晒される環境では、耐候性の高いPF管のミラフレキMFが推奨されます。施工性の面では、PF管の柔軟性とコンビネーションカップリングによる組み合わせの可能性が、さまざまな設置条件に対応します。最後に、コスト比較ではPF管がVE管に比べて経済的であることが明らかになりました。これらの情報を踏まえ、プロジェクトのニーズに応じて最適な電線保護材を選定してください。
※この記事は2019年5月24日に公開されましたが、校正し直し2022年12月27日、2023年12月20日に再度公開しました。
佐々木瞭
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