まだまだ知りたい!アース棒の素朴な疑問

アース棒には丸型とS型の2種類があります。絶縁抵抗は値が大きい程安全ですが、接地抵抗(アース線と大地の間での電気の流れ難さ)は値が小さいほど、漏電などの事故時に安全です。そもそも、アース棒とはなにか、形状で何が違うのか?どうやって使うのか。本稿では、アース棒に関する素朴な疑問にお答えします。

※2019年2月1日に公開した記事ですが、アース棒の丸型とS型の違いについて追記、その他の部分も修正して2020年6月17日に再度公開しました。

電流を大地に放出させるアース(接地)

地球=大地に電流を流し、感電や漏電といった事故を防ぐ役割を担うのがアース(接地)。アースの部材は、地中に埋める「接地極」と呼ばれる銅板や銅棒と、接地極で電気機器をつなぐ「接地線」と呼ばれる緑色の電線で構成されます。それらのサイズ選定は、接地抵抗値によって決定します。

アース棒(接地極)の役割はなにか?

アース棒とは、電気を地面に流れるようにするために地中に打ち込むを部材を指します。電気を大地に逃すアース棒の役割は、先述の感電漏電の事故を防ぐ以外にも、静電気防止避雷針ノイズ対策があります。

アース棒の形状と長さの決定要因

アース棒の形状と長さは大地の土質や温度、含水率で決定されます。

接地抵抗 小さい やや小さい やや大きい 大きい
土 質 沼地 粘土質 砂地 岩盤
温 度 高温 低温
含水率 高い 低い

長さと凍結深度の関係

接地抵抗は小さいほど良いので、アース棒は岩盤や砂地を避け、なるべく含水率が高いところに深く埋設するようにしてください。特に寒冷地では、凍結深度より深いところまで届く長さのアース棒を選定することが肝要ですので、不凍水栓柱と同じ深さは最低限必要です。

形状と土質の関係

アース工事をしよう!と部材を探した際に、丸型とS型の2種類あって何が違うの?と疑問に思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。同じ長さのアース棒であれば、表面積が大きいS型の方が接地抵抗は小さくなります。

断面をS型に加工することで接地抵抗値を抑えられる

「アース棒(S型)(品番:SM-30)」はS板に緑IV1.6mm×2.5mのアース線が連結されています。

S型は画像の通り断面がS型になっているので銅の表面積が大きく、接地抵抗値を抑えることができます。給湯器、エアコン等の300V以下の設備のアースでしたらD種接地工事に該当するので、接地抵抗値を100Ω以下に抑える程度で良いため丸形で十分ですが、土質によっては表面積の大きいS型が有効です。

設置工事種類 接地抵抗値 該当機器
A種 10Ω以下 高圧用機械器具
B種 計算値以下(※1) 高圧と低圧の変圧器
C種 10Ω以下(※2) 300V以上の低圧用機械器具
D種 100Ω以下 300V以下の低圧用機械器具

※1変圧器の高圧側または特別高圧側の電路の一線地絡電流値で150を除した値以下
※2地絡を生じた場合に0.5秒以内に自動的に遮断する装置を施設するときは500Ω以下※1変圧器の高圧側または特別高圧側の電路の一線地絡電流値で150を除した値以下

丸型は単独工法、並列打込工法、連結打込工法の3種類の施工方法がある

「アース棒(丸型)(品番:B-0)」は丸棒に緑IV1.6mm×3mのアース線が連結されています。

表面積が大きいS型に対して、丸型のアース棒は1本打ち込んで接地抵抗値が100Ωを超えた場合に、2本、3本と打ち込むことで接地抵抗値を抑える打込工法が可能です。一般的に表層の抵抗率が低い場合は並列打込工法、表層の抵抗率が高い場合は連結打込工法を使います。そのため、比較的に土の柔らかい、アースが打ち込みやすい場所に丸型が適しています。

なお、ベストパーツOnlineの在庫品は単独工法用なので、連結打込工法が必要な場合はどうぞ遠慮なくおっしゃってください。直ぐにお取り寄せ致します。

並列工法ではアース棒の間隔rは打ち込み深さの2倍以上にすると効果的とされています。

アース線の太さは設置工事種類による

アース線の太さは電気設備技術基準に定められています。

設置工事種類 接地抵抗値 該当機器
A種 10Ω以下 2.6mm以上
B種 計算値以下(※1) 4mm以上
C種 10Ω以下(※2) 1.6mm以上
D種 100Ω以下 1.6mm以上

※1変圧器の高圧側または特別高圧側の電路の一線地絡電流値で150を除した値以下
※2地絡を生じた場合に0.5秒以内に自動的に遮断する装置を施設するときは500Ω以下※1変圧器の高圧側または特別高圧側の電路の一線地絡電流値で150を除した値以下

アース線の接続は「ボルト型コネクタ(品番:BC-5.5)」が便利

5.5mmリード線付きのアース棒とアース線(緑IV)の接続には「ボルト型コネクタ(品番:BC-5.5)」を使って抱き合わせるの方がロウ付けよりも確実です。

「ボルト型コネクタ(品番:BC-5.5)」は5.5mmリード線と末端電線と言われる緑IV線を抱き合わせてボルト締めします

アース線を接続してはいけない部材

アース棒ではない他の部材に接続して、大地に放電しようとすると以下のトラブルが予測されます。必ず以下の条件を満足するアース棒に接続してください。

  1. 過大な電流に耐える
  2. 必要な接地抵抗を有する
  3. 腐食に耐える
  4. 施工時、埋設された時の外的圧力に耐える機械的強度を有する

水道管

水道管は見た目は金属に見えても、目に見えない部分は樹脂で作られているといったことがあります。樹脂は電気を通さない為、電気を地面に流すことができず接地抵抗が高くなり、帯電した状態になり感電などの事故に発展する恐れがあります。

ガス管

ガス管は漏電によって引火や爆発が起こり、火事に繋がってしまう恐れがあります。

避雷針

雷が避雷針に落ちた際にダイレクトに機器にも流れてきてしまうので大変危険です。

まとめ

大地に電流を流し、感電や漏電といった事故を防ぐアース(接地)は、地中に埋める「接地極」と「接地線」で構成されます。それらの形状や長さは、接地抵抗値によって決定します。アース棒はS型が短くても表面積が稼げるので有利です。しかし、寒冷地の場合、地表近くは冬場の接地抵抗が高くなるため、凍結深度より深いところまで届く長さのアース棒を選ばなければなりません。S型では深く打込みにくい土質では丸形を連結工法で施工することも検討してください。

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佐々木瞭

佐々木瞭

1994年生まれで、2016年ベストパーツ株式会社入社。
2018年より営業部に所属し、分類は配線器具を担当しています。
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