2022年10月に新設された品確法（住宅の品質確保の促進等に関する法律）の断熱等性能等級6、7は、住宅の性能基準を大きく変えました。さらに、2025年4月からはすべての新築住宅で断熱等級4への適合が義務化され、住宅のUA値（外皮平均熱貫流率）は一層重要になっています。高断熱化が進む新築住宅では、従来の基準と比べて暖冷房一次エネルギー消費量を31％から最大47％削減することが求められる時代です。このような高水準の住まいでの暮らしを快適＆健康にしてくれる、圧力損失を限界まで低減した省エネ温水パネル「キュア10™」をご紹介いたします。

健康と快適性を両立する温水式床暖房、キュア10™

温水式床暖房は、足元からじんわりと温める暖房効果に加え、結露の抑制によるカビやダニの発生防止、ひいてはアレルギー症状の軽減など、健康面でのメリットも高く評価されています。その結果、一般住宅だけでなく、幼稚園や介護施設などの非住宅施設での採用も着実に増加しています。

現在、市場の主流は建築の低い断熱性能を補うべく55℃以上の高温水を循環させる温水マットが主流ですが、品確法が改正および新設されて以降の新築住宅では、より低温の温水でも十分に暖房効果が得られると予測されており、温水式床暖房システムのあり方も変化しつつあります。

太径パイプの採用で圧力損失を抑制し、広い面積に対応

現在、温水式床暖房の主流である厚さ12mmの温水マットの内部配管には、5Aや6Aの細い架橋ポリエチレンパイプがあらかじめ敷設されています。この細いパイプで広い面積を床暖房にしようとすると、回路数が増えて圧力損失が大きくなります。

その点、温水式床暖房の新しいスタンダード「キュア10™」は、厚さ15mmの温水パネルに、10A（呼称10mm）の「キュア真打専用パイプ（品番：10CS-○○）」を現場で敷設する方式を採用しています。パイプ径が太いため圧力損失が非常に低く抑えられ、1回路あたりの敷設面積を大幅に広げることが可能になりました。もちろん、温水パネルにはアルミ製の遮熱板と伝熱板が埋め込まれていますので表面温度を均一に保てます。

配管長100mまでの対応力と専用パイプの重要性

「キュア10™」は、一般的な家庭用ヒートポンプ熱源器に内蔵されているポンプの能力に基づき、目安とし1回路あたり100mまでの長さの配管敷設を可能としています。もし、100m以上の配管長を要求される回路がある場合は、システムの圧力損失を算出したうえで設置される熱源器のポンプ能力と比較検討してください。

また、安全かつ快適に使用していただくため、配管には必ず専用品の「キュア真打専用パイプ（品番：10CS-○○）」か「O2ストップパイプ（品番：O2-10C）」を使用してください。市販の架橋ポリエチレンパイプを「キュア10™」と組合わせて使用した場合、熱による膨張と収縮を繰り返す度に、本体に擦れる音鳴りが発生する恐れがあるからです。

パネルの柔軟な組み合わせと現場での加工で自由設計

直線部とＲ部の2種類のパネルを組合わせてレイアウトしてから現場配管する「キュア10™」は、温水マットに比べて圧倒的に自由度の高い敷設を可能にします。近年増えている、デッドスペースを生かした5角形や円形などの変形レイアウトにも対応することができます。

2種類のパネルは、「キュア10™（品番：FB15-0909S-6）」を直線部分に、「キュア10™（品番：FB15-0902R-9）」を部屋の隅でパイプをターンさせる部分や狭いエリアに敷設する場合に用います。

品番	寸法	厚	重さ/枚	入数
FB15-0909S-6	909×910	15	2.28kg	6
FB15-0902R-9	909×151.5	15	0.22kg	9

小根太に沿ったカット加工で寸法の調整が容易

「キュア10™」の2種類のパネルは、いずれも303mmピッチで小根太が組み込まれています。小根太に沿ってカッターなどで分割することで、パネルを細かく調整できます。上図での横方向については小根太が通っているため、丸のこなどがあれば任意の場所でカットしてサイズを調整することができます。

まとめ

2025年4月の省エネ基準適合義務化により、日本の新築住宅は本格的な高断熱時代を迎えました。暖冷房一次エネルギー消費量が大幅に削減された住宅において、冬の暖かさだけでなく、カビ・ダニ対策、アレルギー対策といった健康的な室内環境を実現するには、温水式床暖房が最適な選択肢です。

新・定番「キュア10™」は、内部配管径がφ10と太くて１回路あたり配管長を100mまで対応できるため、広い面積を少ない回路数で効率的に賄うことができる温水パネルです。さらに、パネルをカットして部屋の形状に高精度で合わせられる自由度の高さも大きな魅力です。高断熱・高気密化が進む現代の住宅において、「キュア10™」は快適性、省エネ性、そして健康を両立する床暖房の新しいスタンダードとなるでしょう。

※この記事は2022年8月19日に初めて公開されましたが、修正し、2025年10月23日に再度公開いたしました。