
【施工品質が変わる】断熱・非断熱フレキダクトに最適な締付バンドの選び方
ダクトを傷つけず、しっかり締まるバンド選び
断熱ダクトには、浸湿機能にPETフィルム、消音機能にポリエステル不織布やPETフェルト、断熱保温機能にはグラスウールやPETフェルト、ジャケットには耐薬品性や耐熱性を狙った金属系(ガラス繊維入りアルミニウム蒸着やアルミニウムなど)と耐薬品性や耐久性を狙った樹脂系(PETやポリエチレンのフィルムやPVCなど)など、繊細な機能素材が使われています。締付バンドの端部が角ばっていると、ジャケットを傷つけて断熱性能を損なう恐れがあります。
また、非断熱ダクトであっても、補強芯の上にバンドを締めてしまうと隙間ができて気密性が失われるという課題があります。
断熱ダクトを優しく締め付ける「ファインクランプ」
グラスウールやPETフェルトを内包している断熱保温用のダクトを優しくしっかり締めるために使用されるのが、「ファインクランプ」です。
バンド部内側はフラットな設計になっており、均一な圧力で締め付けが可能です。グラスウールを傷つけることなく固定できます。バンドの端部はR形状になっているため、断熱ダクトのジャケットに食い込んで損傷することもありません。
ファインクランプ
品番 | 締付範囲(mm) |
D-75 | 58~75 |
D-138 | 104~138 |
D-165 | 130~165 |
D-180 | 150~180 |
D-231 | 200~231 |
主に、「断熱ダクト(消音機能付き)(品番:KM-○○DS)」、「高断熱ダクト(消音機能付き)(品番:KM-○○KD2)」、「断熱ダクト(品番:GDF-○○)」、「消音グラスフレキダクト(品番:HH24-○○)や(品番:NFF-○○)」など、断熱機能を備えたダクトにご使用ください。
非断熱ダクトには「SWクランプ」
非断熱ダクトの場合、らせん状の補強芯の軟質部だけを狙って締め付けることが重要です。補強芯の上にバンドが重なると、隙間が生じて気密性が低下してしまいます。「SWクランプ(品番:SW○○)」は、補強芯を避けて締め付けることができます。50〜60kgf・cmのトルクで絞めることで、ホースを傷つけることなく確実に施工することができますが、締めすぎるとダクトを破損する可能性があるため注意が必要です。
「右巻き用」と「左巻き用」の二種類がラインナップされていますので、ホースの巻き方向をご確認の上、ご注文ください。
品番 | 締付範囲(mm) | 適合巻き方向 |
SW050 | 51~61 | 右巻き |
SW075 | 75~86 | |
SW117 | 101~121 | |
SW150 | 146~180 | |
SW200 | 197~217 | |
SW050L | 51~61 | 左巻き |
SW075L | 75~86 | |
SW117L | 101~121 | |
SW150L | 146~180 | |
SW200L | 197~217 |
このクランプは非断熱ダクト「コンパクトール(品番:KM-○○K)」に使用してください。
まとめ
フレキシブルダクトと継手の接続において、締付バンドの選定は重要です。断熱ダクトには、グラスウールやPETフェルトを優しく締め付けるための「ファインクランプ」をご使用ください。非断熱ダクトには、「SWクランプ」を使用することで、補強芯の間にある軟質部分を斜めに締め付けることができます。
隠蔽部に使用されるフレキシブルダクトは、点検や補修が容易ではないため、適切なバンドを選び、長期間安心して使用するための施工を行いましょう。
※本稿は、2022年11月18日に公開しましたが、校正を重ねて、2025年8月6日に再公開しました。

室橋尚哉

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