フッ素樹脂系ホース ブリヂストン「エコるーぷ」のメリット・デメリットとは

エコキュートのヒートポンプ用配管に製品保証を求めるなら、唯一の選択肢がブリヂストンの「エコるーぷ」。保証期間は、施工日、または引き渡し日のどちらか早く到達した日付より10年間です。スペックの違いで実際の施工性や価格はどう変わるのか。本稿では、注目のメリットとデメリットを解説してきます。

※2019年11月5日に「エコキュート ヒートポンプ配管の選び方【フッ素ホース】」として公開した記事ですが、最新情報を追加し2021年12月3日に再公開しました。

メリットは耐久性と施工性、デメリットは管の価格

約90℃まで沸き上げるエコキュートのヒートポンプ配管に使用できる配管材料は限定的です。さらに、エコキュートメーカーが推奨している配管材料であっても、長期保証に応えられる製品はありませんでした。そんな状況に風穴を開けたのがブリヂストンの「エコるーぷ」です。柔軟性に富み施工性が良いだけでなく、圧倒的な耐久性能で10年間の製品保証を実現し、過去に漏水事故で苦労された施工業者様やデベロッパーの救世主的な存在になっています。ただし、市場価格が高いため、できるだけ情報を集めるまでは採用しにくいのも事実です。

最大のメリットは10年の製品保証の根拠となる耐久性

エコキュートのヒートポンプ配管に架橋ポリエチレン管やアルミ三層管といった樹脂管を用いる場合、特に重要なポイントは耐熱性と線膨張係数です。耐熱性に余裕がないとパイプの曲げ部がバーストし、線膨張係数が大きいと膨張と収縮を繰り返してパイプと継手の接続部に負担がかかり、それぞれ漏水事故に発展するリスクが高まります。

最高使用温度100℃と余裕がある耐熱性

エコキュートの沸き上げ温度は高くても90℃~95℃ですので、金属製の銅管はもとより、最高使用温度95℃の架橋ポリエチレン管アルミ三層管といった樹脂管であっても問題はありません。しかし、どの樹脂管メーカーであっても「最高使用温度を超える温度が発生する熱源機器には使用しないでください」といった注意書きをするほどスペックに余裕を持たせてはおりません。その一方で、フッ素樹脂系の「エコるーぷ」は、最高使用温度が100℃で連続使用であっても温度95℃と余裕を持たせているので、万が一、エコキュート側で異常高温が出た場合でも急激に脆化することはありません。

接続部に負荷がかからない線膨張係数

「エコるーぷ」の線膨張係数は1.0×10-4。銅管のそれが1.77×10⁻5ですから、エコるーぷの方が銅管より熱による膨張と収縮が少ないと言えます。そのため、パイプと継手との接続部にかかるストレスが少なく、経年による劣化速度を格段に引き延ばすことができます。また、配管の熱収縮によるスレ音クレームや、露出の横引き配管で垂れ下がってしまう美観クレームなどといった性能以外のトラブルにも抑止効果が期待できます。

10Aで最小曲げ半径50㎜!! 施工性にもメリット

施工性に大きく影響を及ぼすのが可とう性と配管自体の重量ではないでしょうか。「エコるーぷ」の曲げ半径は10Aで50㎜と、架橋ポリエチレン管の150㎜はもちろん、アルミ三層管の60㎜(ベンダー使用時)と比較しても圧倒的に可とう性が高いので、狭小部や隠ぺい部における配管の取りまわしや、集合住宅での更新可能被覆さや管への挿入や、将来的な配管更新時の引き抜き作業にも大きいメリットがあります。ただし、単位重量については、「エコるーぷ」の単位重量が0.102kg/mなのに対して、アルミ三層管が0.116kg/m、架橋ポリエチレン管が0.068kg/mという具合に、運搬性は架橋ポリエチレン管に軍配が上がります。

※パイプ径10A、断熱材10㎜厚で比較

デメリットは価格が高い事だけ

フッ素樹脂系ホースは新しい技術ではありません。しかし、一般的な給水給湯配管の市場価格からかけ離れていたため、費用対効果を見いだすことはできませんでした。ブリヂストンによって量産化された今でも、保温厚10mmの銅管、架橋ポリエチレン管、そしてアルミ三層管の市場価格がおおよそ¥500/m程度であるのに対し、「エコるーぷ」は¥1,300/m以上です。このコスト構造が普及を阻害している唯一の要因でしたが、10年間の製品保証を打ち出したブリヂストン製品であればメリットを見出すことができる現場も増えています。

エコるーぷと競合メーカーのフッ素樹脂系ホースは何が違う?

2021年12月現在、エコキュート用途でフッ素ホースを製品化しているのは、株式会社ブリヂストン、株式会社オンダ製作所、そして株式会社カクダイの3社。各社の違いはどんなところなのでしょうか?

同じフッ素樹脂系ホースでも異なる製品特性

図1:ブリヂストン のエコるーぷは、高耐候性被覆でおおわれています。保温厚10㎜仕様は全長が20mと60mの2種、保温厚20㎜仕様は全長20mの1種類となります。その他にも、集合向けの裸管や戸建向けの配管セットなど、幅広いニーズに対応するラインナップが揃っています。

図2:左側がオンダ製作所製の「フッ素系FEPパイプ」、右側がカクダイ製の「エコくるっと」

商品名 メーカー 最高使用圧力 使用温度 最少曲げ半径 定価
エコるーぷ ブリヂストン 1.0MPa 0~100℃ 50㎜ ¥2,750/m
FEPパイプ オンダ製作所 1.0MPa 0~100℃ 150㎜ ¥5,600/m
エコくるっと カクダイ 1.0MPa 1~95℃ 50㎜ ¥2,900/m

フッ素樹脂系ホースのメリットの一つは、管自体に耐候性がある点です。今まで、架橋ポリエチレン管の漏水クレームとして、保温材が経年劣化で収縮してしまい露出した配管が紫外線劣化し漏水するパターンがありました。しかし、フッ素樹脂系ホースであれば、メーカーに関わらず屋外でも安心して使用することができます。また、最高使用圧力もメーカーに関わらず1.0MPaです。使用温度こそ若干異なりますが、そもそも高温に強いフッ素ですので、大きな違いはないと考えられます。

しかし、最少曲げ半径については、「エコるーぷ」とエコくるっとが50㎜なのに対して、FEPパイプは150㎜と大きな違いがあります。最少曲げ半径が小さければ小さいほどタンク下などの狭小部での配管取りまわしに威力を発揮することから、性能面では最高使用温度100℃で最少曲げ半径50㎜のブリヂストン製「エコるーぷ」に軍配が上がります。また、価格面でもエコるーぷが競争力を持っていると言えます。

継手に各社の思想の違いが反映

図3:ブリヂストン製のエコるーぷは、パイプに継手を差し込んでから締め込むメカニカル方式を採用しています。

図4:左側のオンダ製作所FEPパイプ用の継手は、ダブルロックジョイントの技術を応用しているワンタッチ式です。右側のカクダイエコくるっと用継手は、タケノコ式なので単価は抑えられるものの耐圧性能にやや不安が残ります。

商品名 メーカー 継手形式 品番 定価
エコるーぷ ブリヂストン メカニカル式 MAU10A ¥2,530/個
FEPパイプ オンダ製作所 ワンタッチ式 FJ18-1310 ¥2,150/個
エコくるっと カクダイ タケノコ式 413-552 ¥1,050/個

最もメーカーの考え方が色濃く反映されているのは継手の構造です。樹脂管継手のトップメーカーであるオンダ製作所は、ダントツの販売実績があるダブルロック方式を採用しています。国内においては、これより施工性が良い商品は見当たらないと言っても過言ではありません。

ブリヂストンは、メカニカル式を採用して施工品質の安定化を図っています。締付トルク管理を施工業者様にお願いするのではなく、これ以上回らないところまで締め付けるだけでよい設計にすることで、どなたが施工しても漏水が発生しないという具合です。

カクダイは、追い焚きや衛生設備に使われることが多いタケノコ式を採用しています。コストを重視したシンプルな製品ですが、ハードな使用環境が長年続くエコキュートのヒートポンプ配管にこの方式がベストであるかは今のところ分かりかねるため、今後の実績を注視する必要があります。

各社で異なる製品保証の考え方

10年保証のヒートポンプ配管セット「エコるーぷ高耐候性被覆3m(品番: ECO-EL3T)」ベストパーツオンラインなら1セットより当日出荷可能です。

メーカー 商品名 製品保証
ブリヂストン エコるーぷ 10年
オンダ製作所 FEPパイプ 10年
カクダイ エコくるっと 無保証

銅管、架橋ポリエチレン管、そしてアルミ三層管は、基本的に全て「無保証」です。圧倒的な高温性能や耐候性を有するため、必然的に価格が高くなるフッ素樹脂系ホースは、製品保証が加わって初めて検討に値するというのが現実です。ブリヂストン「エコるーぷ」とオンダ製作所「FEPパイプ」は、10年間の条件付き長期保証が設定されています。

ブリヂストン エコるーぷのラインナップ

集合住宅の隠ぺい部で更新可能被覆さや管と組み合わせて使いたい「エコるーぷシングルチューブ」10年保証の安心感と、将来的な配管更新を考えると集合住宅ではこれ一択です。

ヒートポンプ配管セット(高耐候性被覆)
品番 配管長 基準価格
ECO-EL3T 3m ¥16,080
ECO-EL5T 5m ¥22,560

※セット内容は配管2本(往戻)、継手(ユニオンアダプター)4個、継手用保温材4個、VVFケーブル1本(配管長+2m)

エコるーぷ(高耐候性被覆)
品番 呼び径 保温材厚 保温材外径 全長 基準価格
EL10AH10-60 10A 10㎜ 35.5㎜ 60m ¥86,400
EL10AH10-20 10A 10㎜ 35.5㎜ 20m ¥33,000
EL10AH20-20 10A 20㎜ 56.5㎜ 20m ¥42,000
エコるーぷ(シングルチューブ)
品番 呼び径 保温材厚 外径 全長 基準価格
EL10A-120 10A 10㎜ 14.6㎜ 120m ¥126,000

まとめ

約90℃まで沸き上げるエコキュートのヒートポンプ配管に使用できる配管材料は限定的です。現在の主流である「アルミ三層管」であっても、長期保証に応えられる製品はありませんでした。しかし、柔軟性に富み施工性が良いだけでなく、圧倒的な耐久性能を有するフッ素樹脂系ホースは、施工業者様のみならず、ユーザーやエンドユーザーにとってもメリットのある配管材料と言えます。中でも、最もオススメしたいのは、トータルバランスに優れたブリヂストンの「エコるーぷ」です。比較検討される他の管種より高価ですが、フッ素樹脂系ホースの中では、10年保証が付帯しているうえに価格競争力があり、配管セット・保温材付の巻物・裸管などラインナップも豊富ですからどんな現場にも対応できます。メリット・デメリットをご理解の上でご興味をお持ちの方には、ぜひ一度お使いいただきたい商品です。

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佐々木 克仁

佐々木 克仁

2001年ベストパーツ株式会社(旧東北綜合器材株式会社)入社。2002年より営業職。分類は給水給湯を担当。1976年生まれ。
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