樹脂管の切断に【樹脂チューブカッタ―】を使えば漏水事故を予防できる

「架橋ポリエチレン管」「ポリブデン管」、そして「アルミ三層管」といった樹脂管の利用が全盛となった今でも、漏水事故は発生しています。パイプはJIS規格品、継手はメカニカル式ですから、メーカーの施工要領に従えば漏水事故をなくせるはずです。本稿では、漏水事故に対する予防効果が期待できる「樹脂チューブカッター」をご紹介いたします。

※この記事は2022年3月18日に公開しましたが、内容を修正し2022年11月24日に再公開しました。

樹脂管の漏水事故の要因は切断工程にあり!

某大手ゼネコンの調査報告書によると、斜めに切断された樹脂管を挿入してパッキンに傷をつける「パッキン・Oリングに関する漏水」、樹脂管を引きずった際やカッターナイフによる「管の傷に関する漏水」、管のバリや砂が継手と樹脂管の間に入り込む「異物に関する漏水」などメカニカル継手漏水事故要因とされています。これらの要因を手っ取り早く取り除くには「樹脂チューブカッター」が便利です。現に架橋ポリエチレン管工業会も、施工上のご注意として「管の切断」を掲げています。

また、専用工具を使用すれば、管の変形を抑えたまま保温材とサヤ管も一発で垂直に切断できます。

配管を切断する際、間違った使い方をしていませんか?

樹脂管を垂直に切断するときは、できるだけ変形させない状態にするためにガイド付きのカッターを使用しなければなりません。また、保温材やサヤ管をそれぞれ切断するとリスクが高まるので、樹脂管もろとも一発で切断することもポイントです。メーカーの施工要領に従わず、「万能はさみ」「エンビカッター」を使ってしまった経験はないでしょうか?サヤ管に挿入しやすくするために「カッターナイフ」を使って斜め切りしますが、保温材の切断に使っていませんか?これらの油断が招く漏水事故の典型例です。

施工責が問われるパターン例

「架橋ポリエチレン管」「ポリブデン管」の代表的な接合方法はワンタッチ式の継手です。その構造は、耐塩素性に優れたOリングやパッキンを2本使ってシールすることで漏水を防ぎ、ロックリングで引抜強度を担保するものです。しかし、樹脂管が変形していたり切り口が垂直でないと「挿入時にパッキン・Oリングがめくれる」「挿入時にパッキン・Oリングを傷つける」「2本目のシールが効かない」という現象が発生します。これらの事象は「先端切断不良」と判断され施工責を問われる恐れがあります。

また、原料のポリエチレンに架橋をかけることで耐熱性、クリープ性能を向上させている架橋ポリエチレン管については、表面に傷がつくと寿命が極端に短くなり、所定圧力以下でパイプに亀裂が入り漏水事故の発生確率が上昇します。このパターンも施工責を問われます。

パイプの変形を抑えたまま保温材やサヤ管もろとも一発で垂直切断

「樹脂チューブカッター37(品番:JTC-37)」「樹脂管チューブカッター42(品番:JTC-42)」は、ガイドで押さえつけた樹脂管に鋭く切込むV字形エッジ刃で、「架橋ポリエチレン管」「ポリブデン管」、そして「アルミ三層管」を保温材やサヤ管もろとも一発で垂直切断が可能です。

外径φ37まで対応する「樹脂チューブカッター37(品番:JTC-37)」

「樹脂チューブカッター(品番:JTC-37)」1丁から当日出荷可能です。

「樹脂チューブカッター37(品番:JTC-37)」があれば、裸管なら25A、保温材5mm厚なら20A、保温材10mm厚なら13A、サヤ管入りなら16Aまでの「架橋ポリエチレン管」「ポリブデン管」、そして「アルミ三層管」に対応できるので、多くの工具を揃える必要がなく経済的です。本体の大きさは、手のひらにすっぽり収まる全長190mmで質量220g。小型・軽量ながら強靭なダイキャストボディを採用しているから丈夫で長持ち。樹脂管メーカーや給湯器メーカーもカタログで推奨しているので安心です。

品番 全長 重量 基準価格
JTC-37 190mm 220g ¥5,400 
JTCE37 JTC-37用替刃 2,270 

※替刃の交換は、「ドライバー」「ラジオペンチ」等でカンタンにできます。

※塩ビ管のような硬質な樹脂管と補強層を有するホースは切断できません。それぞれ塩ビ管には「エンビカッター」、強化ガスホースのような補強層を有するホースには「ガスホース用カッタ」をご利用ください。

外径φ42まで対応する「樹脂管カッター42(品番:JTC-42)」

「樹脂管チューブカッター42(品番:JTC-42)」は大阪ガス株式会社の指定品です。アゴを平らにすることで、ダ円サヤ管や配管モールにも対応しています。

「樹脂管チューブカッター42(品番:JTC-42)」は、裸管なら30A、保温材10mm厚なら16Aまで切断できるほか、幅44.5mm×高さ40mmまでの楕円サヤ管にも対応しています。ですから、給水給湯配管のみならず、32Aまでの「アルミ三層管」を用いた冷温水配管や、「ダ円サヤ管入架橋ポリエチレン管コアチューブ」を用いた温水暖房や追い焚き配管などにも使えて便利です。また、アゴが平らになっているため、樹脂モールが切断できるというメリットもあります。例えば、「ガス配管用エネモール(品番:GML-15M)」「RMモール(品番:RM-20M)」などが切断できます。操作はラチェット式なので、大きな力を使用しません。この製品は、大阪ガス株式会社の指定品です。

品番 全長 重量 基準価格
JTC-42 240mm 400g ¥11,800
JTCE42 JTC-42用替刃 ¥4,200

※替刃の交換は、「ドライバー」「ラジオペンチ」等でカンタンにできます。

※塩ビ管のような硬質な樹脂管と補強層を有するホースは切断できません。それぞれ塩ビ管には「エンビカッター」、強化ガスホースのような補強層を有するホースには「ホースカッター」をご利用ください。

まとめ

樹脂管にメカニカル継手を使用していても、パッキン・Oリング、管の表面に傷が入ったり、管端のバリが継手と樹脂管の間に入り込むと漏水事故の発生確率が高まります。これらの要因を手っ取り早く取り除くには「樹脂チューブカッター」が便利です。樹脂管を変形させずに垂直切断できるので、挿入時にパッキンやOリングがめくれたり傷つくリスクを排除できます。また、ラチェット式なので僅かな力でも短時間でバリの無い美しい切断面に仕上げられます。
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