京セラ製蓄電池「エネレッツァ」の設置基礎を約30分で作る方法
※この記事は2022年5月31日に公開した記事ですが、校正し直し2023年4月27日に再度公開しました。
徹底した養生管理で施工当日から呼び強度24を発揮
基礎工事には現場打設と簡易基礎を使用する2つのパターンがあります。現場打設の方が強度が高いと考えている方もいるかもしれませんが、呼び強度18(18N/mm2)でも1週間程度の養生期間を要します。一方、エコベースは呼び強度24(24N/mm2)に達するまで協力工場で28日間も養生してから出荷しているので、約30分で基礎工事が完了するだけでなく、設置した瞬間から期待通りの強度を発揮するので、蓄電池の設置で足元に気を使う必要がありません。また、蓄電池メーカーのご指導を仰ぎながら、モデルごとに設計水平震度0.4Gをクリアする「耐震強度計算」を実施して製品設計しているため、引き渡したその日に地震が発生した場合でも安心していられます。なお、本製品は京セラ社の「エネレッツァ」だけで試験を実施しているため、他メーカーの製品で耐震レベル0.4Gを満たすことを保証するものではない点にご注意ください。
設置工事の定番「エコベース」にM10レールを搭載
本品の基本設計は、エコキュートで設計水平震度0.4Gをクリアした「エコベース」と、置くだけで設置完了する「スライドベース」を基にしているので施工方法がとてもシンプルで分かりやすいという特徴があります。これまでのエコベースとの違いは、本体に搭載されているアルミレールのサイズがM10である点とベースを全ねじボルトで土間と関連付ける設置方法であるという点です。機器の固定に使用するボルトナットセットは付属しておりますので、別途調達する必要はございません。
品番 | 仕様 | L | W1 | W2 | H | 重量(kg) | 基準価格 |
E500-M10 | M10 | 500 | 180 | 160 | 120 | 23 | ¥8,700 |
約30分で基礎工事が完了するエコベースの設置手順
犬走(コンクリート)の上に設置する場合の具体例
犬走などのコンクリート土間に設置する場合は、まず「エコベース M10レール(品番:E500-M10)」を固定場所に設置しコンクリート用レベルスペーサーでレベル調整を行います。水平をとったらアンカー貫通部4ケ所にマーキングをし、エコベースを一旦外します。次に、マーキング部を「コンクリートドリル(品番:DLSDS125)」などでM10用メスねじアンカーサイズの下穴を穿孔してSUS304の「メスねじアンカー(品番:SCT3040)」を打込み、そこにSUS304の「M10全ねじボルト(品番:GH-SBSM10)」を14㎝~16㎝の長さにカットしてアンカーに固定します。そして、水平になるよう「インスタントモルタル(品番:INST-MT)」を流し込み関連付けてください。最後に、エコベースをM10全ねじボルトに合わせて設置してからアンカー貫通部4ケ所をSUS304の「ナット(品番:GH-SBNS10)」と「丸ワッシャー(品番:GCW1022S)」で固定してください。
少し長くなりましたが、まとめると以下の手順となります。
- エコベースを仮設置し、コンクリート用レベルスペーサーでレベル調整
- アンカー貫通部を4ケ所マーキング
- 2のマーキング箇所をM10メスねじアンカーサイズのドリルで穿孔
- 3に「メスねじアンカー」を打込んでから全ねじボルトを取付
- モルタルで土間と関連付ける
- 全ねじボルトに合わせてエコベースを設置し、アンカー貫通部4ケ所をナットで固定
- 付属のM10×首下25サイズのボルトナットワッシャーセットで機器を設置
まとめ
京セラ社の蓄電池「Enerezza(エネレッツァ)」の簡易基礎として推奨されている「エコベース M10レール」。基礎の完成まで必要な時間は約30分と大幅に工期が短縮できるうえ、出荷時点で既に呼び強度24(24N/mm2)に到達しているので強度に不安が無いという点がメリットです。さらに、設計水平震度0.4Gをクリアする「耐震強度計算」に基づき設計されているので、地震が発生してもお施主様を蓄電池の転倒による電解液の漏れや制御部品の損傷から守ることができます。
佐々木瞭
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