職人不足で省施工部材の人気が不動に

職人の手が十分に確保できた時代は、手のかかる（時間のかかる）施工方法を用いても現場をこなすことができましたが、現在はいかに短時間で不備なく現場を引き渡すかがポイントです。上面施工式の混合栓は、一般的なナット式の製品と比較して若干価格が高いものの、「一人施工」と「スピード施工」を実現します。

慣れてしまえば早くてカンタン！

システムキッチンに備え付けの混合栓の殆どは、一般的な六角ナットで締め付ける「ナット式」と呼ばれるタイプです。これは製品単体のコストは低減できますが、余程手慣れの職人さんでない限りナットを締めつける際に本体も供回りするなどの弱点もあります。それを防ぐためには何らかの方法で本体を押さえておく必要がありますが、そこに押さえ役のプラス1人工が発生し結果コスト高になる恐れも。また、ナットを締め込む際にカウンター下に潜る必要があるので、施工時間が長くなり肉体的な負荷も大きい側面も否めません。その点、上面施工式ならカウンター下に潜る必要が無く、固定する際に供回りもしないので、結果的に少人数かつ短時間、そして肉体的な負荷も負わず施工することが可能です。慣れてしまえば最も効率よく取り付け可能なのがこの「上面施工式」といえるでしょう。

上面施工式の取付方法

上面施工式なら、カウンター下に潜ることなく上から一人で施工できます。

上面施工式はその名の通り、カウンターの上面から取付ができる方式です。φ35～39に開口した取付穴に「上取付フランジ」を設置し、そこに本体を差し込むことで固定が可能です。取付方法の詳細については以下リンクよりご確認ください。

SANEI K87120TJV/TJKの施工・取扱説明書

上面施工タイプの代表機種10選

SANEI シングルワンホールスプレー混合栓

「シングルワンホールスプレー引出し混合栓（品番：K87120TJV）」ベストパーツオンラインなら当日出荷可能です。

デザイン水栓で世界をリードするSANEIには、デザインもさることながら機能・価格ともに優れた上面施工式の水栓金具が存在します。それが「シングルワンホールスプレー引出し混合栓（品番:K87120TJV/K87120TJK）」です。人気の吐水口引出しタイプなのはもちろんの事、シャワーと整流の切替も可能で、さらにオールメッキで高級感も感じさせるのにお求めやすいプライスゾーンと、非常にコストパフォーマンスに優れた商品です。メーカーの縛りやこだわりが無いという場合には、間違いのない選択と言えるでしょう。

KVK シングルワンホール混合栓

キッチンメーカーのOEMで採用されることが多く、同一メーカー同士での交換の際に人気が高いのが「KVK」の混合水栓です。デザインも普遍的でどんな場所でも合わせやすいのがある意味特徴ともいえるでしょう。KVKでは上面施工式のことを「上施工方式」と呼んでいます。

ボタンで吐水パターンの切替ができるシャワー引出しタイプ（KM5021シリーズ）

大きな吐水切替ボタンが特徴的な「シングルワンホールシャワー引出し混合栓(品番:KM5021JTEC)」

吐水口の先端に取り付けられた大きな切替ボタンが特徴的なKM5021シリーズは、KVKのワンホールシャワー引出し混合栓の中で人気の高い商品です。吐水は水跳ねの少ないシャワーとストレートの切替が可能です。また徐々に定番化してきた節水構造である「eレバー(レバー中央でも水しか出ない構造)」も、省エネ意識の高いユーザーや節湯C1が補助金申請上必要な場合などで引き合いが多くなっています。

吐水口先端のレバーで吐水パターンの切替ができるシャワー引出しタイプ（KM5031シリーズ）

どんなキッチンにも違和感なく溶け込む「シングルワンホールシャワー引出し混合栓（品番:KM5031JT）」

KM5031JTは、シャワー引出し混合栓の中でもポピュラーな商品です。特徴は「NSFシャワー」という手触りが良く水ハネの少ないシャワー吐水で、ヘビーユーザーでも満足の行く使い勝手を実現しています。またどんなキッチンに取付けても違和感の出ないデザインは、機種選定で困った時でも安心してユーザーにオススメ頂けます。

上面施工のスタンダードタイプ（KM5011シリーズ）

スタンダードなKVK「KM5011シリーズ」には、このほかにもたくさんの種類が設定されています。

KM5011シリーズは、KVKの中でも定番と呼ばれる商品です。上面施工タイプの主力機種は5機種設定されており、シャワー付きの「KM5011JTF」、省エネ効果の高いeレバータイプの「KM5011JTEC」、スタンダードな「KM5011JT」と、取付穴兼用(取付穴径φ33～47㎜まで対応できる)でeレバータイプの「KM5011UTEC」、同じく取付穴兼用のスタンダード品「KM5011UT」とありますので、吐水口の引き出し機能などが不要な場合はこの中からご選定ください。

まとめ

時代の変遷とともに浮き彫りになった住宅設備機器取付に関わる職人不足。それを解消する手立ての一つが「少人数且つ短時間で取付ができる省施工部材を選ぶ」ことです。水栓金具も例外ではなく、近年ではキッチン用のワンホール混合栓において一般的な固定方法だったナット式に代わり、一人で簡単に取付が可能な「上面施工式」が台頭しつつあります。製品単価としてはナット式の方が優位ですが、トータルコストで算出した場合は上面施工式が優位になる場合もあるため、総合的に判断して施工方法を選びましょう。

ラインナップ的には水栓メーカー各社とも過不足ない程度に揃っておりますが、ベストパーツオンラインではコストパフォーマンスに優れた「SANEIシングルワンホール引き出しシャワー混合栓（品番:K87120TJV）」をはじめとして、省エネ性能に優れたKVKのeレバータイプやφ33～47㎜までの取付穴径に対応する取付穴兼用タイプも取り揃えておりますので、ご選定の際の参考にして頂ければ幸いです。