シャワーの水圧が弱い? 水圧計を使った正しい測定と改善方法

近年の給湯設備は高性能化が進み、2階以上に浴室を設置する住宅も増えています。その一方で、給湯器や水栓の交換後に「シャワーの水圧が弱くなった」と感じるケースが少なくありません。水圧の低下はユーザーの不満につながるだけでなく、配管の漏れや機器の不具合といった大きなトラブルの前兆である場合もあります。そこで役立つのが、水圧を数値で確認できる「水圧計」です

シャワーの理想的な水圧とは?

新しい給湯器への変更後、ユーザーがシャワーの水圧低下を感じるのは一般的な問題です。

混合栓における水圧の基準は以下の通りです。

  • 流動時:0.05MPa以上
  • 静水時:0.75MPa以下
  • 快適に使える範囲:0.2~0.3MPa

混合栓での圧力損失を考慮すると、静水時で 0.18~0.3MPa が理想的です。この範囲を下回ると、ユーザーが「シャワーが弱い」と感じやすくなります。

水圧計を使った測定方法

ここで紹介する「水圧計(品番:R649-803)」は、配管中に取り付けて動水圧と止水圧を測定する機器です。混合栓とシャワーホースの間に挿入し、水圧を測定します。自在回転式のめねじを採用しているため、設置も簡単です。

この水圧計は、取り付けやすい自在回転式のメス側を備えています。

品番 めねじ おねじ 圧力範囲
R649-803 G1/2 G1/2 0~0.6MPa

実際の取り付けと計測例

本事例ではシャワーヘッドの一時止水機能を利用しました。

ただし設置現場によってはこの機能がないタイプのシャワーヘッドも存在します。そのような場合には、「AE11型ボールバルブ(品番:AE11-13M-S)」「フレキニップル(品番:SKFN-15)」を水圧計のオス側に接続します。この2つの継手を水圧計のオス側に接続することで止水が可能となり、静水圧を正確に測定できます。

写真1:左上部に混合栓のシャワー吐水部が、右下部にシャワーホースが映っています。この状態で流動圧を測定しており、シャワーヘッドから水が吐出されている際の圧力は約0.085MPaであることが確認できます。

写真2:静水圧の状態を示しています。この写真ではシャワーヘッドの一時止水機能を使用しており、この状態での水圧が測定されています。この測定結果から、水栓メーカーの基準を満たしていることが確認できます。

まとめ

この記事を通して、住宅でのシャワー圧力問題に対処する方法を詳しく解説しました。特に、「水圧計(品番:R649-803)」の使用により、客観的なデータをもとにユーザーの感覚的な不満を数値化し、具体的に理解することが可能です。

圧力が基準値よりも低い場合、配管の劣化や給水圧力の問題が原因である可能性があり、これらを特定することで適切な対策を講じることができます。例えば、配管の修繕や「給湯加圧ポンプ(品番:SHC-1511B2)」の使用により、水圧を改善することが可能です。お客様からのシャワーの圧力に関する問い合わせに対しては、この方法を試してみてはいかがでしょうか。

※この記事は2023年10月27日に初めて公開されましたが、内容を見直し、2025年9月5日に再度公開いたしました。
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大宮彰大

営業部所属:ベストパーツ株式会社 2008年入社(36歳) 温水暖房分野を担当し2013年4月完成のベストパーツ株式会社社屋の冷暖房部材選定を行う。 MAIL:omiya.shota@best-parts.jp
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