既設架台のメーカー特定方法:後付け防雪屋根の取り付けガイド
日晴金属製は室外機固定ベースを見れば一目瞭然
市場において日晴金属製の設置架台が一般的であるため、多くの既設架台はこのメーカーの製品です。しかし、オーケー器材製やバクマ工業製の架台も存在し、これらは外見上似ていることが多いです。特に、オーケー器材製はアルミ製架台を含む多様な製品を製造しており、その中のアルミ製品は材質で容易に識別できますが、粉体塗装仕上げや溶融亜鉛メッキ仕上げは他のメーカーと見分けがつきにくいです。このため、室外機を固定するベース部分の特徴を確認することが重要です。日晴金属はクリップ式(パチン固定)を採用しているのに対し、オーケー器材製とバクマ工業製はボルト固定式です。クリップ式固定が見られれば、それは日晴金属製の製品であると判断できます。

図1:横フレームをベース部両端のクリップでパチンと抑える固定方法が特長的な日晴金属製の設置架台。
バクマ工業製とオーケー器材製を見分けるポイントは目盛りの有無
室外機固定ベースがボルト固定の両社を見分けるポイントは、前面の横フレームに目盛りがあるかどうかです。オーケー器材製には50㎜刻みで目盛りが記載されており、設置が容易です。一方、バクマ工業製のほとんどには目盛りがないので、これで識別できます。ただし、オーケー器材製の現行の製品ラインナップには粉体塗装仕上げや溶融亜鉛メッキ仕上げに適合する防雪屋根が含まれていないことに注意が必要です。
メモリ付きのバクマ工業製とオーケー器材製の区別は室外機固定ベースにあり
バクマ工業製とオーケー器材製は目盛りの有無で大半は識別できますが、一部例外があります。バクマ工業製の二段置用架台(品番:B-HWT3)には10㎜刻みで目盛りがあります。このモデルはボルト固定ではなく、ベース前面のねじをドライバーで締めることで固定されるため、この特徴を確認することが重要です。したがって、バクマ工業製の二段置用架台を特定する際は、目盛りのピッチと室外機固定ベースの両方をチェックする必要があります。

図2:バクマ工業製の二段置架台(品番:B-HWT3)は室外機固定ベースの前面のねじを締め込んで固定する仕様になっている。
日晴金属製(粉体塗装仕上げ)のラインナップ
平地置用
品 番 | 室外機取付幅 | 室外機取付奥行 | D | W | H |
C-NG-S | 300~650 | 140~320 | 374 | 770 | 118~318 |
C-NG | 300~700 | 160~340 | 394 | 814 | 118~318 |
C-NG-L | 400~800 | 200~380 | 434 | 914 | 118~318 |
平地高置用
品 番 | 室外機取付幅 | 室外機取付奥行 | D | W | H |
C-NG5 | 300~700 | 160~340 | 394 | 814 | 364~504 |
C-NG5-L | 400~800 | 200~380 | 434 | 914 |
二段置用
品番 | 室外機取付幅 | 室外機取付奥行 | 一段目有効寸法 |
C-WG-S | 300~650 | 140~320 | 幅690×奥行294×高さ639 |
C-WG | 300~700 | 160~340 | 幅734×奥行314×高さ723 |
C-WG-L | 400~800 | 200~380 | 幅834×奥行354×高さ723 |
C-WJ-LH2 | 400~750 | 幅834×奥行353×高さ908 | |
C-WJ-LLH | 400~800 | 幅900×奥行353×高さ908 |
日晴金属製(溶融亜鉛メッキ仕上げ)のラインナップ
平地置用
品 番 | 室外機取付幅 | 室外機取付奥行 | D | W | H |
C-NZJ-2 | 300~650 | 160~340 | 393 | 814 | 117~317 |
C-NZJ-L2 | 400~750 | 200~380 | 433 | 914 | 117~317 |
平地高置用
品 番 | 室外機取付幅 | 室外機取付奥行 | D | W | H |
C-NZJ5-2 | 300~650 | 160~340 | 393 | 814 | 117~517 |
C-NZJ5-L2 | 400~750 | 200~380 | 433 | 914 | 117~517 |
二段置用
品番 | 室外機取付幅 | 室外機取付奥行 | 一段目有効寸法 |
C-WZJ-2 | 300~650 | 160~340 | 幅734×奥行313×高さ748 |
C-WZJ-L2 | 400~750 | 200~380 | 幅834×奥行353×高さ748 |
C-WZJ-LH | 200~380 | 幅834×奥行353×高さ908 | |
C-WZJ-LLH | 400~800 | 幅900×奥行353×高さ908 |
まとめ
後付けで防雪屋根を設置する場合、まずは既存の架台のメーカーを特定することが重要です。ロゴやシールが見える場合は簡単に判断できますが、劣化や損傷でこれらが読み取れないこともあります。そのような場合、室外機固定ベースの構造を確認することが役立ちます。クリップ式(パチン固定)の場合は日晴金属製、ボルト固定式の場合はオーケー器材製またはバクマ工業製となります。さらに、ボルト固定式の場合、室外機固定ベース前面に目盛りがあればオーケー器材製、なければバクマ工業製と判断できます。この情報を参考にして、適切な防雪屋根の取り付けを行ってください。

佐々木瞭

最新記事 by 佐々木瞭 (全て見る)
- 準寒冷地における樹脂管の凍結防止対策には、節電性抜群のエコフィットヒーターがオススメ - 2025年2月10日
- コストダウンに効く!PPS樹脂製の追い焚き用循環金具 - 2025年2月3日
- 水や洗浄剤などが侵入する心配がない!防水仕様の可とう管ガス栓。 - 2025年1月27日