床暖房の温度測定に便利!スマートフォン用赤外線カメラ
足元から部屋全体を暖め、陽だまりのような暖かさが人気の床暖房。熱源が近くにないので子供からお年寄りまで安全に使用できます。また、床暖房は床そのものが暖房なので、こたつやストーブのように暖房器具を置く必要がなく、部屋を広く使うことができます。後付け(リフォームで設置)することも可能なため、最近ではヒートショックの防止や健康面を考慮し、リフォームで床暖房を導入して快適性を向上する事例が増えています。
床暖房システムでは、床下に設置された温水管または電熱線によって熱が供給されます。 目に見えない熱放射の波が下から上がってくるにつれて熱放射が当たる物体が温まり、その物体がとらえた熱を次々と放射します。
床暖房システムの保守点検に役立つツール
床暖房の施工後、部屋の暖まり具合や設備の保安・点検、床暖房システムの隠れた不具合を発見するために便利なツールが『スマートフォン用赤外線カメラ』です。お手持ちのスマートフォンに装着するだけで、簡単に赤外線カメラを使って温度を測定することができます。『スマートフォン用赤外線カメラ(サーモグラフィカメラ)』は、物体から放射される赤外線の量に基づき、温度を可視化します。
スマートフォン用赤外線カメラ『FLIR ONE Pro®』
フリアーシステムズ社は赤外線カメラの設計、製造、販売を手掛けるグローバル企業です。フリアーシステムズ社の『FLIR ONE Pro® TA410NEシリーズ』は、スマホやタブレットに接続して使用する小型の赤外線サーモグラフィカメラです。スマートフォンに専用のFLIR ONEアプリ iOS用(for AppStore)/Android用(for GooglePlay)をインストールして操作します。
品番 | 計測温度範囲 | 対応OS | 質量 |
TA410NE-1 | -20~120℃、0~400℃ |
iOS用 (Lightning接続) |
36.5g |
TA410NE-2 |
Android用 (USB Type-C接続) |
赤外線カメラ(サーモグラフィカメラ)は物体から放射される赤外線の量に基づいて温度を可視化させ、高温エリアを赤く、低温部分を青く表示します。TA410NE-1とスマートフォンの接続は「Lightning(ライトニング)」で、iPhoneや Lightning端子のタブレットと接続が可能です。
TA410NE-2とスマートフォンの接続は汎用性の高い「Type-C」で、Android OS11/12/13 かつ Type-C端子のスマホ(iPhone15)やタブレットと接続が可能です。
充電はどちらもType-Cで行います。カメラユニットにバッテリーを内蔵しているため、接続デバイス(スマートフォンやタブレット)のバッテリーは消費しません。充電式小型赤外線カメラ(サーモグラフィカメラ)は、最大3台のスポット温度メーターと6つの温度領域により、測定機能が拡張しました。
point1:熱画像解像度
熱画像解像度とは、どのくらい鮮明に画像を表示できるかという基準の数値です。『FLIR ONE Pro ® TA410NEシリーズ』は19,200画素と高解像度で、詳細で鮮明な温度帯を正確に把握することができます。最新のスマートフォンは一眼レフなみにカメラの性能が高いため、比較するとそれほど性能が良くないと感じるかもしれませんが、赤外線カメラとしては高性能の画素数を誇ります。
point2:温度分解能
NETD (Noise Equivalent Temperature Difference /雑音等価温度)は、カメラでどれだけ細かい温度差を見分けられるかの指標です。『FLIR ONE Pro ® TA410NEシリーズ』は70mK(0.07℃)です。例えば温度分解能が80mK(0.08℃)の場合と比べて、50mK(0.05℃)ではより細かな温度表示が可能となりますが、各メーカーで測定方法が異なるため、カメラ選択時の参考値としてご覧ください。
point3:測定温度範囲
測定温度範囲は、赤外線カメラで測定可能な温度の範囲です。『FLIR ONE Pro ® TA410NEシリーズ』は-20~120℃の低ゲイン、0~400℃の高ゲインと二種類の切り替えが可能です。初期設定は高ゲインモードに設定されており、撮影データを明るく見せることができます。測定したい対象の温度、用途に合わせて選択してください。
まとめ
ハンディタイプに比べ、スマートフォン用赤外線カメラは手軽に使用でき、小型で持ち運びやすいのが特徴です。『FLIR ONE Pro ® TA410NEシリーズ』は、軽量でスマートフォンに装着しても重さが気になりません。高解像度で問題箇所を素早く特定でき、アプリ内に保存した画像を簡単にメールで共有できるため、作業時間を短縮することができます。床暖房の温度測定のほか、冷暖房運転や室内換気の効果測定など幅広い用途に対応できるスマートフォン用赤外線カメラ(サーモグラフィカメラ)は、手軽で効率的な温度測定ツールです。
佐藤 陽子
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