地中熱ヒートポンプの新基準!「GEOヘッダーセット」入門

地中熱を利用した冷暖房設備は、東京スカイツリーをはじめ、多くの大規模施設で採用されてきました。そして近年、中規模の施設、例えば庁舎や介護施設などでもこの技術が取り入れられるようになりました。多くの場合、冷暖房設備のヘッダーには、金属製の温水ヘッダーや特注品が用いられてきましたが、今回は地中熱専用として開発された、カレッフィ社(伊)の「GEOヘッダーセット」について紹介いたします。

本稿は2022年4月8日公開しましたが商品を追加し2023年9月22日に再度公開しました。

モジュール化、省施工化、内蔵断熱化

この「GEOヘッダーセット」は、イタリアの先進的な技術を結集した、地中熱ヒートポンプ専用の配管部材です。そして、エアベント、ドレンコック、温度計を一体化させて省施工化を実現しています。断熱機能も内蔵しており、安定した販売価格で提供されている点も魅力です。

GEOヘッダーセットの優れた特長

その実際のメリットとして、現場での施工は主管の接続だけと非常にシンプル。さらに、回路毎の配管方向、エアベント、ドレンコック、温度計の位置はカスタマイズ可能で、すべての部材は日本国内で組立検査後に納品されるため、現場での手間が大幅に減少します。

2回路から8回路まで、各回路の配管方向を指定することが可能です。現場ではヘッダー本体をブラケットにかけるだけで設置完了します。

品番 回路数 主管 枝管 基準価格
1107B5 2 G1-1/4 42P2.5TR ¥143,000
1107C5 3 ¥157,000
1107D5 4 ¥170,000
1107E5 5 ¥186,000
1107F5 6 ¥197,000
1107G5 7 ¥208,000
1107H5 8 ¥221,000

設置位置や主管・枝管方向を自由にアレンジ

「GEOヘッダーセット」は、図1のように床置きや壁掛けとして自由に組み立てが可能です。エアベントの位置はヘッダーの上部に、ドレンコックの位置は不凍液の注入や取出しを考慮して指定してください。図2に示すように、主管の方向は左右どちらでも問題ありません。また、各回路の配管方向は90°単位で異なる指定も可能です。

図1:床置きまたは壁掛け、どちらのスタイルでも製作可能です。ご注文の際、ご希望の形式をお知らせください。

図2:主管の方向は左または右、どちらの向きでも製作可能です。ご注文の際、ご希望の方向をお知らせください。

信頼の組み立てと検査:「GEOヘッダーセット」の品質への取り組み

「GEOヘッダーセット」は、お客様のご要望に基づき組み立てられ、その後全製品に漏れ検査を施しています。このヘッダーセットの各パーツは、ミラノのカレッフィ社で設計・製造されています。しかし、組み立てと漏れ検査の工程はベストパーツが担当しています。特に、漏れ検査に関してはカレッフィ社と同じ検査機を使用して全数検査を実施しているため、安心してご利用いただけます。

全製品をカレッフィ社指定の漏えい検査機を使用し、高圧0.6MPaおよび低圧0.05MPaでの検査を実施した後にお届けしています。

カンタン取付!「GEOヘッダーセット」の効率的なブラケット固定方法

図3:ブラケット2つと専用ボルトが4本付属します。

「GEOヘッダーセット」には、往き側ヘッダーと戻り側ヘッダーを固定するためのステンレス製のブラケットが付属しています。ヘッダーの取付はカンタン。専用のボルトをヘッダーにゆるくねじ込んだ後、図3通りにブラケットの溝に合わせてしっかり締めるだけで完了します。これにより、サドルバンドや架台の調達とそれに伴う手間やコストを省くことができます。

「GEOヘッダーセット」の高機能設計と保温性能

図4:本体モジュールの内部断面図。青色の部分が流体と触れあう部分。外層と流路の間に空気の断熱層がある構造で結露や凍結を抑制します。

図5:黄銅パーツには専用の断熱材が付属。現場での加工や保温工事は必要ありません。

「GEOヘッダーセット」の主要部分である本体モジュールは、ガラス繊維を織り込んだポリアミド製の樹脂を使用しており、軽量かつ高い強度を持ち合わせています。さらに、熱伝導率が低いため、結露や凍結のリスクが低減されています。図4に示すように、本体モジュールは2重構造となっており、流体と外層の間に空気断熱層が設けられているので、追加の保温工事は必要ありません。また、本体モジュールを固定するための部品は強度向上のため黄銅とステンレスを採用していますが、付属の断熱材を使用すれば、保温が可能です。

日本国内で人気のオプションパーツ

バイパス式流量調整バルブ:システム全体のバランスを簡単に調整

GEOヘッダーセット専用のバイパス式流量調整バルブ

「GEOヘッダーセット」に対応するオプション「バイパス式流量調整バルブ(品番:112634)」は、流量計に加えバルブ機構を備えており、水張りやメンテナンス時に各回路を全閉できるだけでなく、流量を目視しながらの調整も可能。これにより、システム全体のバランス調整が容易になります。また、設置は垂直や水平どちらの方向でも問題ございません。

品番 ねじ 採熱管 基準価格
112634 42p2.5TR JIS25A ¥32,300

GEO変換アダプタ:本体モジュールの台形ねじを管用テーパおねじ(Rねじ)に変換

GEOヘッダーの42p2.5TR台形ねじをRねじに変換する。

「GEOヘッダーセット」に枝管を接続するねじは、台形ねじ(42p,2.5TR)となっています。このねじに「GEO変換アダプタ」を取付けることで、一般的な管用テーパおねじ(Rねじ)に変換することが可能です。その結果、お好きな国内メーカーのバルブなどに接続が可能となります。

品番 オス側 メス側 基準価格
110060 R1 42p,2.5TR ¥3,880
110050 R3/4 42p,2.5TR ¥3,880

まとめ

「GEOヘッダーセット」はイタリア カレッフィ社の先進的な地中熱ヒートポンプ専用の配管部材で、モジュール化や内蔵断熱化などの特長を持つ製品です。取付がカンタンで、高い保温性能やカスタマイズ可能な設計、さらには信頼性の高い組立・検査プロセスが行われています。また、オプションパーツを使用することで、さまざまな接続や調整が可能となっており、多岐にわたる冷暖房システムニーズに応えることができます。

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大宮彰大

大宮彰大

営業部所属:ベストパーツ株式会社
2008年入社(36歳)
温水暖房分野を担当し2013年4月完成のベストパーツ株式会社社屋の冷暖房部材選定を行う。
MAIL:omiya.shota@best-parts.jp
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