
古い暖房設備の既設銅管から架橋ポリ配管への変換方法3選
※2019年2月12日に公開し、2020年5月29日に加筆した記事を2022年1月6日に校正し直して再度公開しました。
場面により使い分けたい変換方法
暖房配管の多くは床下などの隠蔽部を通り、熱源機と放熱端末を繋いでいます。屋外の広い空間で作業できる場合ばかりではなく、床下や壁際など作業しずらい場合や、導入されている熱源機や放熱端末の種類により接続方法が異なることもあります。場面に応じた3つの変換方法を覚えておけば施工がスムーズに行えます。
火を使えるならロウ付継手で一発変換
樹脂管用ロウ付ジョイント
まず、古い既設銅管にロウ付けができる状況であれば、とっても安価な樹脂管用ロウ付ジョイントをオススメしています。既設の銅管に直接ロウ付けしてから架橋ポリエチレン管を挿入します。この手順ですと継手にスムーサーをかけることができませんが、ロウ付けの前に樹脂管を挿入してしまうとカートリッジ式バーナの熱が暖房用架橋ポリエチレンパイプの劣化を促進してしまう可能性があるので注意が必要です。よって、架橋ポリエチレン管は、バーナではなくお湯で温めてから挿入してください。
品 番 | 銅管側 | 架橋ポリ側 | 基準価格 |
XL7-8 | φ8 | 7A | ¥440 |
XL7-9 | φ9.52 | 7A | ¥520 |
XL10-9 | φ9.52 | 10A | ¥520 |
XL10-12 | φ12.7 | 10A | ¥580 |
フレアツールがあるならフレアメスアダプタでRc1/2に変換
フレアメスアダプタ
品 番 | 銅管側 | ねじ | 基準価格 |
FJW-0915R | 9.52フレア | R1/2 | ¥1,170 |
XPEオスジョイント
品 番 | 樹脂管側 | ねじ | 基準価格 |
XPE-M137 | 7A | R1/2 | ¥550 |
XPE-M1310 | 10A | R1/2 | ¥610 |
次に安価なのが古い既設銅管にフレア加工して「フレアメスアダプタ」を用いる方法です。フレアツールを所持されていることが前提となりますが、既設のφ9.52銅管にフレアを切り直してから「フレアメスアダプタ」を用いてRc1/2に変換してください。この先には、例えば「XPEオスジョイント」をつないでから暖房用架橋ポリエチレンパイプをタケノコ部に挿入する方法を取ることが可能です。なお、新たな熱源機と架橋ポリエチレン管との接続は「フレア樹脂管ジョイント」を用いればカンタンです。
リング式継手でRねじに変換
リング式ハーフユニオン
品 番 | 銅管側 | ねじ | 基準価格 |
OS-138 | 9.52リング式 | R1/2 | ¥570 |
OS-139 | 12.7リング式 | R1/2 | ¥570 |
OS-140 | 15.88リング式 | R1/2 | ¥600 |
OS-287 | 22.22リング式 | R1/2 | ¥1,120 |
カポリ2🄬メスアダプタ
品 番 | 銅管側 | ねじ | 基準価格 |
KSJ2-1310C | 9.52リング式 | R1/2 | ¥1,350 |
KSJ2-1313C | 12.7リング式 | R1/2 | ¥1,430 |
KSJ2B-1316C | 15.88リング式 | R1/2 | ¥1,880 |
KSJ2B-2016C | 22.22リング式 | R1/2 | ¥1,980 |
火が使えないといったロウ付を避けなければならない状況やフレアツールをお持ちでない場合は、古い既設銅管をリングで挟み込み固定する「リング式ハーフユニオン」を用いてRねじに変換することをオススメいたします。その先には、例えば、「カポリ2🄬メスアダプタ 」で暖房用架橋ポリエチレンパイプをカシメて接続します。対応サイズが多いので古い現場に多く見られるセントラルヒーティングの敷設銅管を活かす施工方法として便利です。また、カポリ2🄬は、暖房用架橋ポリエチレンパイプだけでなくO2ストップパイプにも接続できるので密閉式暖房システムにも使用できます。
番外編:銅管をそのままCH接続へ変換する
フレアCHジョイント
熱源機の交換に伴い、熱源機本体との接続がCH式に変更になることがあります。その場合、銅管の長さが十分にあれば、既設の銅管にフレア加工し「フレアCHジョイント(品番:CHJ9)」を使うことでカンタンに変換して接続することができます。
品 番 | 銅管 | CH | 基準価格 |
CHJ9 | Φ9.52フレア | オス | ¥980 |
まとめ
既設の床暖房やセントラルヒーティングの古い銅管を、架橋ポリエチレン管に変換するにはロウ付継手、フレア継手、リング式継手の3つの方法があります。なかでも、「樹脂管用ロウ付ジョイント」は、ロウ付が許される現場に対しては、ラインナップが豊富で部材費用も安価で接続箇所が少ないオススメの部材です。ただし、密閉式暖房システムの場合は、暖房用架橋ポリエチレンパイプではなくO2ストップパイプを接続しなければならないため、「リング式ハーフユニオン」でRねじに変換した先にはカポリ2🄬を用いてください。
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大宮彰大
2008年入社(33歳)
温水暖房分野を担当し2013年4月完成のベストパーツ株式会社社屋の冷暖房部材選定を行う。
MAIL:omiya.shota@best-parts.jp

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