
エコキュートのヒートポンプ配管に架橋ポリエチレン管を使うなら実績No.1の「HCシリーズ」がオススメです
※この記事は2019年10月15日に公開した記事ですが、構成し直し2021年2月17日に再度公開しました。
機器メーカーが推奨しているのは三菱ケミカルインフラテックのHCシリーズだけ
ヒートポンプ配管の共通の問題として把握しておきたいのは耐熱温度。特に往き側の出湯温度が高温になるため、一般的な給水給湯温度で設計されている樹脂管の場合は、加速度的に劣化が進み漏水や内面剥離などの事故が度々発生しました。これに伴い、エコキュートメーカーが公に接続承認している架橋ポリエチレン管は「三菱ケミカルインフラテック社製のHCシリーズ」だけとなります。
邸別に分けられる「ヒートポンプ配管セットPEX」
「ヒートポンプ配管セットPEX」は、1現場に必要な配管・継手・ケーブルなどの部材がセットになっているので、邸別ごとの管理や見積作成がカンタンになります。それぞれバラ手配をしても納期は変わりませんが、ひとつずつ品番を調べて記入する手間を省き、邸別に仕分ける必要もないのがオススメです。また、セットに使用されている「架橋ポリエチレン管(高耐候性被覆)」は、エコキュートをきっかけに誕生した高耐候性被覆です。配管カバーを使用しない現場では、紫外線劣化による断熱性能の低下を防止することができます。
品番 | 仕様 | 配管長 | 基準価格 |
ECO-PEX3BT | 10A×10mm保温 | 3m | ¥11,000 |
ECO-PEX5BT | 5m | ¥14,260 | |
ECO-PEX3BTK | 10A×20mm保温 | 3m | ¥13,210 |
ECO-PEX5BTK | 5m | ¥17,510 |
ヒートポンプ配管に架橋ポリエチレン管を採用するメリット
腐食しないので水質に左右されない
樹脂は電気を通さないので、金属系配管材に起こる電食からのピンホールなどが起きません。また、硬度の高い水源では、金属系配管との相性が悪いと腐食や緑青が発生する可能性がありますが、どちらも発生する事はありません。よって、山間部など水質の良い(硬度の高い)エリアでも安心して使用して頂く事が可能です。そして、水道水には必ず含まれる塩素にも、非常に強いという特色があります。
価格が比較的安価で安定している
架橋ポリエチレン管は、原料価格が安いうえ製造メーカーが多く競争が激しいという背景があり、比較的安価で流通しています。施工業者様の仕入先によって異なるとは思いますが、一般的にはエコキュートのヒートポンプ配管でメートル当たり単価が一番安い管種が架橋ポリエチレン管です。
軽量で運搬や取り回しが容易
エコキュートを設置するには、どうしても工事車両に配管を積んで現場まで運搬する必要があります。また、マンションなど集合物件での施工では、エレベーターが使用できれば良いですが、何らかの理由で階段を使用しなければならなくなった場合、配管材料が重いと運搬だけで体力を消耗してしまいます。架橋ポリエチレン管は銅管と比較して重量が半分以下のため、運搬や狭小部での取り回しに便利なのも架橋ポリエチレン管のメリットのひとつです。
機器から発生する振動や地震に強い
柔軟性の高い架橋ポリエチレン管は、機器から発生する振動や強風などで起こるあおりや地震などの大きな振動にも比較的強い耐性を持っています。設置環境的に地震や強風が予測される場合は、樹脂系の配管材を選定されることをオススメします。
架橋ポリエチレン管を使用するときの注意点
紫外線に弱いから劣化防止処置が必要
架橋ポリエチレン管は、紫外線が直接当たる環境では比較的早い時期にヒビ割れ漏水します。屋外で使用する際は、エコキュートのヒートポンプ配管に限らず、必ず紫外線劣化防止処置をしてください。対策としては高耐候性の被覆保温材が付いた「架橋ポリエチレン管(品番:HC-10HON10-T)」を使用する、「高耐候性のテープ(品番:EWD-5010)」で保温材を保護する、「スリムダクトなどの化粧カバー」に収納するといった3つの方法があります。
最少曲げ半径が大きいから狭所部には不向き
他の管種が最少曲げ半径50~80mmなのに対して、架橋ポリエチレン管は150mmと、狭小部での施工には不向きです。タンク下などで小さく曲げなければならない場合は、「エコキュート用高耐候性被覆チューブ(品番:ECO-CU4T)」、「アルミ三層管(品番:UPC10-HONT10)」、「エコるーぷ(品番:EL10AH10-20)」など他の管種をオススメします。
流体温度によって伸び縮みする
架橋ポリエチレン管の最大のデメリットは「膨張・収縮が激しい」という所です。エコキュートは、お湯を作る時に非常に高温な温水が流れるので架橋ポリエチレン管は伸び、停止時は温水が冷めるため低温時には縮みます。伸びて保温材から露出してしまったパイプが紫外線に当たる事によって劣化して漏水してしまう恐れがありますので「継手用保温材(品番:WJ3H-13)」などでしっかり紫外線防止処置を施してください。
継手はパイプと同メーカーを使用する
三菱ケミカルインフラテック社製のHCシリーズを使用する際は、「袋ナット付アダプタ(品番:KJ18-1310C-S)」、「エルボソケット(品番:KL3-10C-S)」をお使いください。オンダ製作所の「ダブルロックジョイント」も同じ設計ですが、万が一の事故があった場合、パイプと継手を同一メーカーにしていると対応がスムーズに行われます。架橋ポリエチレン管の継手としては内径シールが圧倒的普及していますが、ヒートポンプ配管の場合は外径シールであることも大切な条件です。というのも、内径シールの場合は継手部の内径が細くなり、流速と流量が変化するためエラーが発生する可能性があるからです。
まとめ
ヒートポンプ配管には銅管、架橋ポリエチレン管、金属強化ポリエチレン管、そしてフッ素ホースの4つの選択肢があります。そのうち、架橋ポリエチレン管には耐食性、運搬性、耐震性という施工上のメリットがある一方、熱収縮が大きいという外観上のデメリットがあります。しかし、それを補って余りある価格の安定という魅力があるので、配管があまり見えない場所に設置するエコキュートには最適です。ただし、エコキュートメーカーが公に接続承認している架橋ポリエチレン管は「三菱ケミカルインフラテック社製のHCシリーズ」だけですから注意が必要です。本稿でご紹介した「ヒートポンプ配管セットPEX」は、そのHCシリーズを採用しているので安心してご利用いただけます。

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