
静音性?保温性能?グラスフレキダクトの違い&選び方を解説!
換気システムと現場の環境に応じて使い分ける
先述の通り、保温グラスフレキダクトと消音グラスフレキダクトは、どちらが優れているというよりは、独自の利点を持ち、特定の環境や要求に応じて異なるパフォーマンスを発揮するため、「現場の環境や採用する換気システムに応じて、いかに適切な方を選べるか」がカギになります。
以下では、それぞれのダクトの特徴を踏まえたうえで、適切な選び方を解説していきます。
グラスフレキダクトの構造と特性
まずは、保温グラスフレキダクトと消音グラスフレキダクトの構造の特徴と、それに伴う性能について掘り下げていきましょう。また、この性能がどういった環境に向いているのかも解説します。
保温グラスフレキダクトの構造
保温グラスフレキダクトは、内面に防湿性に優れたPETフィルムを使用しており、外面は耐久性のあるアルミニウム含有PETフィルムで覆うことで耐久性を高めるとともに、施工時の破れなども防いでいます。
この構造により優れた断熱性と防湿性を有するため、特に湿度が高く結露の心配がある環境や外部の温度変化が激しい場所でその真価を発揮します。しかし、PETフィルムは吸音能力に乏しいため、吹き出し口から他の部屋の音が漏れるリスクがある点に注意が必要です。

図1:保温グラスフレキダクトの構造
消音グラスフレキダクトの構造
消音グラスフレキダクトは、内面にダクトに流れ込んだ室内の音を効果的に吸収できるポリエステル不織布を使用することで、吸音性を高めています。
よって静かな環境をが求められる施設や、音響性能を重視する環境での使用に適していますが、一方で、ポリエステル不織布は湿気に弱く、結露が発生しやすい環境では断熱性能が低下する可能性があります。

図2:消音グラスフレキダクトの構造
保温グラスフレキダクトのラインナップ
臨機応変に対応できる長尺タイプ、端末処理が不要な定尺タイプ
長尺タイプの保温グラスフレキダクトは、必要な長さにカットできるので、現場に合わせて無駄なく、臨機応変に対応が可能です。カットにはカッターナイフや大きめの万能ハサミなどが使用できますが、内部の鋼線の切断にはニッパー等が必要です。カット後の端末処理はダクトテープで覆い、固定バンドで止めて完了となります。
一方定尺タイプの保温グラスフレキダクトは、端末部分が予め工場で処理されているため、現場での追加の作業が不要です。必要な長さが予めわかっている場合は、定尺タイプを選ぶことで加工の手間がなくなり作業時間の短縮につながります。
保温グラスフレキダクト【長尺タイプ】
品番 | 呼び径(φ) | 全長(m) | グラスウール密度 | 厚み(mm) |
HH214-100 | 100 | 7.5 | 17.1Kg/㎥ | 29 |
HH214-125 | 125 | |||
HH214-150 | 150 | |||
HH214-200 | 200 |
保温グラスフレキダクト【定尺タイプ】
品番 | 呼び径(φ) | 全長(m) | グラスウール密度 | 厚み(mm) |
CS-75 | 75 | 10 | 24Kg/㎥ | 25 |
SL4-05 | 100 | 0.5 | 17.1Kg/㎥ | 29 |
SL4-10 | 1.0 | |||
SL4-15 | 1.5 | |||
SL4-20 | 2.0 | |||
SL6-05 | 150 | 0.5 | ||
SL6-10 | 1.0 | |||
SL6-15 | 1.5 | |||
SL6-20 | 2.0 |
消音グラスフレキダクトのラインナップ
こちらも長尺タイプと定尺タイプをラインナップ
消音グラスフレキダクトの長尺タイプは、その柔軟性と使いやすさから多くの現場で好まれています。このタイプでは、ダクトの長さに簡単にカットできるため、特定の施工環境や設計要件に簡単に適応することが可能です。不織布を使用した内面はやや繊細ですが、高い吸音性能の肝となるため、施工時は注意して扱いましょう。カット後の端末はダクトテープで簡単に処理でき、設置は効率的かつスピーディに行えます。
定尺タイプは、性能はもちろん長尺タイプと同一ですが、端末部分が予め工場で処理されているため、現場での追加の作業が不要で工数を省くことができます。
消音グラスフレキダクト【長尺タイプ】
品番 | 呼び径(φ) | 全長(m) | グラスウール密度 | 厚み(mm) |
CT-75 | 75 | 10 | 24Kg/㎥ | 25 |
HH24-100 | 100 | 7.5 | ||
HH24-125 | 125 | |||
HH24-150 | 150 | |||
HH24-200 | 200 |
消音グラスフレキダクト【定尺タイプ】
品番 | 呼び径(φ) | 全長(m) | グラスウール密度 | 厚み(mm) |
CT-75 | 75 | 10 | 24Kg/㎥ | 25 |
NFF4-05 | 100 | 0.5 | ||
NFF4-10 | 1.0 | |||
NFF4-15 | 1.5 | |||
NFF4-20 | 2.0 | |||
NFF6-05 | 150 | 0.5 | ||
NFF6-10 | 1.0 | |||
NFF6-15 | 1.5 | |||
NFF6-20 | 2.0 |
まとめ
グラスフレキダクトは、換気装置や環境に応じて選定が必要です。結露が問題となる場合は保温グラスフレキダクト(定尺タイプ:HH214シリーズ/定尺タイプ:SLシリーズ)、結露の心配がなく音響性能が重要な場合は消音グラスフレキダクト(長尺タイプ:HH24シリーズ/定尺タイプ:NFFシリーズ)を選択しましょう。いずれの商品も国土交通大臣認定の不燃認定品、かつ、F☆☆☆☆のグラスウールを採用してあり、安心して使用できます。
※この記事は2019年2月15日に公開しましたが、校正を行い2025年10月1日に再公開しました。

鈴木 彩香

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